購入価格: ¥1,030 (税込) ※伝動機ドットコム
標準価格: ¥2,572 (税込)
『White Industriesのフリーギアに使うとクランクが一緒に回ってしまう』
■ White Industriesのフリーギアの交換のために入手
私はGIANTのシングルスピードFIXER Rに、White Industries ENO Freewheelというフリーギアを取り付けている。以前使っていたシマノのフリーギアにはボールベアリングが使われていたが、White Industiresのものにはシールドベアリングが採用されており、ユーザー自身で容易にベアリングの交換が可能だ。使用期間は1年くらいで、このシールドベアリングはまだ使えるものであったが、気分転換に交換してみることにした。私が選んだのはNTN 6808LLUという接触ゴムシール型のものだ。

NTN 6808LLU(左)、分解したWhite Industries ENO Freewheel(右)
■ 接触ゴムシール型と非接触ゴムシール型
NTN 6808LLUは自転車用の部品ではなく、様々な機械に用いられる汎用のシールドベアリングだ。6808という呼び番号から、内径40mm、外径52mm、幅7mmということが分かる。呼び番号の後ろにある文字はシール形式を示し、LLU(※)とは接触ゴムシール型のことだ。接触ゴムシール型は回転抵抗が大きく高速回転には向かないが、防水性と防塵性が高い。※メーカーによってシール型式の呼び名が異なる
一方、同じNTNの6808LLB 非接触型ゴムシール型は、防水性・防塵性は接触ゴムシール型に劣るが、回転抵抗が小さく高速回転に向いたシールドベアリングだ。White Industriesのフリーギアに入っていたものも非接触ゴムシール型で、ENDURO 6808VVというものだった。
非接触ゴムシール型は手でスルスルと軽く回すことができる。一方、接触ゴムシール型のシールドベアリングを手で回してみると、ズズズ…とかなり大きな回転抵抗を感じる。重い回転と言われるシマノのボトムブラケットよりもはるかに大きな抵抗だ。
以前、GIANT FIXER Rの純正のホイールのベアリングを接触ゴムシール型に交換した際には、手で回して重たさを感じても、実際の走行では回転抵抗の大きさを全くといっていいほど感じなかった。その経験もあって、今回はシール性を重視して接触ゴムシール型を選んだ。尚、モノタロウの商品ページのレビューによると、BB30のベアリングの交換に6800番LLUを用いる人もいるようだ。
(参考) NSK 深溝玉軸受 6000DDU 両側接触ゴムシール型のレビュー:
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=10817&forum=47
接触ゴムシール型のNTN 6808LLUの方がゴムシール内側のリップが大きい
■ 空転時にクランクが一緒に回ってしまう
White Industriesのフリーギアのシールドベアリングの交換はとても簡単だ。シールドベアリングは軽い力で抜き取り、取り付けることができる。交換作業はなんの問題もなかったのだが、クランクを空転させて問題が生じた。
なんとフリーギアが空転するときに、クランクも同時に回ってしまうのだ。接触ゴムシールのリップが内輪(外輪にも?)に接触し、その摩擦力がフリーギアの歯の部分を動かしてしまうのかもしれない。何度か取り付け直してもこの現象がなくなることはなかった。試しにゴムシールを外したらクランクが一緒に回らなくなった。やはり、原因はゴムシールにあるようだ。
手でクランク止めればフリーギアはそのまま空転するし、実際に走行で足を止めてみても実用上は問題はないと感じた。それでも固定ギアのようにクランクが回ってしまうのは、やはり気分が良いものではない。結局、私はNTN 6808LLUを使うのを断念した。

交換自体は簡単だったのだが…
■ White Industriesのフリーギアには不向き
その後、非接触ゴムシール型のNTN 6808LLBに交換したら、フリーギアの空転時にクランクが一緒に回るようなことはなくなった。そもそも、そんなに水や異物が入る構造ではないので、最初から6808LLBにしておけばよかったと思う。
NSKの接触ゴムシール型シールドベアリングは、ハブやボトムブラケットに使うのは実用上は回転抵抗に問題なく、高いシール性が期待できそうだ。だが、White Industriesのフリーギアには不向き。素直に非接触シール型のシールドベアリングに交換したほうが良い。

その後、NTN 6808 LLUに交換。こちらはしばらく走行してからレビューしたい
価格評価→★★★★☆ (リーズナブルな価格)
評 価→★★★☆☆ (私の選択ミス。良いシールドベアリングだが、White Industriesのフリーギアには不向き)