『自転車完全ガイド 2012最新モデル辛口採点簿』普遊社、2012
『自転車完全ガイド 2012最新モデル辛口採点簿』MONOQLO特別編集、100%ムックシリーズ、普遊社、2012年。税込み680円。本文98頁、全カラー。
書店でたまたま見かけて購入。「広告一切ナシ!すべてがわかる」というこのシリーズ、特定ジャンルを独自の辛口視点で広く浅く紹介するというスタイルでわりと好み。まったく知識のない分野の商品について、ざっくり把握するのに適している。広告がないので(裏に自転車専門学校の生徒募集はあるけど)提灯記事もないのだろう、たぶん。
知り合いの女性に「季節もいいし自転車通勤したいねんけど、どんなんがオススメなん?自転車詳しいんやろ、教えて~な~」と尋ねられて、“カーボンモノコック“とか”ダブルバテッドクロモリチューブ“とかをオススメしてはいけない。そんなややこしいもの、芽生え始めた自転車好きの芽を摘むのが関の山だろう。 こういった本を見せて、一緒に自転車屋さんに出かけていって、尋ねられたら少し教えてあげて、帰りにオサレなカフェでお茶でも飲んで、で、あれツマがそこに、なななな何でも無いねん、ちょっと買い物につk(ry
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主な記事は「タイプ別採点簿」「10万円以下自転車ランキング」の二つ。
・タイプ別採点簿では「通勤通学スポーツ車」「電動アシスト車」「小径車」「ファミリー自転車」「デザイン自転車」の各タイプが紹介されている。各タイプで注目すべき点や他車と比較して優れている点、惜しい点などが具体的かつ明確に記述されていて、説得力がある。街乗りメインならサスは不要とか、ブレーキはシマノ優先とか。
・10万円以下自転車ランキングでは自転車のプロ(ワイズロード新宿とバイシクルセオのスタッフと自転車ライター)が選定基準を元にポイントをつけ、ざざっと100台をとりまぜ順位をつけて高い順から紹介。う~ん、GIANT安っ。
・その他の記事としてフロントライト10台比較とか、デジタルアイテム完全ナビとか(サイコン紹介だけど)、70‘サイクル5段ギア自転車列伝(1頁だけど)とか、このあたりはまあ普通。
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・すごかったのは「鍵ガチ破壊テスト」、背丈ほどもある大型ボルトクリッパーで切断まで何秒かかるかという内容で、U字ロック以外の自転車用鍵のすべて秒殺。ばちんばちん。Knog・ABUS・GODZILLA・safeman、どれもよく宣伝してる商品だがプロの使う器具の前には無力。ばちん。TateのAG70なんか手で壊されてるよ…orz まあ、使い方に気をつけよう、ということか、ばちん。
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本書の欠点も延べておくと、 ・誤植がやや目立つ。例えば「ボトルクリッパー」、同じ頁に(正)ボルト/(誤)ボトルが混在していて、編集工程に由来するのだろうが、校正精度は低い。 ・解像度の低い画像が目立つ。せっかく大きく掲載しているんだから、キレイな画像をちょうだい。
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近所に大きな自転車店がなく、雑誌を眺めて買い物はネットというパターンがほとんどの私。ただ、専門雑誌は商品価格帯が高級すぎるし(何十万もする最新モデルのインプレを読んでも役に立たたん!!)、ネットは一覧性に乏しい。この手のムックはざっくり大掴みできて、紙媒体もまだまだ捨てたもんじゃないと思う。
奥さん方面から「またそんな本買うてきて」という声も聞こえるんだが。
価格評価→★★★★★本って安いですよね 評 価→★★★★☆誤植が目立つが面白かった、カギは良いものを使おう
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