BB30ベアリングにチタンプレップ
購入価格 ¥630 (FINISH LINE Anti-Seize Assembly Lubricant)
BB30シェル付近からカチ、カチというクリック音やギィ、ギィという異音が発生しうることは有名で、実際に困っている方も多いと思う。また、何をやっても解消しないので、BB30と決別し、アダプタを使って旧来のBSA BBに戻した、という方も多いだろう。
この異音を解消するための決定的な対策は今のところ存在していないように思われる。定番の対処法として、ロックタイト641をベアリングのアウターレースに塗布した後に圧入するというのがあるが、これで解消しなかった人も山ほどいる。
私も(他人のバイクにだが)ロックタイト641を試してみたことがある。他にも様々な方法を試したことがある。
本当に、色々なことを試した。あれもこれもみんな試した。
しかし一つだけ試していなかったことがある。チタンプレップである。北米の自転車関連の掲示板で、チタンプレップをベアリングアウターレースに塗ったら異音が消えた、という書き込みを何件か見かけたことがあったが、試してはいなかった。
なぜチタンプレップで異音が消えるのか。ロックタイトは接着剤なので、公差の大きいBB30シェル内でベアリングが高負荷時に動いてしまうのを防ぐ、という理屈はわかる。しかしチタンプレップは接着剤ではない。異種金属の齧りつきを予防するためのものだ。これがBB30異音問題をなぜ解消できるのか、イメージできない。
だから、「チタンプレップによるBB30異音解消報告」は、本当にレアなケース、たまたまうまく行ったケースであり、異音が解消したとしても他の要素が好転して一時的に解消したに過ぎないのだろうと考えていた。
とはいえ、万策尽きて困っている知人のBB30マシンのベアリングのアウターレースに、まあうまくいかなくてもネタになるかと思って、FINISH LINE Anti-Seize Assembly Lubricant (Ti prep)をたっぷり塗って再圧入してみた。
すると、なんということでしょう、ほとんど鳴らないではありませんか。普通に漕いでいる分には異音は全く発生せず。シッティングなら鳴らそうとしても鳴らせない。ダンシングで、音を出そうと頑張ってみてはじめてちょっとだけカチカチ音を出すことができるレベル。これまでは音を出さないように乗るほうが難しかったのに、チタンプレップ使用後は音を出すのがむしろ難しいレベルにまで改善された。
理由は全く不明。とりあえず60km乗っても元の激しい異音は再発しない。異音が完全に解消したわけではないが、95%くらいまでは解消した。
チタンプレップを使った結果そうなったのか。それともチタンプレップ塗布後のベアリングの圧入が神レベルの精度で行えたからなのか。そのあたりはわからない。
いずれにしても、「チタンプレップでBB30の異音が劇的に改善された人」がまた一人増えたのは間違いない。BB30の異音に悩まされている人は、BSA変換アダプタを使う前に、最後の手段として試してみる価値はあると思った。
価格評価→★★★★★ 本当に効いているとしたら安い 評 価→★★★★☆ 完全とまでは行かないが大幅な効果が期待できる!?
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