SPECIALIZED BG-FIT
購入価格 ¥21000
11月13日のレースをもって、私の2011年シーズンは終わった。 毎年この時期になると始まるのが「ポジション探しの旅」である。
私は以前からポジション探しの旅に出ると長く、 クリートの位置を1ミリ動かしては1カ月も2カ月も答えが出せないことがままある。 不思議なのは、元に戻しても違和感が取れないことだ。 ほぼ毎回、もとのポジションに戻して「余計なことしなけりゃよかった」で終わるのが常である。 わかっちゃいるんだけど「もっと自分の力を引き出せるポジションがあるかもしれない・・・」 との考えにとりつかれ、今年もまたぞろ同じ迷宮にいざなわれてしまうのだ。
今年は一念発起して雑誌で評判のBGFITを受けてみることにした。 今まで自分の感覚だけが頼りの我流でやってきたので、 他者の目―――とくに理論的なもの―――を入れてみたいと思ったのだ。 また、論理的にポジションを煮詰めていく考え方を盗むつもりもある。
私の住む地方でもBGFITはなかなかの人気のようで、 受講できるのは平日のみにもかかわらず少なくとも半月前には予約は埋まってしまう。 たまたま有給休暇と予約を取れる日が重なったので・・・迷わずGOだ!
予約が確定すると、お店よりアンケートのメールが来た。 それには、自転車に乗る目的(強度、頻度なども含む)、現状での問題点の有無、目指すところ、などを記述する。 「月1000km程度、目標はヒルクライムレースでの自己ベスト更新と上位入賞、上りでより力が入るポジションの模索と下りの安定感を向上、現状で痛いところなど特に不都合はない」 こんな感じで書いて返信した。 また、当日はボトル、ウェアなども含め、普段自転車に乗る状況で来店するように、とのこと。
12月某日。当日朝。開店前に店内で待ち合わせ。 まずは乗り手の身体測定。 股下計測、ペダリング時の足幅計測、運動靴で足踏み・スクワット時の足幅計測、 体の柔軟性計測。 続いて、ローラー台にかませた自転車に乗って、ペダリング時の膝角度などの測定。
これによって導き出された私の身体的特徴は ・体は固い ・足首も固い(この項目だけ、意外であった) ・ややO脚である ・左足つま先だけがやや外を向いている(右足はまっすぐ) ・スクワット、ペダリング時ともに、左膝を曲げる時に内側に入るクセがある
これらは、ほぼ普段から自覚していることと一致する。 変更前のポジションはこうだった。
股下77cm サドル高692mm サドル後退幅67mm ハンドル落差49mm 上死点での膝関節角度110度 下死点での膝角度(右)36度 下死点での膝角度(左)36度 クランク水平時の膝位置(右)-10mm クランク水平時の膝位置(左)-5mm
まとめると、「サドルはやや低く、後退幅が大きい。ハンドル落差は少なめ。標準よりも後ろ乗りである(標準とは、膝の皿から垂線を下ろしたとき、ペダル軸を通るというもの。それよりも後ろ乗りだから数値がマイナスとなっている)」
このポジションは ○低め、後ろ乗りは回転重視、持久力重視には良い ▲一方、大腿四頭筋などの「踏む筋肉」が極端に使えていない ○下ハンを使いこなせている という評価だった。
その後、ローラーを30分ほど回し、試行錯誤の末・・・
サドル高692mm→699mm サドル後退幅67mm→50mm ハンドル落差49mm→60mm 上死点での膝関節角度110度→115度 下死点での膝角度(右)36度→31度 下死点での膝角度(左)36度→32度 クランク水平時の膝位置(右)-10mm→-3mm クランク水平時の膝位置(左)-5mm→+2mm
こうなった。 変更点をまとめると「サドルを7mm上げ、10mm前に出した。その結果、以前より前乗りになり、膝角度に余裕ができた。ハンドルは動かしていないので、その結果落差は11mmほど大きくなった。」
さらにこの後、店員さんを悩ませたのが私の左膝。 どうにも「左膝が納得してくれない」(店員さん談)のである。 具体的には、クリート位置、サドル高・後退幅どれを微調整しても、左膝だけが5mmほど前に出てしまうのである。 「ひょっとして・・・」と、足の大きさが左右で違うのではないか、というところも調べたが同じであり、結局どうやらなかなか頑固なクセのようであるということになった。 「しばらく様子を見ましょう。膝が互いに平行に、地面に対して垂直に上下するように意識してください」とのこと。
総所要時間3時間弱。客観的な目でポジションを見直す、有意義な時間であった。 午後、そのままいつものコースを走りに行った。 ▲まだ新しいポジションに慣れていず、上下に踏み抜くペダリングになってしまい違和感がある。 ○一方で、加速は明らかにしやすくなった。 下ハンをグッと引き、前乗りに移行しながら踏みこむと今までよりも明らかにラクにスムーズに加速ができた。 ・上りで強度を上げると、違和感はあまり感じなくなった。 ○以前から上りで淡々とTTをするような場面では前乗りになっていたので、ちょうどよいところにサドルのサポートが来たという感じである。
しばらく慣らしてみるつもりだ。 一ヵ月ほど後に、術後の経過を見せに行く予定。
価格評価→★★★☆☆ 評 価→★★★☆☆ 評価は今のところ何とも言えず。経過を追ってまた報告します。
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