購入価格 ¥330~360円/本(シルバー)
【購入動機】
自作実験用ホイール2号の空力性能UPを企て
エアロスポーク考
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=15948&forum=33&post_id=27616#forumpost27616などと題して大真面目にスポークの空力性能を試算した結果、結局辿り着いてしまったド定番スポーク。
プレーンスポークと比較すると高価なスポークですが、エアロスポークというジャンルの中では案外安価な部類に入る。また、強度や空力性能は非常に高い部類に属するため費用対効果は高いと言える。
【触ってみた印象】
CX-Rayはプレーンスポークをローラー圧延して作ったスポークなので個体によっては多少反ったりしており、工作精度自体はそこまで高くはない。
ネジや頭の精度は悪くはないが特筆するほど良くもない。
ホイール組みの作業性や性能上は特段問題とはならないので別に構わないと言えば構わないが値段を思い出すと気にはなる。
少し曲げて感じは星のステンレススポークと比べるとかなりしなやかで弾力があります。
断面は完全な扁平ではなく潰れた菱形のような翼断面っぽい形状なので公式スペックより厚く感じるかも。(※実測値は公式通りなのでご安心を。
【組んでみた印象】
仮組みしてみると、スポーク穴(TNIエボライトハブ Φ2.5[mm])はすんなり通った。
あやを取りながらスポークを編んでいく作業もしなやかさのお陰で作業しやすい。
しかし、ハブのスポーク穴にCX-Rayの頭と首がうまく収まってくれないという現象が起きた。
それも、40本全部が...だ。
しかし、冷静に考えてみると某ラボを始めとする巷の手組ホイールはこの組み合わせで組まれているので組めないはずはない。
手で力を掛けると収まりそうな気配も一応ある。
多分大丈夫だろうと自分に言い聞かせながら一応慎重にテンションを掛けていくと、首がすぽっと収まった。
しなやかな事で有名なCX-Rayは首もしなやかなのね...。
初見だとびっくりするかも。
エアロスポークは必然的にねじれを取りながら組むので、ホイールを地面に押し付けてしごく、いわゆる慣らし作業をやらなくても初期振れ皆無だった点もありがたい。
比較的組みやすいスポークだと思います。
【空力性能】
今回はプレーンスポークで組まれた手組ホイールのスポークをCX-Rayに入替えてますので、組み換えの前後で比較。
プレーンスポークで組んだホイールを回すと、「ブワッ」って感じ。空気をかき乱すというより、出来の悪い送風機を回していると言った方がしっくりくる。(笑)
今回組替えたホイールとは別個体(Shimano R500)の事例で、プレーンスポークがピュンピュンという音を発した事もありました。あの音は個人的にとても好きな音でしたが、音を発している=運動エネルギーの一部を使って空気を振動させているているという事なのでエネルギーロス以外の何者でもありません。
それに対し、CX-Rayはほぼ無音。スポークが空気(空間?)を切断し、スポーク後端で収束させ、置き去りにしていく感じ。レーシング3のスポークも音を発しないハブとリムの間の空間に何もないのではないかと錯覚させるような素晴らしい空力性能でしたがあの感覚によく似ていると思う。
ここまでは感覚的な話でしたが、感覚だけ語っても面白くないので具体的数値を測るべく、スポークの組み換え前後で3本ローラ最高速アタックをやりました。
機材はスポークとニップル以外全て同じです。
プレーンスポーク ⇒ 86.7[km/h]
CX-Ray ⇒ 94.1[km/h]
スポークの空気抵抗55[%]削減により、7.86[%] の最高速向上が達成できました。
参考で、ギヤ比とクランク長が異なる過去の記録ではありますが、レーシング3は98[km/h]を記録しています。
※クランク長172.5[mm] 53-11T (レーシング3)
※クランク長170.0[mm] 52-11T (今回)
また、CX-Ray交換後は40[km/h]⇒85[km/h]の速度の出し入れが何の苦もなく出来る状態に。
なんと、スポークを換えただけで最高速がサクッと10[km/h]近くも上がってしまいました。
ご参考までに。
【弱点】
CX-Ray唯一の弱点は価格だろう。エアロスポークというジャンルの中では案外安価な部類に入るものの、高価なスポークであることにかわりは無い。スポークパターンやスポーク長の検討はくれぐれも慎重に行いたいところだ。
手間と多少の資金は掛かるが、私のように一旦安価なプレーンスポークで組んでスポーク長の確認やホイールのバランスチェックをしてからCX-Rayに組み替えるのも悪くないのかもしれない。
【まとめ】
外観の美しさや仕上げの丁寧さはフツー。
しなやかで組みやすい。
空力性能や強度は巷で語られているように素晴らしいの一言に尽きる。
エアロスポークというジャンルの中で比較すると安価な部類に入るのに強度も空力性能も高いため費用対効果が高いが、プレーンスポークと比べてしまうと雲泥の差なのでスポーク長を決める際は慎重に。
価格評価→★★☆☆☆(高価ですが、それに見合うだけの費用対効果はちゃんとある。)
評 価→★★★★★(これは速いわw)
<オプション>
付属のアルミニップルを普通のアルミリムに使用する場合、空力的にも重量的にも全くお得感が無いので、SAPIMかDT Swissの12[mm]ニップル又は内蔵ニップルを使用することをお勧めします。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=15994&forum=33この付属ニップルは、リムの底厚(ニップルが収まる穴の深さ)が厚くて12[mm]ニップルでは工具が掛からない場合は有効かと思いますが、それ以外ではあまり使用する価値が見当たらないように思います…。