購入価格 ¥0 100mmのステムが欲しいなと思ったら既に机の上にあった。
文鎮ステム、それはステム本来とは異なる姿、文鎮として用いられてしまうステムである。
写真のステム、コラムクランプとコラムスペーサーの接触面に隙間が出来てしまう。
球当たりは出ているのにコラムスペーサーを上下に揺すると片側がカタカタと動く。上下に!?
他のステムを幾つか試してみるが隙間は無い・・・当然上下に動きなどはしない・・・
それじゃとノギスで測ってみると左右で寸法が随分と違う・・・
カタカタの原因はステムのコラムクランプとコラムスペーサーとの接触面が歪んでおり、点で接触しているからであろう。
このままでは、ヘッドパーツが痛んだり、ガタが出たり、異音の原因となりうる。
クランプ式のカンチアウター受けを間に挟めば大丈夫か・・・キャリパーブレーキ車だけど・・・
いや、実際のところ使用上の問題は無いのかもしれない。
しかし何より隙間が開いてるのは気持ちが悪いし不安を感じる。
それに問題が出るかもと思いながらも放置するのは如何なものか。
ならばいっその事、不満の無い物に交換した方がいいだろう。
こうしてステムは文鎮と化すのである。
この物体は、あの十字路の先、あの橋の向こう、あの丘の上から見晴らす世界を知る事はない・・・文鎮なのだから。
完。
そうはいくか。
というわけで面出し作業。
凸凹を平らにしようという訳です。
コラムクランプ上下面双方に歪がありますが、ヘッドパーツ側である下面側が対象です。(上面側の重要度は低い。)
工作機械は持っていないので工具箱の中にあった棒ヤスリでなんとかします。
で、なんとかなりました。
プロの仕事には到底及びませんが、なんとか使えそうな状態になりました。
しかし、文鎮ステム、その潜伏数は以外に多いのでは。
最後の仕上げが終わっていない、たったそれだけの事で人々に避けられ、終には溶かされ消されてしまうステム達。
最近ではフレームのフェイスカットは当たりなんだとかですが、一方でフェイスの出ていないステムは今日も増殖を続けている?・・・
(やってみようという方は以下、自己責任で)
○必要な物 (平棒ヤスリ、丸棒ヤスリ、真鋳ブラシor歯ブラシ、パーツクリーナー、ウェス、コピー用紙1枚、新聞紙)
1)まず、何処をどのくらい削るのか、目検討を付けます。
ステムの下にコラムスペーサーを一つ入れます。
ステム軽く手で押さえ、ネジを軽く締め、玉当たり緩めに装着します。(コラムスペーサーを横方向に動かせる状態)
コラムスペーサーは大抵は精度が良いので、これを基準として使います。
複数個お持ちでしたら、それらを入れ替えて確認する事も出来ます。
スペーサーを万遍なく色々な角度から横に軽く揺すってみます。
動く時に常に引っ掛かる場所、そこが凸って事ですね。
ならばそこを削れば良い訳です。
揺すっても動かないとか、動きが渋いとかなら削る必要は無いです。
っていうかそれは良いステムです。削らないで・・・
2)ステムを外してヤスリ掛け。
板棒ヤスリを使います。
ヤスリは押して掛けます。引くときは材料から離します。
材料はウェスを敷きその上から床に押し付けるように支えます。ステムのクランプボルトは軽く締めた状態にしておくと加工精度が上がります。
ヤスリを削る箇所に軽く当て、撫でる様に、そして正確に直線かつ平行に動かします。
そんなの無理だろ・・・と思うでしょうが、自分を信じましょう。
新聞を敷いて切子(削りかす)を撒き散らさないようにしましょう。
作業中は切子が目に入らないように注意。
少し削ったら、切子をパーツクリーナーとウェスで”きれいに”落とします。
ネジ穴も忘れずに。
ヤスリもブラシで清掃します。
1)2)の作業へ・・・
の繰り返し。
必要な技能は・・・特にありません。
気合とか根性とか熱血とかは必要ないです。
ただ、静かに、丁寧に、よく確認しつつ、粘り強く、焦らず、ヤケを起こさず作業すれば何とかなる。(可能性が高まる。)
それと、結末を恐れない事でしょうか・・・
3)仕上げ。
スペーサーを横に揺すったとき、動きに渋さがあり、「元の場所以外にも引っ掛かってるっぽい?」と感じられれば上々です。
引っ掛かる場所が増えるのは、スペーサーと接触している箇所が二点以上に増えた事を意味します。
その二点が、円周上の反対側(時計の針で言うと六時の位置関係)にあれば理想的な状態です。
この事による利点は、自動車のドアや炊飯器のフタをロック(開かないように)する仕組みを考えると解り易いと思います。
隙間のある箇所はどうしても出来てしまいます。
どの程度の隙間なら許容されるのか私にはわかりませんが、細長く切ったコピー用紙を全周に渡って隙間に差し込んでみても入らない程度ならば充分なのではないかと思います。
A4コピー用紙の厚みはおおよそ0.1mmですので、それが入らないとなれば大体0.1mm以下と考えられます。
さらに、お菓子、CD、カップ麺等の包装フィルムは0.02mm。(私の場合、これは入る箇所があった)
CNC(コンピューター制御の工作機械)加工を謳ったステムでも包装フィルムが入る物がありました。
ネジを締めると少し歪む?スペーサーを基準に用いる方法での限界?
という訳で、私はコピー用紙が入らなければOKという事にしました。
こういった作業を必要とするステムは0.5~1.0mm位の隙間が出来ているでしょうから、それよりマシになれば成功なのです。
どうにも気になるという方は、組み付け時には”お守り”としてステム直下にカーボン(CFRP)製コラムスペーサーを入れるといいでしょう。
CFRPがある程度変形する事で僅かな凹凸なら埋めてくれる可能性がある事と、CFRPの持つ衝撃吸収能力によるダメージ低減効果を期待しての事です。
作業のついでに各ネジの頭側が入る部分のバリも削り落としておきます。
これには丸棒ヤスリや甲丸棒ヤスリを用います。
ネジ山が無関係な部分に引っ掛かるとトルク管理は失効します。
ハンドルクランプキャップ側のネジが入る穴は要確認ポイントで、ネジ山が擦った跡を見つけた場合はそれを綺麗に落としておきましょう。
コラムに接触するクランプ部内側にエッジ(トガリ)が無いかも確認しましょう。
これらも削り過ぎに注意。
削った箇所は腐食防止加工のアルマイトやメッキ、塗装が剥がれています。
このままでは湿気や汗で錆びる可能性があり、なんらかの手を打つ必要があります。
腐食防止であればグリスを塗っておけば良いのですが、ベタベタになるので目立つ箇所には使いたくない・・・
そんな時は車用ワックスを定期的に塗りましょう。
それだけでも随分と違います。
今回、私は神仏用の小さなパラフィンロウソクを使う事にしました。
ロウソクの主成分は固形パラフィンというもので、防水効果があります。
クレヨンで絵を描く要領で該当箇所に塗りつけ、ウェスで余分を拭き取ります。
ロウソクはスチールフレームの塗装が剥がれたときの応急用錆止めとしても使えます。
スチールフレームで遠乗りする際には一本持って行くといいかもしれません。
クレヨンも主成分はパラフィンなので応急用タッチアップ剤として使えるかも?
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近未来
☆特集 あなたのバイクはこんなに歪んでいる!?
A「今回のゲストはバイクの歪み問題に詳しい、htibitさんです。」
hatibit「しゃぁす。」
A「このデータによりますと、ステムって意外とに歪なものなんですねぇ。」
hatibit「そうです。ステムが歪んでいると、カクカクシカジカでございまして、フレームヘッドチューブ、ステアリングシャフト、ステアベアリング、そういった自転車の節々にとって宜しくないのです。」
A「それは心配ですね・・・私達サイクリストはどうすれば?」
hatibit「大丈夫、そんなときは、コレ!ステムフィットコラムスペーサーがあります。」
A「ステムフィットコラムスペーサー!?」
hatibit「このスペーサーはカクカクシカジカでございまして、バイクの節々の動きをスムーズにしてくれるばかりか、戦闘力も上がるのです。(ドヤッ)」
A「それはすごい。」
hatibit「そう、このスペーサー1つで皆さんの愛車のパフォーマンスが上がるのです。」
A「これ1つで!?高性能に!?」
hatibit「ヨーロッパの某プロチームにも採用されている優れものです。」
A「本場ヨーロッパのプロチームが!?これは本物ですね!」
hatibit「ええ、これからはコレが標準になるでしょうね。」
tibitah社 ステムフィットコラムスペーサー® ¥5250 税込
愛車を守るステムフィットコラムスペーサーで快適なバイクライフを。
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価格評価→★★★★★ 机の上とかパーツ入れの中に潜んでる。
評 価→★★★☆☆ 手持ちのステムが一本増えた。
年 式→ 毎年増え続けてる。
カタログ重量→ 不明g 重い事が多い。