購入価格 5000円弱(wiggle)
『エコ』な時流に乗ったライト
最近流行の兆しが見える太陽電池を搭載したヘッドライトで
2009年度 ユーロバイクアワードを受賞している
まず包装からして凝っている。え?どこが?ダンボールじゃないの?
というあなた。実はヨーロッパでは白い紙はエコじゃないのだ。
20数年前に現地に旅行に出かけたオイラは、行く先々の
ホテルでもユースでもトイレットペーパーが全て無漂白
(つまりダンボールと同じ色)のゴワゴワの紙だったのに
閉口した覚えがある。ケツを拭いて流すだけの紙に
無駄な処理をするのは環境に良くないだろという
ヨーロッパ人の考え方を、身をもって(痔になりかけて)学んだ
しかし、当時のヨーロッパは商品のパッケージでダンボール使用と
いうことは無かった。今は知らんが‥。まあ、エコを謳うんだから
これくらいはやらないと。日本でのパッケージがどうなるか楽しみである
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内部構造も興味があるが、単3が1本に単4の充電池が1本の簡単な構造だった
HPの写真では、上部のLEDが青く光るときは太陽電池、赤いときは
乾電池と鮮やかに表示されるようなイメージがあるが、実際には
気を付けて見ないと見落としそうなほのかな光である
どちらの電池を使うかは自動切換えではなく、手動スイッチによる
充電はこのスイッチに関らず行われる。
電池室のフタがネジ止め式だが、これは、上部に太陽電池がある構造上、
下側に電池室を持ってきたため、フタが台座への固定部分を兼ねているためである。
電池の取替えが頻繁では無いと思われるので、この部分の使いにくさは許容できる
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左側:HL-EL135 右側:HL-EL020
上:HL-EL135 下:HL-EL020
見かけははっきり言って良くない。猫目のHPではちょっとかっこいいかも?
という良く撮れた写真を掲載しているが、私の撮った素人写真を見て頂けば
分かるが、よく言えばスペースシャトル、私の第1印象は『エリマキトカゲみたい!』
であった。太陽電池というやつはデザイナー泣かせですね。
受光部を大きく取ると、円盤型かサーフボード型か小判型か
どうデザインしても、ライト部分と相性がよくない
※(エリマキトカゲとは南半球の生息するトカゲの仲間で、外敵に対して首の周りを
エリマキのように膨らませて威嚇するが、 形勢不利と見るや、2本足で立って
スタコラ逃げ出す姿がなんともユーモラスで、20年以上前に車のCMで有名になった)
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左:HL-EL135 右:HL-EL020
実際のヘッドライトとしての性能はどうか?
比較対照として、同じく猫目のHL-EL135(左)と並べてみた
(撮影距離2.5m 明るい部分の円の直径約20センチ)
しかし、明るい部分の面積が135より小さいのが気になり
白い紙の上に両者を置いて撮影してみると、
(左:HL-EL135 右:HL-EL020 両者とも横倒しで撮影)
あれまあ!HL-EL020の配光特性がかなり狭い角度に絞られている
ことが良く分かる。サイドへの光もHL-135の方が強い
結論。
1)河川敷のサイクリングロードのような真っ暗な夜道を走るのにはHL-EL135同様無理である。
中心部の明るさ、周囲の明るさともに少なすぎる。補助灯火としても不適
(猫目のライトならHL-EL600RCくらいは最低必要)
2)街灯がまばらな郊外を走るにも、暗すぎ、光が狭いところに集中しすぎるのでサブとしても不適である
(猫目のライトならば、最近よく安売りしている、HL-EL510、HL-EL520クラスは最低でも欲しい)
3)街灯が十分な市街地を走る(つまり、前照灯としてでなく、ポジショニングライトとして使用)にも、
光が狭いところに集中しすぎて対向車へのアピールが足りない
HL-EL135の方が、価格も半額以下で安いし、配光も幅広で使いやすい
猫目は『JIS準拠の前照灯として使える明るさを確保』と謳っているが、JISの規定では
「中心部で400カンデラを確保する」となっているそうな。しかし、JISを策定した人も、
まさか中心部だけは400カンデラ。あとは思い切って絞り込むという『JIS規格1点突破ライト』を
作ってくるメーカーがあるとは想定外だったと思う。関係機関には、規格改定をお願いしたい
そこまで言うなら、あんたはなぜ買ったんだよ!というつっこみが入りそうであるが
この商品、女性受けがいいのである。私が前にレビューした
キャノンデール ヘッドレンチは興味を持つのは男性ばかりなのであるが、
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=5295&forum=82#forumpost8664この商品は、この白い外観もあってか女性の食いつきが良い!(笑)しかし、飾りというわけにもいかない。
そこで、昼間はハンドルバーで充電しながら人に見せて、夜はハブ軸の灯火に付け替えて、
ライトの向きを思いっきり下向きにして地面に反射させて、照射角の狭さを補おうと考えている。
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最後に、この製品を購入される方へのアドバイス。
商品に添付されてくる電池は廃棄するか、すぐ使い切るような用途に転用することをお勧めする。
ご存知の方も多いと思うが、現在、アルカリ電池は100円ショップでも売っている。
一般のヘッドライトのように、短期間に使い切るならば、国産メーカー品と若干の持続時間の差はあるが、
100円であるから、文句は無い。しかし、長い時間放置したり、ほんの少ししか電池を
食わない機器に使用すると、耐腐食性の差から100円の電池は漏液に見舞われることがある。
自転車用品は回転の良い商品ではない。小売店の店頭で1年以上在庫していることもありえる。
私はamazonで買ったTL-LD610で、暗くなってきたので電池を交換しようと開けてみたら、
元々付いていた猫目の付属品の電池が漏液していた経験がある。
つまり猫目付属の電池は100円ショップ品質だということだ。
(この製品に付属の電池も Made in PRC (People's Republic of China=中華人民共和国)
とあるので、TL-LD610付属の電池と同等品質だと思われる)
そのことを知っているDOSUNなどは、わざわざパナソニックの電池を付属電池として採用しているのである。
日本ブランドが中国製の電池を使い、台湾ブランドが日本製電池を使うこの皮肉な事態!
猫目は同じ大阪のよしみで、使用推奨期限10年のEVOLTAでも使ったら良いのにね
HL-EL020はうまく運用すれば、電池の交換は数年間は必要ないはず。
よって、漏液防止対策に秀でた国産電池に交換することをお勧めする。
電池の漏液にための回路破損につき早期に廃棄なんてエコでもなんでもないからね!
価格評価→★★☆☆☆(太陽電池のせいとはいえ高すぎる)
評 価→★☆☆☆☆(役所や規格でなくユーザーのほうを向いて製品を作って欲しい)