購入価格 ¥90,000位(ホイールとのセット)
アメリカのネットショップを覗いていたら、機種切り替えのタイミングであったため投げ売りされていたものを格安で確保。自分にとっては初めてのパワーメーター。セットアップはアンブロジアのリムとDTスイスのスポークで。今日までで1年くらい使っています。
・良い点
まず、現行のパワーメーターと言えば、SRM/Quarq勢のクランク式と、Powertap勢のハブ式が代表的なものだと思います。(iBikeもありますが…あれは正確性に難があると聞いていますし、普及してないのでカウントしてないです)この中で圧倒的に安いのがPowertapです。練習用リムと組み合わせたり、決戦用カーボンリムと組み合わせたり、自分の好みのセットアップが可能な点も見逃せません。SRMなんて、ドイツ直販でも30万コースです、シロートが気まぐれに買うものではないです。その点、Powertapは敷居が低いので初めてのパワーメーターとしては良い選択だと思います。
サイコンはGarmin Edge500を利用していますが、最初のペアリングから一瞬で完了でした。恐ろしく簡単。これまで使ってANT+通信に問題があったこともありません。非常に頼りになる通信手段だと思います。
ハブとしての性能はなかなか良く、整備されたシマノのハブと遜色ないレベルでよく周ります。パワーメーターが中に入っていますのでなにか回転抵抗があるのではないかと疑っていましたが、どうしてどうして、よく周ります。これは予想外でした。シールドベアリング仕様ですので、基本的にユーザーでメンテするということはありません。
電池の持ちは利用頻度に依ると思いますが、毎月1,000kmくらい走る自分の場合、4ヶ月目で最初の電池交換となりました。使用する電池はSR44、2個。同じ形のLR44というものがありますが、こちらは電圧が違うためPowertapハブでは使用不可です、ご注意ください。なお、電池は突然なくなります。通常、走り初め数メートルでEdge500はPowertapを認識してくれます、負荷のない状態でも「0w」と表示されますので認識を行なっていることがわかります。ただ電池切れの場合は、ワット数が何も示さなくなりますので(ただの空欄になる)、その場合は電池切れです。電池切れは走行中でもいきなり発生しますので、走り初めで認識したからといっても油断は禁物です。3ヶ月に1回など、定期的に交換するようにすれば良いと思います。電池交換は、付属の工具を使って一瞬で終わります。あっけなさすぎなくらい。Youtubeとかでも動画が見つかるので、「Powtertap Battery Changeなどのキーワードで検索してみてください。SR44は1個、500円くらいです。
各種パワーメーターを使ったことがある人なら分かると思いますが、Powertapはキャリブレーションが不要です。ただ自転車にホイールとして取り付けて走るだけです。時々電池交換。これだけ。とにかく簡単、お手軽にパワーメーターを使えるようになります。深く考える必要などどこにもありません。Powertapはパワートレーニング普及の急先鋒だと思います。
・悪い点
ハブ式なので当たり前ですが、決戦用ホイールなど特別なホイールセットを持ってる場合は、併用は不可です。諦めて練習用Powertapホイール1式+決戦用Powertapホイール1式を揃えるなりする必要があります。Powtertapは複数の自転車でも共有可能ですが、決戦用ホイール使用時にパワーの計測ができなくなるのは痛いところです。とくにレーサーの方はこの意味が分かると思います。
これはPowertapだけではないですが、ラチェットが基本、爆音仕様です。セラミックグリスを塗ったり、シマノのハブグリスを塗ったりあれこれやってみましたが、ちょっとの間は静かになりますが、どれも短期間で爆音に逆戻りです。ラチェットのグリスアップも恐ろしく簡単(フリーハブを「手で」引っこ抜くだけです、ほとんど抵抗なくあっさり外れます)なので、マメにグリスアップするしかないようです。
自分はQuarq、SRMも試したことがあるのですが、Powertap最大の難点は、「スパイク」ではないかと思われます。これはハブ式であることのある意味宿命ではないかと思います。で、スパイクとは何かというと、稀に一瞬だけ発生する非常に高いワット数の上昇です。どういう場合に起きるかといえば、例えば信号待ちからの発進時に、体重を使って一気にペダルに負荷をかけた時などに、全力スプリントでやっと出るような非常に高いワット数が出ることがあります。これを英語でSpikeと呼ぶようです。なぜコレが問題かというと、自分の最大出力の計測数値に疑問符がかけられるからです。また、レース時のコーナーの立ち上がりで一生懸命ペダリングしたりすると、ここでもやたらと高い数値が連発で出ます。同じ状況でもクランク式ではまずこのような現象は見られませんので、これはPowertap(ハブ式パワーメーター)独自の現象だと思われます。数値の信頼性に少しでも疑問符がつくことは大変残念です。ただ、それ以外の数値は概ね正確なので、手軽さとのペイオフなのかな、と思います。
あと…重いです。練習用ホイールとして非軽量リムで組みましたが、ホイール全体タイヤチューブ込みで950gはどうかと思います。坂道では豪脚さんでないかぎり勝てません。
・その他
パワーメーターは単体だけでは意味がありません。WKO+、Golden Cheetahなど、専用の分析ソフトを使いこなして出てきた数値を理解、分析、かつ練習に反映させる必要があります。「今何ワットでてる、わーい」、ではタダの高級なおもちゃです。パワートレーニングをはじめる場合は、分析方法も予め下調べをして導入することをおすすめします。本当に余談ですが、WKO+は最初はめちゃくちゃ使いにくいです、とにかく地道に慣れるしかないです。
・総評
敷居の低さ、簡便さで高評価です。スパイク現象は残念ですが、これは分析ソフトで自分でわかっていれば、正確な分析は可能かと思います。最初のパワーメーターとして、力強くオススメいたします。
価格評価→★★★★☆(←パワーメーターとしては格安、でも普通に高いですよね)
評 価→★★★★☆(←スパイク現象だけが残念)
<オプション>
年 式→2011年
カタログ重量→ 412g(実測重量:失念しました)←はっきり言って重い!