購入価格 ¥145,000 (@Wiggle)
使用200kmで一度レビューしてみます。200km程度の走行で何が語れるのかと訝る人もいるかもしれませんが、感覚と記憶が瑞々しいうちにしか書けないこともあると思うので、ファーストインプレッションとして投稿します。
私は普段、週末に120〜200km乗るタイプです。多い時でも月間1,000km程度です。レースには出ません。そんな私がなぜこんなレース用機材が欲しかったかというと、なんだか速そうだったから。速いのはさぞ気持ちがいいだろう、という単純な理由です。私が自転車に乗る理由のうち100%は、気持ちいいからです。勝負に勝つためではありません。結論から書くと、このホイールはそういう人が買っても良いものだと思いました。
軽量でリムハイトの高いカーボンディープリムを買おうと思った時、BORA ONEとEASTON EC90 AERO、ZIPP404とで悩みました。どれも良さそうでしたが、BORA ONEは結構安い割に、ハブとベアリング以外はBORA ULTRA TWOと同じと聞いていたので、じゃあ良いものなんだろうと考えて買いました。EC90 AEROも似たような価格帯なのでだいぶ悩みましたが、ZIPP404は価格的にちょっと上な感じだったのでパス。あいだを取ってBORA。いつかはBORAに乗ってみたい(たとえONEであっても)と思っていたというのもあります。また、上記の中では最後発で、戦略商品として価格を抑えているようにも見えたので、期待できました。
付属品について。私が購入したカンパフリー版はロックリングが付属していませんでした。新しいスプロケットを装着する予定の方は注意したほうが良いでしょう。ホイールバッグ、専用ブレーキシュー(11sキャリパー対応)、バルブエクステンダーも付属していました。
タイヤはまずVittoria Corsa Evo CX-2を装着(ミヤタテープを使用)。タイヤ自体の精度も良いのですが、センター出しが必要ないくらい簡単きれいに乗りました。また、CX-2とBORA ONEのサイズ的な相性も良いようで、少ない力で乗せられます。付属のバルブエクステンダーはCX-2でも使用できます(但し音鳴りがするので私は使用をやめました。詳しくは後述)。
ブレーキシューは付属品ではなくSwissstop Race Pro Yellowを使用しました。下でレビューしています。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=6975&forum=23&post_id=13100#forumpost13100シューのトーイン設定には、Tacxの名品・Brakeshoe Tuner T4580は使用できませんでした。手でやりましょう(えっそのブレーキシューチューナーって何、という方は以下を参照↓)。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=4033&forum=82これで設定は終わりです。乗ってみましょう。まず乗っていきなり、
「何ィィィィィィ! 何だこれはッ、別世界だッ! 次元の違う走りだぞオッ、ジョジョッ! これは機材ドーピングだッ!! ターボのような加速ッ!! パリッと乾いていてクリスピーだぞジョジョォォォッ!!」
というディオの叫びが聞こえてくるわけではないので注意(笑)。そういう大袈裟な感覚はありません。しかし乗っているとじわじわと「これは・・・ヘンなホイールだ!」と感じはじめます。乗車感はカーボンです。今まで鉄のホイールしか知らなかったので、ちょっと新鮮。はじめてカーボンフレームの自転車に乗った時の感覚を思い出します。
リアホイールのラチェット音はカンパにしては静かなほう。気になったのはバルブエクステンダーが少し鳴ること。BORA ONEは音鳴り対策がされているようですが、私の個体はちょっと鳴りました。これは以下のアイテムで解決。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=1103&forum=43&post_id=13101#forumpost13101最初に「おお!これはすごい!」と思ったのは、坂を下っているとき。非常に失速しづらいです。これが空力の良さというやつなのか。巡航速度は、AMBROSIO NEMESIS比で少なくとも2km/hは上がりました。これはびっくり(だって一時間で2kmの差がつくということですよね。本当なのか)。ただし、いつもと同じ出力で2km/hほど上がっているのか、それとも、いつもより多くの出力を出しても苦しく感じない乗り味になっているからなのか、どちらかは不明です。
気付けばTTモードで走っている感じになります。荒川上流や江戸川CRなどにはぴったりのホイールのような気がします。逆に、多摩湖CRのような場所にはオーバースペックでしょう。きれいな路面を、一定速度で止まらずに乗っていたいホイールです。上りでも問題ないと思いますが、まだ峠では使用していないのでその点は評価を保留しておきます。また、ケイデンス90-100rpmで回す感じでも、80前後で踏む感じでもどちらも軽快に感じます。
「チョッチ・・・俺は・・・なんだかすごく調子がいい! 前を引くなチョッチ・・・! 俺はすぐ追いつける! 待ってろよォッ!」
そんな感じです(笑)
人間は自分の限界以上の力を出せることは理論上ないはずですが、普段、私たちが限界域まで力を出していることはあまりないでしょう。自然に体力を温存してしまっているはず。その点、BORA ONE(に限らず、良い機材)は回していて気持ちがいいので体力を使い切るような走りができるんだなと思いました。いつもと同じようなコース、同じような距離を、いつもよりかなり高速に、短時間で走ることができましたが、帰宅すると身体はボロボロに疲れていました(笑)。そういうことです。
私は普段履きに使うつもりですが、レースに出られる方なら、決戦用にとっておくとやっぱり効果抜群じゃないでしょうか。
耐久性について。私は、段差等はまったく気にせず乗っています。アルミリムで普通に走れるところなら同じように乗っています。あんまりデリケートなものなら使い続けたくないとも思うし、カーボンだからといってそう簡単に壊れるものでもないだろうという先入観もあります(もしちょっとした穴ボコに落ちて割れるようなら、もうカーボンホイールなんて買いません)。ただ、過保護な使い方はしていないとはいえ、走行200km程度なので耐久性についてはまだ何も言えません。この点、数千キロ乗られている方のレビューが読みたいところです。
リムハイトが高いと横風にあおられて危ない思いをする、と聞いてビビッていたのですが、今のところ強い風が吹いても煽られるということはありません。
俺のBORA ONEが巻き起こすアドリア海からの激しく乾燥した風が、周囲のライダーたちを煽ることはあるかもしれないがな。
フ・・・
※追記・・・比較対象のAMBROSIO NEMESISでは、同じVITTORIA CORSA EVO CX2, 12-25スプロケを使用しています。SWISS STOPシュー以外、全く同じセッティングのバイクでの比較レビューです(但し空気圧はいつもの100psiでは柔らかい感じがしたので二回目以降は110psiにしています)。
価格評価→★★★★☆ やっぱりWiggle価格でないと手が伸びなかった
評 価→★★★★★ とりあえず満足。高いだけある
<オプション>
年 式→2010
カタログ重量→ F 590g + R 760g = 1350g