パワーメーターおよび解析ソフトの有効活用について
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だんだんとユーザーが増えているパワーメーター。 powertapに新型が登場し、ペダル式も登場。 これからは心拍トレーニングに取って代わって行くと見て間違いないだろう。
さて、このパワーメーターであるが、ただ数値を見て何ワット出た、と楽しむだけでは、ただのマニアックな自転車乗りのおもちゃにすぎない。
解析ソフトも合わせて使ってこそ、真価を発揮するのだ。 解析ソフトを使うことで、感覚だよりだった部分を明確な数値として把握できるのだ。 自分の体力の向上を、実際の数値で確認できる。 また日々のトレーニングの体への負荷も数値化できる。 レースや練習会での反省がより具体的にでき、それを明確に練習にフィードバックしていくことができる。
だが、それだけではない。
家庭や恋人を持つサイクリストが一度は言われるであろう、このセリフに対し、数値を出すことによって具体的に対処できるのだ。 以下にその例としてA男とB子のカップルのやりとりを見てみよう。
B子「ねえ、最近自転車ばっかりで、前々私にかまってくれないじゃない。」 A男「そんなことないよ。」 B子「いつも、そんなことないよ、って言うけど私はそう感じてるの。 毎週毎週休みのたびに自転車乗りに行ってるじゃない。」 A男「それは君の感覚だろう?」 B子「何よ。違うって証拠でもあるの?」 A男「あるよ!このデータを見てごらん。 たしかに僕は、ツールドおきなわまでは自転車に集中していた。 9月、10月と走行距離、時間ともに今シーズン最高だ。 それにこの"kj"という数値。これは僕が自転車に乗って実際に出した仕事量だ。 これが補給食をとるタイミングの目安にもなるんだが・・おっと、これは君には関係のない話だったね。 ・・まあとにかくこれも今シーズン最高を記録した。 僕は沖縄に向けて、L3、L4域でできるだけ長く走ることを意識していた。 そのおかげで僕は20分の最高出力をレースに合わせて最大化することができた。」 B子「ほらごらんなさい。」 A男「だがちょっと待ってほしい。見てほしいのはツールドおきなわの後だ。 レースの後からは、距離、時間、それにしたがってkjも下がっている。 これはつまり自転車に乗っていないということなんだ。」 B子「へえ・・そうなんだ。」 A男「さらに、各時間あたりの平均出力も軒並み低下している。これがどういうことかわかるかい?」 B子「どういうこと?」 A男「次のシーズンに向けて、一度疲労を抜く時期だからね。あまり追い込む練習をしていないということなんだ。 だがそれだけじゃないんだ。」 B子「なあに?」 A男「今は自転車への出力ではなく、君への出力にすべてを費やしているということなんだ!」 B子「数値化してコンディションを把握している男の人って素敵!結婚して!」
といった具合である。 走行距離、時間はパワーメーターがなくても把握できることではあるが、解析ソフトを使うことのメリットとして紹介しておく。
だが、数値化できることでのデメリットもある。 それを以下に紹介する。 A男、B子の結婚後の生活である。
B子「ねえ、最近夜がずいぶんそっけないんじゃない?」 A男「ごめんよ。乗鞍ヒルクライムに向けて追い込んでいるから、とっても疲れているんだ。」 B子「ふーん、そうなんだ。」 A男「今年は何としても1時間を切りたいからね。」 B子「・・実は、あなたに内緒で解析ソフトをチェックしたの。」 A男「ギクッ。」 B子「たしかに、あなたは乗鞍に向けて追い込んでいるわ。 乗鞍で必要になると思われるL4域でのインターバルを繰り返している。 それに4分割分析もしっかり活用してあなたが実際ヒルクライムで使う高トルク・低回転の練習をしっかりこなしているわ。 A男らしく具体的かつ的確な練習ね。」 A男「だ・・だろう?僕はしっかり自分を分析してトレーニングしているからね。」 B子「でも、あなたはひとつ嘘をついているわ。」 A男「な、何を根拠に。」 B子「パフォーマンスマネージャーを見させてもらったわ。」 A男「ま・・まさか・・」 B子「あなたはしっかりと練習を重ね、長期のトレーニングの積み重ねをできている。その根拠としてCTLがしっかり向上線を描いているわ。」 A男「だ、だろう?」 B子「でもね、疲れている、って言うのは嘘よ。 あなたのいまやっている短時間・高負荷の練習は1時間前後に終わる。」 A男「ああ、そうだよ。」 B子「つまりトレーニングによる疲労度、TSSを見ると、時間が短い分、1日で回復する上限、150TSSを越えていないわ。 そして現在の状態を示すストレスバランス、SBを見ると今は小さな+の数値になっている。あなたは比較的フレッシュな状態なのよ!」 A男「なんと!ばれてたのか!」 B子「私、こんな風に、しっかりコンディション管理しつつ、パフォーマンスをあげていけるあなただから結婚したのよ。そんな優秀なあなたの子ども・・そろそろ欲しいなあ・」 A男「君には負けたよ・・今夜は寝かさないよ。」
A男が乗鞍で結果が出せたかどうかは不明である。 が、以上のように、パフォーマンス管理できる機能を家族に知られると、疲れているという言い訳が効かなくなり、練習会の後の眠い中でも 長距離のドライブを強いられたり、子供の意味不明な永遠リピートするような遊びに付き合うことになるのだ。
・・いや、知られてなくてもやるけど。
以上のように、パワーメーターを使うことはパフォーマンス向上に役立つだけでなく、日常においても有効活用できる、非常に有意義なトレーニングツールなのである。
価格評価→★★★☆☆ たしかにまだまだ高価 評 価→★★★★★ しかし、同額出して軽量ホイールを買う「一瞬強くなる」より「継続的に強くなる」メリットは大きい。
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