BB30クランク(スピンドル)の冷却
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BB30クランクのスピンドルをベアリングのインナーレースに通すのは難しい。遊びが皆無なので手でゴツゴツ叩き入れたり、養生した上でショックレスハンマーを使わざるをえない時もある(こんな原始的な作業を要求される点で現代の規格としては問題があるように思うが…)。
この結果、ベアリングが致命的なダメージを受けるかどうかはわからない。が、少なくとも良い影響を与えないのは確かだろう。
CBNの掲示板で、スピンドルを冷蔵庫で冷やすと金属が収縮してベアリングに通しやすくなる、というアドバイスをスーパーレビュワー・numero_nero氏にいただいた。最初は「冷蔵庫…そこまでやるのか。それに金属を冷やしたからといって作業が楽になるほど収縮してくれるのだろうか。」と半信半疑だった。
しかし知人のBB30異音問題に取り組む過程で、あれを試してもダメ、これを試してもダメ、という感じになり、せめてベアリングのダメージが問題でないことを確認するためにもと、クランクセットを冷凍庫で一晩冷やしてみた(※numero_neroさんによると冷却時間は小一時間位で十分とのこと)。
するともうびっくりするくらい「スッ」とクランクがベアリング穴に通った。工具は不要。素手で反対側まできっちり通る。まさかここまでスピンドルが収縮してくれるとは思わなかった。
BB30のベアリングとサークリップを新品に交換し、スピンドルを冷却してクランクを組み付けた知人の自転車は、残念ながらすぐに異音が発生してしまったので、クランクを冷却したからといってBB30の異音解消に繋がるとは言えないのだが、少なくとも組み付け時のベアリングへのダメージは最小限に抑えられるし、作業効率も非常に高いので、新品のBB30クランクを自分で組み付ける予定の方にはぜひ試してもらいたい五つ星の小技である。
ちなみに冷却したのはFSA SL-K Compactで、クランクごとコンビニのビニール袋に入れて冷凍庫へ。Cannondale Hollowgram SLのようにバラしてスピンドルだけ取り出せるものならかさばらくていいなと思った。
評 価→★★★★★ 驚きの効果。必須の準備作業。
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