OLYMPUS XZ-1ManInside 2013-2-6 21:44 6056 hits ManInsideさんのすべての写真 フォトギャラリーTOP 2011年2月に発売されたOLYMPUS XZ-1。コンデジにしては比較的大きめの1/1.63型CCDセンサーを搭載し、レンズは35mm換算で28mm~112mmの4倍ズーム。最大F値はF1.8。いわゆる「高級コンデジ」というカテゴリーに属するカメラである。 XZ-1をこのコーナーで紹介する理由は、CBNのレビュワーとして、また、ライドの折に風景写真の撮影を楽しむサイクリストして、このカメラが非常に重宝しているからである。 このカメラはまずサイクルパーツの撮影に便利である。奥行き(長さや幅)のあるパーツの全体をくっきり見せたい場合、被写界深度(ピントが合っているように見える範囲)を深くする必要がある。被写界深度は主に被写体の奥行き・撮像センサーから被写体までの距離・センサーサイズ・F値等によって決定される。コンデジの小さいセンサーサイズはAPS-Cやフルサイズセンサーといった大型のものに比べて被写界深度が相対的に深くなるため、小物をくっきり撮影したい場合は有利なのだ。 さらに、室内でのパーツ撮影は一般的に光量が不足していることが多い。そこで大口径F1.8が活躍する。F1.8という大絞りでの撮影と聞くと、ボケが大きくなりすぎるのではないかと思われるかもしれない。より大きいセンサーでは、確かにそうだ。しかし上述のようにセンサーサイズが小さいため、F1.8でも資料的な写真撮影向きの被写界深度を稼ぐことができる。 XZ-1にはマクロとスーパーマクロモードがあり、最短撮影距離も各々10cm/1cmと近接撮影には申し分ない。被写体に寄れて、暗所でもシャッタースピードを稼げる大口径レンズを備えた小型センサーカメラ。パーツ撮影には理想的な一台と言って良い。無論、マイクロフォーサーズ・APS-C・フルサイズといったより「本格的な」カメラでもパーツの撮影は可能だが、場合によっては三脚を設置してF値を絞るという面倒な作業が必要になる。つまりオーバースペックなのである。 XZ-1が活躍するのはパーツの撮影だけではない。搭載レンズと画像処理エンジンが非常に優れているせいか、解像感の高い風景写真・スナップ写真を記録することができる。どれくらい解像感が良いかというと、マイクロフォーサーズに比べて「悪くない」どころか、被写体によっては全くひけを取らない写真が撮れる。私はリュックにOLYMPUS E-P3やCanon EOS Kiss X4等のより大型のカメラを入れてサイクリングすることもあったが、最近はこのXZ-1ばかり活躍している(ちなみに上で「センサーが小さい」と書いたが、1/1.63型というのはコンデジの中では大きいほうで、贅沢なスペックではある)。 このXZ-1、東京ビッグサイトで開催されたサイクルモードの撮影でも活躍した。展示会やイベント等でもAPS-C一眼レフのような大きめのカメラよりずっと扱いやすい。まさに何にでも使える良いカメラである。 [特集] サイクルモード2012 https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=10032&forum=120 しかしこのXZ-1にも弱点はある。高感度があまり良くない。他人に画質の美しさを楽しんでもらうことを前提とした写真の場合、ISO800はまず使えない。もう2年も前のモデルなので無理もないが、その点最近のコンデジと比べるとかなり見劣りする。また、残念ながらサイクルジャージのバックポケットにスッポリ入るサイズではない。リュックやフロントバッグ等が必要になる。ただ、このカメラの便利さ・結果の良さに慣れると携行は億劫でなくなる。 購入時は5万円弱したが、現在は流通在庫が2万円程度で売られているようだ。去年発売された後継機のXZ-2はチルト液晶を搭載したためにボディサイズがやや大きくなってしまった。買い換える予定は今のところない。 Canon EOS 5D mark II EF50mm F1.8 II ISO800 F4.5 1/60, RAW, Aperture 3 |