SELLE ITALIA Gel Flow Ladies
購入価格 ¥6400円くらい@Wiggle
最初の出会いは2009年10月。 WifeのためにKuota Kebelをスイスの有名通販Bellati Sportから購入したときのこと。Wifeは普通のスポーツサドルはとても無理で、それまで乗っていたGiant OCR1にはWife用に最初にプレゼントしたクロスバイクのGiant Escape R3のふわふわサドルを装着してしのいでいた。このためKebel購入時にサドルをどうするかについてなやんだ結果、唯一の女性用選択肢だったSelle Italia Gel Flow Ladiesを選択。
これがwifeにとっては大当たりだった。 多少重量はあるものの(290g)、快適性は抜群のようで、これで100kmオーバーを走っても大丈夫だったのがなによりの証拠。 よい買い物だった。しかし私は特に困っていなかったので、「よかったね」ということでそのまま流していた。
それから月日がたち、一年後。 ローラー台を購入して室内でも多少練習するようになった自分は、ローラー台でのサドル選びの旅をしていた。当時wifeが乗っていたOCR1はもとのサドルに戻してあり、それをローラー台マシンとして利用していたが、外と違い、ずっと座っているローラー台ではこのサドルだと私も無理だとわかった。手持ちのサドルが2つほどあったがどちらも一時間のローラーで耐えられなかった。しかしEscape R3のサドルはつけたくない。これで外を走ると運動エネルギーの伝達ロスが大きそうなので(気分の問題です)。そこで、定評のありそうなサドルをネットで検索し、購入して試したがそれも合わなかった。
ここでやっと我に返った。そうだ、Selle Italia Gel Flow Ladiesがあるじゃないか。 Ladiesと名前が付いているため男性である自分は使用してはいけないと勝手に思い込んでいたが、法律で禁止されているわけではない。道路交通法に違反するわけではないし、道徳上も問題はない(と思われる)。横にLdyという文字列が見えるが、乗っていれば見られることはない。しかも普段はローラー台で使用するし。
というわけで、wifeのKebelからサドルを拝借、というわけにはいかなかったので、Wiggleで注文。値段も6000円代と昨今の高値の高級サドルに比較してとてもリーズナブル。一週間少しで到着して、早速装着してみて使用したら、一時間余裕でローラー台をこぐことができた。 しかも、外だとさらに快適。最近は自宅から週末都内(片道50km)に行くときには自転車で行くことが多くなったのだが、盗難の危険性があるため、一号機のBora Ultra 2を装着したPinarello FP3ではなくこのOCR1で出かけていたが、とても快適になってしまった。大げさな表現をすればスポーツカーのかわりにリムジンで出かけているような感じ。
しかし、このサドルが真価を発揮したのは、今年の8月のことだった。 自転車の本場ヨーロッパでの自転車の旅を楽しむべく、今年の8月上旬の二週間、オランダ、ドイツ、ベルギー(少しだけ)、スイスの道を走った。
そこで初めて知ったことは、自転車大国ヨーロッパの自転車道は意外と整備されていない、ということ。確かに自転車道率は高く、たとえば150kmくらいの日帰り自転車旅行の90%以上は自転車専用道路を走ることができたりするが、その多くの場所で、路面はきれいではない。舗装されているがでこぼこがたくさんあり、ロードバイクで走るのはかなり忍耐が必要となる。 そんなななか、偶然、今回の旅の友となったOCR1(都内と同じ理由で盗難や飛行機輪行時の事故が心配でこれにした)は、その装着されたSelle Italia Gel Flow Ladiesのおかげで、荒れた舗装路も難なくクリアし続けることができた。 たとえば、ケルン往復200kmやマーストリヒト往復160km、スイスにおいてはグリンデルワルトからグリムゼル峠(標高2165m)往復170km(途中スイスのナショナルサイクリングロードに砂利道あり)などにおいて、抜群の快適性を提供してくれた。このサドルがなかったら、ここまで快適にヨーロッパの道を走ることはできなかったと思う(個人的な感想で性能を保障するものではありません)。 特に今回の旅において、このサドルは私にとってpricelessなものであった。
以下、よい点、改善点をまとめる。
よい点: - 一応スポーツサドルながらきわめて高い快適性。特に骨盤の広い方(通常女性)には最適。ただし男性でもなかなかよいサドルが見つからない方はぜひ。 - 値段が手ごろ - 遠くから見れば違和感がないデザイン
改善点: - 横のLdyの文字はとって欲しい。男性が乗ってはいけないと思ってしまう。 - 近くで見ると幅広のデザイン。デザイン重視の方はパスかも知れない。 - 290gという重さ。ただし私のような週末ライダーは100g程度の差がパフォーマンスに大きく影響するとは思えないので気分の問題だと思う。
総合評価: - これがなかったら自分にとってはヨーロッパの道は大変だった。priceless。
PS. 今のところ誰にも「これ女性用ですよ」という指摘は受けていない。(日本、ヨーロッパともに)
価格評価→★★★★★(Wiggle価格が前提) 評 価→★★★★★(快適なヨーロッパ自転車旅行はpriceless)
年 式→2011 カタログ重量→ 290g
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