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Spin『スピングリース』の効果推定


 
GlennGould  2011-9-1 7:56
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Spin『スピングリース』の効果推定
レビュワーのTORIALさんがBBSで紹介して下さったSpinのスピングリース。

https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=8779&post_id=15051&forum=126

スピングリースのお陰?でグルグルといつまでも回転しているこの画像のハブの軸しゅう動抵抗は、果たして他のハブに対してどれだけ小さいのか?

推定してみました。


●●● 結論 ●●●  

動画のホイールのハブしゅう動抵抗は、67アルテ(フロント)に対して13%から21%程度の値になると推定された!


●●● 検討経過 ●●●

①動画でホイール回転速度が徐々に低下しますが、回転に要する時間を一回転毎にラップ計測します
②とりあえず動画の時計で2分0秒付近からラップ計測を開始しました
③最後には回りきらず、ホイールアンバランスに起因する単振動モードに移行してしまいますが、その直前の一回転までラップ計測を続けます

というわけで、次のグラフが結果です。
2分0秒からの経過時間を横軸、ラップ時間を縦軸にとるとFig.1のようになりました。なお、各プロットでの経過時間は、一回転の中央での時刻を採用しています。


一回転の所要時間が徐々に大きくなりますが、非常に長い時間をかけて、大きくなっていきます。動画の時計では6分間も回り続けています。これがすべてスピングリースの効果であるとすれば、スゴイことではないでしょうか!?

次に、一回転ごとのラップ計測値から各回転ごとの平均角速度を算出するとFig.2のようになります。ただし、縦軸の単位はrad/sであり、1秒間に1回転の場合は、2π=6.28….rad/sとなります。わかりやすくするために、700C相当の場合の走行速度を右側の縦軸に記してあります。



軸周りの抵抗は、空力に起因するものと、軸受に起因するもの、以上の2つが挙げられます。空力損失(ワット)は回転速度の3乗に比例し、これに伴う空力抵抗トルク(Nm)は回転速度の2乗に比例しますので、低回転側では急激に小さくなり、代わって軸受けのしゅう動トルクが支配的になります。特に、極低速領域では空力損失を十分に無視できると考えられます。

『時速1km/h(=28cm/s)』 

という超低速における接線をFig.2の赤い点線のように置きます。
この赤い接線の傾きは、時速1km/hにおける加速度(というか減速度)を表しており、その値はおよそ、-0.013 rad/s^2 となりました。

実測の青いプロットをさらに右下に延長したとしても、赤い点線から大きく乖離することはないと考えられますが、いずれにしても、時速1km/hにおける加速度を、このホイールの『停止直前加速度』として採用することにします。

以上で、Spinのグリースを適用したハブで組んだ動画のホイールの回転の様子はよくわかりました。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


さて、次に、
手持ちのホイールで同じようにホイール回転を一回転毎にラップ計測する実験をおこないました。ホイールアンバランスは十分に取り除いたので、単振動モードに移行せずにスムーズに停止に至りましたが、最終の一回転のラップまで計測しています。

経過時間を横軸、ラップ時間を縦軸にとるとFig.3のようになりました。動画の場合のFig.1と比較して、一回転の所要時間の増大が急激であることがわかります。横軸の時間長さがFig.1と比べてまるで短いことにご注目ください。



一回転ごとのラップ計測値から各回転ごとの平均角速度を算出するとFig.4のようになります。

『時速1km/h(=28cm/s)』

における接線を図の赤い点線のように置くと、この接線の傾きはその値はおよそ、-0.094 rad/s^2 となり、動画の場合の7.7倍ほどにもなってしまいました。
この加速度-0.094 rad/s^2を、手持ちホイールの停止直前加速度として採用することにします(トホホ)。




加速度dω/dtとホイールの慣性モーメントJと、軸しゅう動フリクションTの関係は次の通りです(導出方法を知りたい方はBBSで・・・)

T=J×dω/dt

一方、動画にあるホイールの慣性モーメントは、クリンチャリム36H +ステンレス15番スポークとして、以下のように、ごく大雑把に仮定してみました。

タイヤ+チューブ(400g) → 実効半径0.327m → 慣性モーメント=0.4×0.327^2=0.0428
クリンチャリム質量(500g) → 実効半径0.31m →慣性モーメント= 0.5×0.31^2=0.048
スポーク質量(460g ) → 実効半径 0.31/3m →慣性モーメント= 0.46×(0.31/3)^2=0.0049
ニップル質量(72g) → 実効半径0.295m →慣性モーメント= 0.072×(0.295)^2=0.0063
ハブ → 無視

∴ 慣性モーメント J = 0.0428+0.048+0.0049+0.0063 = 0.102 kgm^2

ハブは軸中心に近いので、慣性モーメントへの寄与は非常に小さくなります。大勢に影響なしということで、面倒なので無視しています。

一方、手持ちのホイールは、チューブラリムがアンブロシオNEMESIS、ハブが67アルテのフロントで32H、スポークがDT-SWISSの15番などであり、おおよそ以下の通りです

チューブラタイヤ(280g) → 実効半径0.325m → 慣性モーメント=0.28×0.325^2=0.0296
リム質量(430g) → 実効半径0.31m → 0.43×0.31^2=0.0413
スポーク質量(410g) → 実効半径 0.31/3m → 0.41×(0.31/3)^2=0.00438
ニップル質量(64g) → 実効半径0.302m → 0.064×(0.302)^2=0.00583
ハブ(180g) → 無視

∴ 慣性モーメント J = 0.0296 + 0.0413 + 0.00438 + 0.00583 = 0.081 kgm^2

次に、軸受のしゅう動抵抗です。先ほどの式 T=J×dω/dt に停止直前加速度と慣性モーメントを適用します。便宜上、負の加速度を正数になおし適用すると、

●動画のホイールのハブ→ 0.102 kgm^2×0.013rad/s^2 = 0.0013Nm
( 慣性モーメントの推定誤差±25%を見込むと0.001~0.0016Nm )

●67アルテの前ハブ→ 0.081 kgm^2×0.094rad/s^2 = 0.0076Nm

というわけで、動画のホイールのハブしゅう動抵抗は、67アルテ(フロント)に対して

!!! 13%から21%程度の値になる !!!

と推定されました。なお、以前のレビュー

https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=7257&forum=48#forumpost12306

では、かなり大雑把な実験から同じホイールで0.0052Nmという数値を導出しています。

なお、67アルテでさえ0.0076Nmなどというとんでもなく小さい値で、こんな数字は時速50kmで0.3Wにしかなりませんから、到底、走って体感することなどできるはずもありませんが、軸受しゅう動抵抗の由来が、ベアリングと保持機構間の摩擦係数に由来することから、実際の軸しゅう動抵抗を考えるときには、乗車重量を考慮しなければなりません。

さきほど参照したレビューでは、単位重量当たりの軸しゅう動抵抗増加率、0.00089 (0.089Nm/kgf) も導いています。この大変大雑把な値を使って前輪荷重が30kgfの場合の軸しゅう動フリクションを推定すると、67アルテでは、

0.0076 + 0.00089×30 = 0.0343Nm

を得ます。この場合の時速50kmでの損失は、1.4W

となります。時速50kmを維持するパワーは400W程度と考えられます。また、高速領域でのパワー差に対する速度感度はこちらの旧レビュー

https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=6922&forum=48#forumpost11717

で示しましたが、およそ3分の1の感度を持ちます。したがって、時速50kmを維持するパワーは400Wに対する軸受け損失1.4Wの3分の1は、0.47Wとなりますので、

0.47/400 = 0.12%

の速度差を与えます。後輪も同じと考えると、0.24%になります。
もし、67アルテの軸受損失がゼロになれば、時速50kmでの速度が0.24%ほど上昇することになります。これは距離50kmの個人TTのタイム60分0秒が、59分51秒になることを意味します。この効果を体感することは不可能でしょうし、9秒差というのは、刻々と変化する風向きと風力の影響に儚く紛れてしまうような数字です。特に実力のある速い人にとっては、マシン+ライダーの空力特性の改善の方が遥かに重要であることは論を待ちません。

しかし、ごく普通の人が頑張って走るときのパワーが200Wで速度が35km/hならば、速度の上昇は0.24%ではなく、おそらく0.35%程度になるかと思われます。これで60kmの個人TTを走れば、そもそも時間がかかることも相まって、18秒の差となります。受け止め方は各人各様ですが、これも実は、刻々と変化する風向きと風力の影響に儚く紛れてしまうような数字でしょう。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


動画に出てくるホイールについているハブの軸受抵抗は、確かに、67アルテより遥かに小さい!のですが、所詮、67アルテのしゅう動抵抗でも十分に小さいので、仮に、これがゼロになったとしても、その効果を走行中に体感することは不可能でしょう。


しかし、前輪を空転させてこんな風にいつまでも回っていたら、それは感動的ですし、精神的に良好な影響を与えることは容易に想像され、そういったことを好意的に受け止めることができる人、ハブの回転の軽さが重要なんだ!と強く確信している方には、実走行においても大いに有効だと思います。

(JOKE, JOKE !)


評   価→★★★★★(ハブ軸の低フリクションにこだわる人には)
評   価→★☆☆☆☆(そういうことに興味がない人には)



※ ラップ計測はフリーソフト『SGWatch』を使いました。CSVファイルも作成でき、上記の実験が簡単にできます。あなたのホイールも計測してみてはいかがでしょうか!?



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