購入価格 @$0.50 (fairwheelbikes、送料別)
個人的にはDT Swissよりも丈夫で扱いやすいと思っているSAPIMのPolyaxニップル。お尻のドーム状部分のアールがDT Swissよりも深くニップルに角度をつけやすいので、特に少スポークでテンションを高くする時にはDT SwissよりもSAPIMの方が向いているように思います。ここでレビューするのはお尻が六角になっているPolyax Hexagonalに、SILS(=Self Inter Locking System)という加工がされたもの。サイズは14番ゲージ(2.0mm径)、長さ14mmのタイプです。
露出する部分は通常どおりスクエアになっていますが、お尻も5.5mmヘックスに成型されているのでDT Swiss・ParkTool・カンパなどから出ているヘキサゴナルニップル用のレンチで回すことが出来ます。スポークにテンションがかかってくると徐々に摩擦が増えていくニップルなので、フラット部を使うよりも内蔵ニップル用レンチを使った方が楽に安心して締められます。このヘックス部分の出来も非常に良かったです。DT SwissのProLockはすこしヘックス部分が大きいため、安心感はあるもののニップルに角度が付いているとレンチの抜き差しが多少しにくくなるという欠点がありますが、SAPIMはヘックス部分が浅く面取もきちんとしてあったので非常に楽でした。繊細な扱いが求められるようなこともなく、120kgf付近まで回しても舐めるような気配は全くありませんでした(使用したレンチはDT Swiss製)。重量面でも32個で通常の14mmアルミニップルから1g程の重量増に収まっています。
さて、このニップルの最大の特徴であるSILSという加工についてですが、中のスレッドがお尻に向けて僅かにテーパー状に絞られているためコンパウンドを塗らずとも緩み止めの効果を発揮するようになっているんだそう。とはいえその角度は緩いので、締め込んでもアルミが削れて粉が出てくるようなことはありません。今回はいつも通りWheelsmithのプレップを併用しましたが、極端に回しにくくなるようなことこそ無かったものの、実用スポークテンション域が近くなると徐々に回しにくくなり、中には少し動きが渋くなるものもあったので、プレップよりもエンジンオイルの方が相性がいいのかもしれません。実走行を重ねてみないことにはどの程度の緩み止め効果があるのか分かりませんので、スポークテンションの落ち方を観察し追って情報を追記しようと思いますが、少なくともホイールを組む上での扱いにくさはありませんでした。
この先アルミニップルを使う際は全てこれにしてしまおうかと思わせるくらい、組みやすかったです。あとは、もうちょっと安くなってDT Swiss並にアノダイズの質が安定してくれれば言うこと無しなのですが。
価格評価→★★★☆☆(性能を考えると納得)
評 価→★★★★☆(アノダイズのムラはなんとかならないのか)
カタログ重量 N/A 実測約12g @ 32個