MTBフレーム&フォークの設計図notti 2010-7-27 7:02 7325 hits nottiさんのすべての写真 フォトギャラリーTOP なぜかこういうものにハァハァしてしまう、この図面をプリントしたTシャツを作って着てみたいとか思ってしまう。そんな私はひょっとしてもう相当ダメな人になってしまっているのかもしれない(笑)。 これはヤフオクで「アルフトン」というメーカーのMTBフレーム&フォークのセットを購入したときに付属品として付いていた物です。イーストンチューブを使ったきれいなポリッシュ仕上げのフレームに惹かれ、値段も手ごろだったので入札しました。 このフレーム、フォークのセットですがフレームの方は特にどうということのないおとなしい感じの普通のフレームなのに対してフォークはというとかなり変わっているというかなんというかエライ事になっています。直径35mmの丸パイプのブレードで、根元から先端まで同一径のストレートフォークという時点ですでにちょっとやり過ぎっぽいですが更に注目していただきたいのはコラムですコラムの途中に細かく横線が入っている部分がありますがそこにはネジが切られています。普通ネジきりフォークのネジはコラムの上端に切られているはずですがこれは途中に切られていてその上にネジが切られていない部分があります。つまりこのフォークはヘッドパーツはねじ切りコラム用のノーマルタイプヘッドパーツを使用し、ステムはAヘッド用のステムを使うという普通「なんちゃってAヘッド」と言われるスレッドレスコンバーターを使ってやることを単体のフォークでやってしまっているのです。しかもヘッドパーツの規格はスーパーオーバーサイズ(フィッシャーサイズ)という変態っぷりです。このヘッドパーツとステムの方式を統一しないということにはどういう意味があるんでしょうか。一応私なりに考えてみたんですがスーパーオーバーサイズのヘッドパーツを使うことによってヘッドチューブおよびヘッドパーツを大口径化しヘッド部の剛性アップを図りつつ、ステムは選択肢の多いオーバーサイズAヘッド用の物を使えるようにしたということじゃないかなと思うんですが・・・。しかし真相のほどは設計者に聞いてみなければわかりません。 ヤフオクの商品説明の写真にはコラムをヘッドチューブに通した状態の写真が掲載されておりネジの部分が見えなかったので「普通のオーバーサイズ、Aヘッドのフレーム、フォークのセットだな」と思い落札したのですが届いた実物を見て唖然としました。当然スーパーオーバーサイズのノーマルヘッドセットなんて持ってないし手に入るかどうかも分からないので「もう俺の手には負えない」とあきらめてヤフオクに大赤字覚悟で格安出品したのですがその特殊なヘッド周りのせいか一件の入札も無く、もうこうなったら絶対自分で使ってやると思い必死でヘッドパーツを探し、ちゃんと組んで一時期乗ってました。 でも改めて考えてみるとまだノーマルのヘッドパーツでよかったです、これスーパーオーバーサイズのAヘッドセットを使うものだったら部品探しは更に困難を極めたと思います。 特殊な規格のヘッドパーツが必要だったり、付属していたシートポストが細すぎて使えなかったり、ヘッドチューブにクラックが入って溶接して修理してもらったりとまあ何かと手の掛かる子でしたが「出来の悪い子ほどかわいい」なんていうように妙な愛着があります。 そして、またこのフレームとフォークにはある特別な思い入れがあります、というのはこれが私にロードバイクに乗るきっかけを与えてくれた物だからです。ある時、そこそこ軽いフレームだったのでちょっとこれでシングルスピードバイクでも組んでみようと思い手持ちの部品でできるだけ軽く仕上げようとがんばって何とかペダルも入れて9kg台前半くらいになりました、SSバイクとしてはそんなに軽くはないですがそれまでMTBしか乗ったことがなく、10kgを切るバイクなど乗ったことの無かった私にはその軽さは衝撃でした。結構重めのギア比だったにもかかわらずぐんぐん加速する、ちょっとした登りならすいすいあがっていく。「軽いバイクはこんなに気持ちいいものなのか、だったら同じような重さで前ダブル、後10sの変速が付いたロードバイクとはどんなに気持ちいい乗り物なんだっ!」と思いロードに乗ってみようと思ったわけです。 このフレームとフォークは今は部品も外され、裸にされて実家の私の部屋の壁にぶらさがっていますがなんかこのあなパーの原稿を書いていると無性にコイツに会いたくなってきました。また今度実家に帰ったら自転車の楽しみの幅を広げてくれた事に感謝しつつヘッドチューブの古傷でもさすってやろうかと思います。 |