馬鹿野郎!!
最近の潮流に乗って自分も自転車を始めてみたいだとぉ!?
そんなことは、本来味噌カツを食べながら持ち込んでくる話じゃないんだぞ!!分かってるのか!!
自転車ってものはなぁ、単に健康に良さそう!だとかお金が節約できそうだよねっ!とかいう次元で語れるほど甘くはないんだよ!!
そんな人に流されるミーハーな趣向を持っているようじゃ、この先が思いやられるじゃないか。
まぁ、そうだな・・・せっかく新しい道を自ら切り開こうとしているわけだ。
ここは、俺の初体験について語るのが最善のようだな・・・
それはまだ、本格的な寒さが訪れる前。秋真っ只中のことだったよ。
俺はロードバイクに出会った。ただそれだけのことなんだ。
きっかけだって?そんなもの聞いてどうするっていうんだ。
強いて言うとするなら、友人Aが楽しそうに話をしている姿に興味がわいた。こんな感じだろうな。
ただ、友人Aはこうも言ったんだ。それが俺の耳にこだましたのは今でも印象に残っている。
「自転車は突き詰めていくほどに、お金がかかってしまうものなんだ。」と。
友人の発言がどうも気になった俺は、巷のロードレースで優勝をかっさらったと吹聴するじいじに話を聞いてみることにしたんだ。
俺「ねぇ。じいじ。自転車ってお金がかかるの?」
じいじ「ひとしや。そうだともいえるしそうじゃないとも言えるのう。」
俺「何だよ。それだとどっちだか分からないじゃん。結局どっちなの?」
じいじ「なぁ。ひとしや。世の中にはあらゆる人がいる。一人として同じ人はいないんじゃよ。」
俺「??じいじボケたの?」
じいじ「にゃんぱすー。」
じいじの真意はこの時の俺には分からなかったんだ。
そう。自転車を買って分かった気がする。
それが何か教えてほしいって?それは、自転車を始めた時までのおあずけにしておこうか。
話を戻そう。友人Aに自転車を見せてもらえる機会があったんだ。
ただ、すまん。内容は覚えてない。
デュラやらカンパやらしまにょーろとか意味不明な言葉ばかり喋っていたからな。そっちに気が向いてしまったからさ。
「自転車買うのに寄付金でも募ったのか・・・。大変だったんだな。」と心中情けをかけてた俺はこれがいくらか聞いたんだ。
彼はあっさり答えた。
友人A「機材・フレーム込み込みでざっと50万だね。」
なっ・・・なんだってぇぇぇーー!!!
ひょろっとしたガンメタリックの鉄と思しきフレームと車輪がくっ付いただけの自転車が50万・・・だと!?
あまりの出来事に動揺を隠すことができなかった。
友人がフォローに回ってくれたおかげで、何とか落ち着きを取り戻し、懇切丁寧に自転車の購入方法をレクチャーしてくれた。
ついでに、初めてのスポーツバイクを買うなら20万くらいのグレードで買うといいよという有難いアドヴァイスも頂戴したんだ。
話を聞いていてもたってもいられなくなった俺は、真っ先に銀行のATMに駆け込んでいった。
あの時のことは今でも覚えている。ATMでの引き出し額は20万ぴったり。寸分の間違いもなかった。
俺は、意を決して最後の金額確定ボタンに手をかけた。
デヤァァァァァーー!!!
ポチッ
規律的な動作の後、あまたの札束が見えたんだ。
今までおとしだまでゲームを買った時でさえ、こんなことはなかった。
人生初めてという言葉がしっくりくる場面ってのはそうそう立ち会えないものなんだよ。
ありったけのお金を持って自転車を買いにいったのが、じいじに教えてもらったこの店だったんだ。
じいじはよく言っていた。
じいじ「自転車を始めるときはのん。心から何でも話せて愛着を持たないといけないんじゃのん。」と。
何時でも自転車本体にそう話しかけていたじいじの後姿を、俺はずっと眺めて成長したんだ。
親の後ろ姿を見て俺は成長したんだ。ありがとうじいじ。
店内に入ると、予想外の光景が広がった。
友人の話を信じてた俺は、小洒落た奇麗な内装を施していると考えたんだが、見るからに街の自転車屋さんといった趣だ。
品揃えは多いような気がする。初めて来た俺でもよく分かる。
天井に吊り下げられているフレームやホイール、ワークスペースも身近に感じる距離、絶え間なく流れるロードレースの映像。
落ち着いて本を読めるスペースや自転車の駐車スペースも完備されているようだ。
店内は狭そうに見えるが、理路整然と並べられた自転車と忙しなく働いている店員を見てじいじの言う愛着を持てたんだ。
どうしようかと彷徨っていると、いかにも無害を顔に浮かべた店員がこちらへと歩み寄って来たんだ・・・
気が付けば、店員の親しみも相まって、ロードバイクを購入していた。
後悔なんてある訳がない。そして、次第に実感が湧いてきた。
俺「あぁ、俺は大切な20万円を溶かしてしまった。でも、好きなものに使えてとてもうれしい―――」
ドッカァァァァーーーン!!!
その時、俺の中の何かが崩れた音がした。空耳なんかじゃない。
確かに聞こえたんだ。金銭感覚という箍がぶっ壊れた音がさ。
後日、新しいロードバイクを片手に購入の一部始終を友人Aに話した後、こう切り出された。
友人A「きみはぼくの話に何の疑いも持たなかったのかい?」
俺「そうだな・・・店員と比べて話は微妙に食い違ってはいたな。」
友人A「そうか。聡明なきみなら分かると信じてたんだけど、あれはトリックだったんだよ。」
俺「は?」
友人A「きみを購入に向かわせる動機を植え付けたのさ。そうしたらまんまと引っかかった。」
俺「なん・・・だと・・・?」
友人A「ナッハハハハハ!!実に滑稽だったよ。ようこそ。君も同じ穴の狢だね。」
俺「貴ッ様はぁぁァァーーー!!よくも騙しやがったなァァーーーッ!!」
ドゴォォォーーーン!!
友人Aと俺はその日から自転車でずっとリアルファイトに興じたんだ。飽きることなく。ね―――
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要点をまとめます。
◆店舗の概要
愛知県名古屋市北区に所在しています。
営業時間は午前10時~午後7時半。定休日は水曜日です。
午後は比較的混んでいるので、午前中に訪れるのがいいかと思います。
公共交通機関での場合は、名古屋市営地下鉄名城線「黒川駅」徒歩8分。
自家用車での場合は、入り組んだ場所に店舗があるので注意が必要です。15台ほど駐車できます。
取り扱いブランドに関しては、下記HPを参照して下さい。
HP:
http://www.niko758.com/◆店内の雰囲気
良くも悪くも含めて、街の自転車屋さんのような感じです。
良い点を挙げるなら、抵抗感をあまり感じない店構え。親近感が湧くと形容したほうが分かりやすいかもしれません。
店内には、常時200台ほど展示がされていますが、さほど気にならない配置がされているというのも個人的には良い点です。
悪い点を挙げるなら、雑多なところ。店内の至る所(天井に吊るされてるフレームやホイール等)に展示されているので、
ごちゃごちゃしている印象は拭えません。
私はあまり気にはしませんが、Y's Roadなどの整然とした店構えが好みだという方には合わないと思います。
また、初めて来た人にとってはパーツの場所が少し分かりにくいところにあるように感じます。
高価なパーツやワイヤー類に関しては、店員に問い合わせないといけません。(一般的だと思いますが)
通路に関しては若干狭いです。人とすれ違いにくい点はマイナスポイントであると感じます。
◆パーツの品揃え・価格
必要装備一式揃えることはできます。各パーツのラインナップはまずまずといったところです。
ナスカルブやRudyシリーズ(アイウエア)の取り扱いもあるので、充実しているとも言えなくもないです。
細かなパーツで店頭にない場合も、問い合わせ対応などをしてくれるので、その点に関しても問題ありません。
価格に関しては、やや高めのように感じます。あくまで私個人の意見としてですが。
◆接客について
とても丁寧であると感じます。ふと生じた疑問に関しても的確に答えを出したり、悩み事に対して提案もしてくれる。
背伸びせずありのままで答えてくれているといった印象でしょうか。
玄人ではないので専門的なことに関しての質疑は出来ていないんですが、それでもやはりレベルは高いように思います。
あと、親しみを持てるというのが私にとって一番良い点だと感じています。
誰に対しても分け隔てなくという行為は簡単そうに見えて難しいですものね。
◆その他
店内に試着室がありません。代わりに2階のアパートのワンフロアを使用するという一味変わったスタイルになっています。
定期的に試乗会やツーリングを行っていて、誰でも参加が可能です。
手書きの値札が、店内を彩るいいアクセントになっています。
愛知県トライアスロン協会の協賛会員。結構珍しいんじゃないかと思います。
手厳しいことをいろいろと言いましたが、私はこれからもこのお店に通い続けていきたいと考えています。
いろいろとお店めぐりをしてきましたが、対応が真摯であることにとても愛着を持てたから。
初ロード納車の際、当日の事前点検でフレームの歪みにより先延ばしになった経緯がありました。
その当時の私はかなり立腹しましたが、今にしてみればお店の対応は何一つ間違ったものでないと改めて思います。
行きつけのお店は、自転車を続けていく上でも重要なファクターなんですよね。
これからも、じゃんじゃんお金を溶かしに行きます。
価格評価→★★★☆☆(ちょっと高いと感じる)
評 価→★★★★★(これからも通い続けます)