購入価格 ¥189,000
しっかりとバイクのレビューができるほどの経験も何もないのですが、
なかなか面白いバイクだと思いましたので、感想を書いてみたいと思います。
(書き手のレベルは年間走行距離は1万km程度、通勤メインの素人ロード乗りです)
比較対象が無いとあまりに分かりづらいと思いますので、それぞれ
ある程度の距離を乗ったことがある下記のバイクとの比較を交えて書きます。
GIANT 2011 TCR ADVANCED 3
GIANT 2011 TCR COMPOSITE SE
GIANT 2011 TCR 2
【乗り心地・接地感】
あまりレビューを見かけないこのバイクは、個人ブログやお店HP等で
剛性バリバリ!レース向け!乗り心地って何?
といった様なイメージで紹介されていたりしますね。
私も乗る前はそう思っていました。
が、乗って驚いたのですが、まず思いの外乗り心地はコンフォートです。
ADVANCED3よりは掌を通して細かな路面のザラつき等を伝えますが、
TCR2よりはかなり不快な振動をシャットアウトしています。
TCR2でも不快だとは別に思わない自分にはもう十分なコンフォートさです。
路面との接地性に関しても、硬くてハネてしまいそうなイメージがありますが、
ADVANCED3とほぼ同様のレベルで接地性があり、余程荒れた路面でなければ
常に後輪にトラクションがかかり、推進力も途切れることがありません。
【0~30km/hの速度域】
0スタートから30km/hくらいまでの加速は恐ろしく良いです。
ここもADVANCED 3とほぼ同レベルと言っていいと思います。
が、あまり加速にドラマが無いと言うか…
すごくスッといってしまうので、良く言えば0スタートは抜群、悪く言えばつまらない。
加速だけではありません。25km/h前後ぐらいでのんびり流すのは本当にいまいち…
はっきり言ってのんびりとしたロングライドは全然適していないバイクです。
コンフォート性は高いのでそこは問題にならないですが、楽しくない…
うまく言えないのですが、バイクがあまり何も伝えてこない感じと言いますか。
COMPOSITE SEはこのあたりとても良かったのですが。
【30~50km/hの速度域】
このあたりの速度域ではホイールの空力性能がネックになります。
スポークが空気を裂く音がビュンビュン聞こえてきます。
軽くてそこそこよく回るのでSL2のA-CLASS ALX440SLはいいホイールだと思いますが、
ある程度スピードを出される方はホイールは見直されたほうが良いのではないでしょうか。
高速巡航ではADVANCED 3同等の性能があると思いますが、
ADVANCED 3よりもペダリングを綺麗に回してやる必要がある気がします。
バイクが雑なペダリングを許容してくれる割合はADVANCED 3に劣るのではないでしょうか。
直進安定性や下りでのコーナリング時の安定性もADVANCED 3とほぼ同性能。
下りで前荷重がかかった際のヘッド周りのしっかりとした安心感はとても頼もしいです。
12年は更にヘッド周りの剛性が上がっているようですが、私レベルにはもう必要十分です。
【スプリント】
このバイクの真骨頂はスプリントだと思います。
乗っていて何だこれは…と思うほど伸びます。
個人的に最近の良いロードバイクは踏み込むたびにグーングーンとバネ感と言うか、伸びを伴って加速していく、
と思っているのですが、このバイクにはそれがあります。
ADVANCED 3はバイク後部がしなるバネ感を伴う感じで、SL2はバイク中心部付近で僅かにバネ感を伴う感じ…
というのが感想ですが、こういうのは個人の感じ方次第な気がしますので、まああまり意味無いですね。
COMPOSITE SEはちょっと特性が違うような…あまり伸びが感じられません。
気のせいかもしれないけれど、妙にフレームが硬い気がします。
それにしても不思議なのはフルアルミフレームでバネ感を感じることです。
アルミという材料特性上なかなか意図的にしならせるような設計にはし辛いと思うのですが。
まあそんな簡単に疲労でポッキリなんてバイクをGIANT程の大メーカーが設計する訳もないので、
アルミバイクの進化が面白いと言っていいと思いますね。
【感想】
最初はSL1が¥346,500で売っていてバカじゃないかと思っていたのですが、
このフレーム、スプリント性能と言うか、伸びがすごいのです。
本当にADVANCEDシリーズに匹敵する性能を持っているので、
特にSL2(12年ならSL3でしょうか)は大変お買い得なバイクだと思います。
12年は15万円くらいでCOMPOSITE3買える、となると中々微妙な立ち位置でしょう。
余程酔狂な人でないとそれより高いアルミを買うというのは無いでしょうし、
試乗車もそうそうあるものではないでしょう。
バイクが乗り手に踏み込むことを求めてくるような特性なので、綺麗に回せる上手な方は何の問題もないでしょうが、
私程度の乗り手だと結果的にいつも結構脚を使ってしまいます。
その為誰にでも進められるバイク…ではあまり無いのですが、
このカーボン全盛の時代にカーボンを買うのは何か嫌だというひねくれた方、
ロードバイクをのんびりポタリングというよりは、少しだけ一生懸命乗りたい方にオススメです。
価格評価→★★★★★(この値段でこの性能なら安い!)
評 価→★★★★☆(もうちょっと低速の楽しさがあれば誰にでも勧められる)
<オプション>
年 式→2011
カタログ重量→ 7.9kg(実測重量 Sサイズで7.6kg)