SHIMANO XTR SL-M970A
購入価格 ¥14,700
952からの換装。952との比較を軸にレビューを書いてみる。リアメカは972GS(シャドー)、チェーンはXTR、ワイヤーはテフロンコーティングのものを使用している。
【長所】
・ワイヤーのテンションを調整するためのアジャスターバレルが大型化しさらに金属製となり、非常に扱いやすくなった。952では回転が渋く力が必要とされたが、970では軽々と回すことができる。
・シフターの位置を細かく調整できる機構を搭載した点は、長所と言えるのだろうが、個人的にはこれまでのシフターで位置決めに難儀したという経験はなく、あまり必要性を感じない。
【短所】
・全体的にレバー操作が固く重いといった印象がある。よくいえば、ソリッドでカッチリしているということなのかもしれないが――特に小ギアから大ギアへの変速については、クリック感が明瞭になり、パチパチと小気味よいと感じる人も多いようだ――、個人的にはストレスフリーとは言い難い。
・リリースレバー(大ギアから小ギアへの変速)の操作感が、親指と人差し指でかなり異なる。親指で解除すると体感的には力を要しないが、変速ショックが大きい。バゴンとやや派手に音を立ててとチェーンが移動することが多い。対して、人差し指での操作は変速ショックが少ないが、かなりレバーが重く、レース後半の疲労時には変速が煩わしく感じられるときがある。要するに、親指で変速するとショックが気になるが、人差し指で操作すると操作感の重さが鬱陶しいというディレンマがある。ツーウェイリリース機構の完成度はいまいちといったところか。
・レバー操作が重いので、人差し指でのマルチリリース(二段解除)はかなり厳しい。逆に、親指でのマルチリリースは、路面からの衝撃で意図せず二段解除してしまうときがある。こちらも残念。
以上から、天下のXTRにしては、非常に完成度が低いと言わざるをえない。インスタントリリースについても、若干変速が速いという程度でさしたる恩恵は感じておらず、個人的には、952のレバーと972のメカの組み合わせがいちばんストレスなく変速できると考えており、レースでもこの組み合わせで走っている(980系については未体験)。
価格評価→★★★☆☆ 評 価→★★★☆☆
年 式→2011 カタログ重量→215g
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