購入価格 ¥1800程度
サイクルスポーツ12月号の「イチ押し20モデル!ロードシューズインプイレッション」と題した特集の57ページに、なるしまフレンドのアパレル担当の二戸康寛さんという方の、SIDIのテクノ2などのシステムの耐久性に関する話が載っています。曰く「当店ではかなりの数を販売していますが、ワイヤ切れのトラブルはほとんどありません。心配しなくても大丈夫でしょう」また、ラチェットなどが壊れたら?の問いには、「最近ではスペアのパーツが多く用意されているので安心してください(後略)」とある。
本当でしょうか?
私はいわゆるテクノ2システムを搭載したSIDIエナジーを現在使っています。また、過去にはテクノシステムを搭載したSIDIテクノを使っていましたが、どちらもワイヤは切れました。締め具合はどちらかというと緩めなのですが、それでも切れます。それに対してラチェットが壊れた経験がありません。あそこは落車などでダメージを与えたりしない限り、結構長持ちするような気がします。
SIDIテクノ2のスペアパーツはラチェットとワイヤが一体で販売されていますので、ワイヤが切れただけでも、ラチェットもついでに交換、となります。スペアパーツは小売店で簡単に取り寄せが可能です。販売店にとって120円程度のものをたった一個だけ取り寄せるのが面倒で「そういう商品はないんだよね」などと虚言を弄する小売店すら存在するLOOKのスピンドルスパナなどとは大違いです。つまり、頻度はわかりませんがワイヤは着実に切れていて、底堅い需要がある、というのが本当なのではないでしょうか?私のSIDIエナジーのテクノ2は30000kmほどの走行で6回切れています。
さて、自転車バブルに踊らされて勢いだけでロードを買ったけど、「だーえたェ 、疲れるスェ~」(=「だいたい、疲れるし」・・・若手俳優たちの日本語発音の曖昧母音化は止まらない)と、少しだけ乗ったらあとはホッタラカシ、というバブル組の皆さんはそもそもワイヤなんて切れるはずもありませんが、継続して自転車を愉しみ、その結果SIDI ENERGYやERGOのワイヤが切れちゃった!と、お嘆きの諸兄、諸姉にお知らせです。
テクノ2ワイヤの代わりにテニスラケット用ガット「GOSEN TS180」を使い始めて随分たちますが、テクノ2ワイヤよりもはるかに丈夫らしのです。テクノ2は切れますが、GOSEN TS180は全く切れる気配なし。SIDIが如何に自分の足にピッタリだったとしても、ワイヤが切れてしまえば、その瞬間から最低シューズに転落です。もし次に切れたら、思い切ってTS180を試してみてはいかがでしょうか。交換は容易とはいえませんが、ロングラン中に切れて悶々とするような事態にならずに済むというのは精神衛生上も好ましいと思います。
テクノ2補修パーツは結構なお値段ですが、TS180は安いし、何度切れても有り余るほどの長さがあり、大変便利です。もちろん、TS180でなくても、他のガットでも細いヤツなら大丈夫です。TS180はSIDIワイヤより太い1.29mmゲージです。快適です。(これ以上太いとちょっと厳しいですが)
で、一週間前の金曜日、通勤の帰路にSIDIワイヤが切れましたのでTS180への交換をやってみました。以下に示す手順はなんだか面倒に見えますが、純正テクノ2スペアパーツの交換は、実はこれ以上に難しいという印象を持っています。ですから挑戦してみる価値はあると思います。
まず近所のスポーツ用品店でTS180を買ってきます。こんな感じのものです。
切れたテクノ2ワイヤはこんな風。
切れたワイヤを撤去します。そして、TS180をこの部分から差し込みます。TS180の先端は直角に切るのではなく、斜めに尖らせて切っておくと入りやすくなります。
差し込むとこんな風に裏から出てきます。
ここで結び目を作ります。結び目はなるべく小さく作らないと納まらなくなるのでラジオペンチなどを二本使って、てこの原理でぎゅーっとやり、硬くて小さくしっかりした結び目を作って、余ったワイヤを切り落とします。
結び目はこんな風になって、しかるべきところに納まります。
次に、小物を外します。まず、小物を固定している細い金属ピンを抜きます。極細の六角レンチなどで反対側を押して簡単に抜ける場合もありますが、なかなか抜けない場合もあります。そんなときにはとりあえずCRC556あたりを微量だけ浸透させてしばらく待ちながら、どうやったら抜くことができるか作戦を練ります。
この順番でワイヤを通します。ワイヤ先端はなるべく尖鋭的に切り落とし、二番目のラチェット小物の中で曲がっている穴をうまく突破できるように、先端を少し曲げておきます。
次に小物を元に戻し、その後、もう一つの結び目を作ってワイヤを納めます。
出来上がりです。ワイヤに白っぽい柄が入っていて、白いSIDIにぴったりです。
話はかわりますが、私のSIDI ENRGYの手入れはせいぜい半年に一度、石鹸で洗うだけです。しかしこの白いシューズで雨天時にもまったく容赦なく走行し、30000km走行後であるにもかかわらず、さほど痛んでいないように見えるのは、こんなこと
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=3338&forum=61#forumpost4894をして雨天走行時に雨やドロはねに晒していないためだと思います。この珍奇な作業も何だか面倒に見えるかもしれませんが、慣れてしまえば簡単です。自転車通勤の歴史は天候との壮絶な駆引きの歴史です(笑)。もう10年近く、職場と自宅の間に関しては如何なる天候でも自転車による通勤を堅持し続ける私には必須の作戦であり、SIDIとともに愛用中です。なお、冬季バージョンも、もちろんあります。(あっ、また脱線)
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★