購入価格は覚えていないが、PLANET-Xで6割引ぐらいで投げ売りされてたのを購入。
【こんなホイール】
見た目から手裏剣ホイールと呼ばれたりします。(Mark2はバトンが5本のヒトデになってました)
普通 Xentis Mark1 といえばロード用かTT用で、海外のトライアスリートが使っていたりします。
しかし、こいつはMTB用(メーカーサイトには、Mark1 clincher trekkingと記載)。
なので、リアエンド幅は135mm。
スペック上は700cのクリンチャーです。
なので、当然ロード用700cタイヤを普通に履けます。
ブレーキは、リムブレーキとディスク(6穴)ブレーキに対応しています。
MTBで700Cタイヤを履けて、カーボンバトンでかつ、クリンチャー。
この要件を満たすホイールはそうそうないでしょう。
そもそも、そんなマニアックな条件でホイールを探す人なんて、滅多にいないでしょうけど。
果たして、日本に何本存在するのか気になるところです。
そんなホイールをレビューして意味あるのか疑問もありますが、まあいいや。
購入したPLANET-Xでは、チューブレス対応と書いてありましたが、チューブレスは試してません。
リムにはバルブ穴しかないので、バルブ部分とビード部分からエア漏れしなければチューブレスでも
使えると思います。
ただし、チューブレスタイヤのバルブにはロングバルブは無かったと思うので、バルブエクステンダーで
延長する必要があります。
この手のホイールのお約束でバトン内にスピードセンサー用のマグネットが内臓されています。
【空力】
Xentis Mark1 と言えば、Zippとどっちが空力が良いか、海外フォーラムでは話題になるようなホイールです。
ロード用のMark1に乗った人の感想では、軽量ホイールではないので乗った瞬間に軽い感じるホイールでは
ないのですが最高速がどんどん伸びるホイールだそうな。
走ってみると、ヒュヒュヒュヒュッと控えめな風切り音が聞こえて、いっちょ走ってやるか!
という気分になってきます。
本当は風切り音はしない方がいいんだけど、そこはあえて無視。
どんなものか期待しましたが、私の脚とMTBでは、その効果はほとんど無し。
これは空力が影響する時速40キロで走るような人の為の武器で、せめて時速35キロで巡航出来なくては効力が
ありません。
私の脚には、宝の持ち腐れです。
いつの日か使いこなせるようになるんだろうか。
そうなったら、時速40キロでかっ飛ばすMTBになるわけだ。
簡単に空力性能を体感できるのが下り坂。
いつも通る下り坂を、いつものようにアゴをステムに付くぐらいに前傾して下っていくと、「あれ何か怖いぞ」。
「おいおい、スピード出過ぎてないかい?」
ビビッてしまって、思わず前傾姿勢を解除してしまいました。
【挙動不審】
ヤビツ峠を下った時にハンドルが暴れる暴れる。
どこの荒地をダウンヒルしてんだよ!って具合にハンドルが上下しまくり。
これ、すげー怖いんだけど!
時速40キロぐらいだと思うんですが、ブレーキをかけて、挙動をコントロールするので精一杯。
サイコンなんて見てる余裕は全く無し。仮に視線を移しても、揺れまくってて文字は読めなかったでしょう。
ハンドルがガガガガッと暴れるのを抑えながら、カーブに突入するとさすがに事故るかも?
という不安がよぎりました。
街中の下り坂でそれ以上の速度を出しても、そんなに暴れなかったのですが、何が違ったのであろうか?
疑問ではあるが、もう一度ヤビツを試す気にはなれません。
【剛性】
堅い、ムチャクチャ堅いぜ。
まず横剛性ですが、鈍感な私でも感じられるぐらいに硬い。
いつものホイールがたわんでいるとは感じられないのですが、Xentisホイールにすると、サスペンションフォークが
リジッドフォークになったかのような安定感があり、ホイールがひたすら前へ前へと回転しようとする意思を
感じます。
そうなると、こっちも「よっしゃ、任せとけ!」と極端な前乗りにしてしまい、余分な体力を使い後で後悔する
ことになる。
横剛性に関しては、違いを感じたのは最初の数分であっという間に慣れてしまいました。
この辺りが、自称「違いの分からない男」たる所以で、たいていのものは誤差の範囲と慣れで片付けられてしまう。
そして回転方向の剛性ですが、これも硬い。
シフトアップするときに、足の力を一瞬ゆるめて、変速した後に足の回転を戻すのですが、その時、ペダルを
踏んだ足が跳ね返されます。
比喩なんかではなく、マジで。
ついでに、跳ね返されたときに、バトンホイール内でカコーンという風呂場で洗面器をひっくり返したような音が
響きます。これがなんとも恥ずかしい。
シフトアップした後は、じわーっと力をかけるように踏まなきゃならんのですが、すぐに忘れて、脚がはじかれ、
カコーン!痛たたた。。。の繰り返し。
実際は痛くはないが(繰り返すと疲労が蓄積されると思われる)、精神的な痛みがある。
これはスプロケットがMTB用のワイドなのも原因の一つかもしれません、クロスレシオならもうちょっとマシかと
思います。
トライアスロンのバイクでこのホイールを使って走った後で、自分の足でランニングする人がいるなんて信じられん。
いったい、どんな脚をしとるんだ?
しかし、きちんと踏み込めばホイールがグイグイと前に進むのを感じられ、「こりゃ気持ちいいわ」ってんで、
どんどんエネルギーを注入したくなります。
で、調子に乗っていると、エンジンがオーバーヒートしてしまいます。
脚が鍛えられる前に、自制心が鍛えられそうなホイールです。
【見た目】
やはり、見た目は大事です。
バイクに詳しくない人が見ても、なんじゃあの変なヤツは?と思わせるインパクトがあります。
そして中途半端に知ってる人が見ると「おいおい、なんでマウンテンにXentis Mark1が?」と思うことでしょう。
これで、乗っている人間の実力が伴っていれば、文句無いんだがな。
【その他】
私が使った範囲では、風の影響でハンドルがとられるような場面はありませんでした。
なぜか分かりませんが、このホイールを使うと登りが少し楽になるような気がします。
重量制限がありますが、バイク+ライダー+荷物を含めて125kgなので、大荷物を積んで旅行にでも
行かなければ、普通の人が乗るにはまったく問題ありません。
リム部分にホイールのフレ量と、チェック担当者のサイン(画像には写ってませんが)が記載されています。
こういうものが書いてあると、このメーカーの本気度がビシビシと感じられ嬉しく思います。
【使用用途】
使用用途は、やっぱりレースですね。
しかも、加速・減速が少なく一定ペースで走るものが向いていると思います。
ストップ&ゴーを繰り返す街中では、真価を発揮するどころか、足が疲れるだけだと思います。
走れる人は、街中でも大丈夫なんだろうけど、私にゃ無理。
レースでなくても、信号の無い道をひたすら走るのにもいいでしょう。
私は週末ライダーで、土日で150~300キロ走るのですが、私の体力と走行距離を考えると、このホイールは
常用できません。
とても使いこなせないのと、MTBは普段の足としてアパートの駐輪場に停めているので、盗まれる&将棋倒しに
なったときにバトンのカーボンが割れるかも、という理由でさっさと外してしまいました。
価格評価→★★★★☆(投売り特価なら)
評 価→★★★★☆(ヤビツの下り分、マイナス1)
<オプション>
カタログ重量→1835g(前後ペア)