Formula RX Disc

購入価格 完成車付属

初めてのディスクブレーキ。完成車付属品で、ローターは前後ともFormula RXの180mmが付いてきた。

Formulaと言えばThe OneやR1はそこそこ有名なようだが、このRXは最廉価グレードとなっている。とはいえ実売価格で前後2万なのを考えると、そこそこまともなブレーキのようだが、どうも私には使いにくかった。

友人のシマノXTと比較すると良く分かるが、最早スイッチともいえる急激なストッピングパワーの変化で、尚且つレバーの遊びはほぼ無し。レバーを少し握ったあたりからロックするまでが非常に短い。街乗りでもその変化に戸惑う事があるのだから、もうトレイルではロックしまくりである。低速で激坂を下る際などは致命的で、ONかOFFしかない物だからロックと開放を繰り返してスピード調整する事になった。厳密に言えば握り具合で微調整できない事もないが、ただでさえ路面状況に細心の注意を払っている状態で、さらにわずかなレバーの動きを制御するのは不可能に近い。

また、純正のローターは穴だらけになっているが、フロントに限って低速でブレーキングするとゴリゴリと音がする。当たりが出ていないのかもしれないが、ゴリゴリいい始める辺りからフロントだけブレーキタッチが変わるため少し怖い。

とまあ悪い点ばかり挙げてしまったが、裏を返せば素早く急制動できるほどのストッピングパワーを持っているのは確か。ズルズルといつまでも止まらないよりは安全だろう。ただやはり、フロントがロックするほどの制動力は幾分過剰ともいえる。

私にとってはかなり使い辛いブレーキなので、折を見て交換する予定。

価格評価→★★★☆☆(完成車付属なので不明）
評　　　価→★★☆☆☆(まさにスイッチ）

何だかんだ言いつつ使っていくうち、少し評価が変わってきたので追記。

当たりが出るにつれ普通は効くようになると思うのだが、このブレーキは当たりが出るにつれ効き方がマイルドになった。購入当初は本当に少し握るだけで制動力のほとんどマックスまで到達していたが、今は一気に効くような事は無い。限界の制動力も少し下がってしまったようで、フロントを思いっきり握ってもジャックナイフする事は無い。

フロントのローターがゴリゴリ音を立てるのは当たりが出ても健在で、少し静かになったような気はするが握り込むと発生してしまう。試しにパッドを交換した所気にならないレベルまで改善されたが、単体でこのFormulaのローターを買うのはあまりお勧めできない。

リアがエアを噛んでしまったのでブリーディングキットを購入しエア抜きしてみたが、ブリードポートの位置の関係で取り外した後別の何かに固定して作業する必要があるのは少し面倒に感じた。また、エア抜きの作業中にレバーを握らなければならないため、ブレーキパッドを取り付けたまま作業しなければならないのだが、使用オイルはDOT4なので非常に厄介(パッドに付くと使い物にならなくなる)だ。シリンジを取り外す際結構な割合でDOT4が流れ出るので、スペアのパッドを用意しておくか、相当気を付けながら作業しなければならない。私は失敗してDOT4をまき散らしてしまったので、当然パッドも餌食になり買い換える羽目になった。エア抜きの作業自体はシリンジでエアを追い出すタイプなので簡単ではあるが、キャリパー側のシリンダーにエアが入ると抜くのは結構大変なので気を付けた方が良い。

タッチはカッチリというほどではないが、パッドがコンタクトする時に一度明確な手ごたえがあるので悪くは無いが、握り込むとグニャグニャなってしまう辺りは廉価モデルの宿命だろう。特にラインの長いリアは顕著だ。

価格を考えると十分な性能があるようには感じるが、折角なのでもう少し良いモデルを買った方が良いように思う。付いてて不満は無いが、買うにはあと一歩といった所だろう。

価格評価→★★★☆☆(実売価格だとちょっと高いような）
評　　　価→★★★☆☆(タッチや制動力はもう少し頑張ってほしいが、バランスは良いブレーキ）

ちなみに、Formulaの中だとこのRXだけレバーリーチアジャストの方法が違う。レバーをバイク正面から見るとピボットの部分に2mmのイモネジが付いているので、それを回転させれば調整できる。