購入価格 約2000ドル
ニューバイクに装着するため購入。
狙いとしては、Classicの軽量版であるR45を使ってみたかったため手組となった。リムは軽さ重視で1.45を選択。45㎜で実測290gを切っている化け物のようなリムだ。スポークは無難にCX-Rayに。DT Aeroliteでも良かったが、パーツを購入したショップだとこちらの方がAeroliteより安かったのでこちらを選んだ。CX-RayはAeroliteよりブレード部分が長いため少しでも空力面での足しになれば、とも思っているのだが、恐らく分かるほどの差はないだろう。
フロントは20hラジアルですぐに決まったが、リアは随分と迷った。見た目では反フリー側(以下NDS)をラジアルにした方が好みだったが、45㎜でもスポークが短くなるため取り扱っているショップがあまりない。ご存じの通りCX-Rayのブラックは国内だと非常に高価なので必然的に海外通販に頼る事になるが、たかがスポーク12本程度を買うだけだと送料分で国内と差が無くなってしまう。また、NDSをラジアルにすると横剛性が少し落ちるため、24hだと柔らかくなりすぎる可能性があった。プロチームのUnited Healthcareもほぼ同じ組み合わせのホイールを使用しているが、写真を見るとNDSもDSと同じダブルクロスで組んである。という事で、横剛性を確保するために両サイドともダブルクロスで組む事に決めた。
Chris King R45 本当は50gぐらいの物を使いたいが、前後でハブを揃えたいのでこちらを使用する。
Chris King R45 リングドライブで重めだが、それでもClassicよりは随分軽くなっている。フランジPCDは左右で同じ。
Enve 1.45 20h 公称値の295gより遥かに軽い。全体的に精度も良好だが、ブレーキトラックに強化シートを貼ってあるようには見えないので摩耗が少し心配だ。
Enve 1.45 24h こちらも公称値を下回っているが、20hより重くなっている。ニップル周りの補強が必要な分ホール数が増えると重くなるようだ。
Pillar Hexagonal x44 純正で付いてくるニップル。4.7㎜のソケットドライバーで締める。EnveのリムのERDはこのニップルの高さも含んでいるため、スポークカリキュレーターなどで算出する際はそのまま数値を入れるだけで良い。
スポークの写真は省略するが、重量と長さはこちら。
Sapim CX-Ray
264㎜ x20(フロント/ラジアル) 86.8g
270㎜ x12(リア/DS/ダブルクロス) 52.4g
272㎜ x12(リア/NDS/ダブルクロス) 53.9g
組み上げはPark ToolのTS-2と同TM-1(テンションメーター)を使用した。また、スポークのスレッドにはスポークプレップを塗っておいた。リアから組み上げたが、リムの精度が良いため2時間程度でとりあえずほぼ振れは収束した。リムの推奨上限が130kgfなので、スポークテンションは先にDSを120kgf程度に固定しておきNDSを中心に調整した。最終的にNDSは65kgf前後でセンターが出た。フロントは110kgf程度。リアはできるだけ高く、フロントは適度にという予定だったのでこのぐらいで十分だ。
完成写真がこちら。タイヤはChallenge CriteriumをJantex Competition 66で貼り付けている。
トータルで1109.2gなので完組で用意されている同じホイールより軽くなっているが、恐らくリムがかなり軽かったからだろう。
ただ、ホイールバランスがかなり悪いため写真のようにバランサーを貼る必要がある。前後11gずつで計22g貼ってバランスが大体
取れたため、最終的には約1131gとなった。
まだ30㎞ほどしか走ってないためあくまで第一印象にすぎないが、やはり非常にリムが軽く感じる。普段用のReflexに比べても90g近くリムが軽いため、加速する場面では明らかに楽だ。平地でもスポークの少なさのお蔭かいつもより楽にスピードを維持できる。懸念していた横剛性自体は可もなく不可もなくといったところで、普通に乗っている分には全く不満は無かった。リムハイトがあまり高くないお蔭で風に煽られることもない。ハイプロファイルのホイールを使っている際に真横をトラックに抜かれるとハンドルが引っ張られるような感覚があるが、このぐらいのリムハイトなら余程の事が無い限りそういった事は無いようだ。
ブレーキシューはKoolstopのカーボン用を使用しているが、アルミリムのような感触なので違和感が無い。ブレーキトラックの成型が歪だったり、偏摩耗したりすると途端にブレーキの効き方が不安定になってしまうので、その辺りは次回使い込んでから改めてレビューする。
このホイールの構想自体は半年近く前から考えていたのだが、中々予算の確保が難しかった。超円高(決済レートで78.5円/ドル)のお蔭で購入できたが、やはりEnveのリムは高い。FFWDなど安くて高品質なカーボンホイールも出てきているので、余程物好きではない限りそちらの方がお得なのは確かだ。ただ、自分で組んで調整して、とやっていると色々と気付く点も多い。わざわざ手組を選んだのもそのためだ。カーボンホイールに限らず手組は敷居が高いかもしれないが、その分愛着も湧くので興味がある人はぜひ試してみて欲しい。
価格評価→★★★★☆(物凄く安く買えたが、それでも高い)
評 価→★★★★★(狙い通りに組めたので満足)