酷道マニア必見のR299。
総距離194.7km、4回の峠越えがある。(内2回はトンネルだが)
国道20号も総距離約200㎞の峠越え4回と、
このよーに言えば似たようなものだが、難易度は全くの別物。
国道299号線を完走するには、相当な覚悟が必要なのだ。
国道299号終点。朝06:00。
今回は入間→茅野というルートなので、終点から起点ということになる。
なぜ東京側が終点なのかは不明。
最初の難関、正丸トンネル。
ルートラボによると、標高は430mのようだ。
ここは、トンネル前後の坂道よりも、トンネルそれ自体が難関だろう。
R20の新笹子トンネルよりも車線の幅が狭いと思った。
これが約2km続く。
正丸峠という旧道への迂回路もあるが、体力に自信が無いので今回はトンネルで通過。
入間から正丸トンネルに至る過程は、
時折妙なルートを辿る事があるものの、自転車にとっては勾配・交通状況・路面等、何の問題も無い。
正丸トンネルを抜けて、坂を下った先は秩父市。
市内は何気に交通量が多い。
その秩父市から先、小鹿野町になると一気に人気が少なくなる。
しばらくは、関東近辺を牛耳る某電力会社の施設がある為か、高規格道路のような快走路が続くが、
施設を過ぎるとセンターラインのない1.5車線道路となる。
とは言え、秩父市内を過ぎると交通量は激減し、
自転車にとっては最高の環境になる。
空気も美味しいしね。
その後、1.5車線と2車線の道路が交互に出現し、
更に進むと道路は峠道の様相を呈し始める。
最後の集落付近から志賀坂トンネルまでの約5kmの間に、トンネル入り口の標高792mまで一気に約260mの距離を駆け上がる。
平均勾配5%強。
激坂こそ無いが、全体的に勾配がきつめ。
まあ、交通量も少ない(というか、他に誰もいない、俺が行った時は車に1台も出くわさなかった)し、
樹木が生い茂ってる林道みたいな所なので、直射日光で体力を奪われる事もない。
マイペースに上れるので、そこまで体力消耗することはない。
志賀坂トンネルに到着。不気味。
夜には絶対行きたく無いな。
トンネル手前から、今まで辿ってきた路を展望できるが、
峠道は展望ゼロに近いので、景観という点では★1つ。
これで2つめの峠越えをクリアしたわけだが、R299は残り2つの峠こそが問題なのだ。
この国道299号は峠越えをあと2かい(ry
志賀坂峠の下り。
何気に勾配がきつく、路も狭く、ブラインドカーブの連続なので細心の注意が必要。
神流町を通過。
この先、神流町や上野村は、
自販機こそあるがコンビニや商店らしきものが全然無いので(途中道の駅はあるけど)、
秩父市内辺りから食糧を携行していく必要がある。
ぶどう峠への分岐路を経て、“大型車通行不能”の看板を過ぎると、
いよいよ関東最凶と名高い酷道の真髄を味わうことになる。
これは十石峠区間で酷道マニアに人気のオーバーハング。
ぶどう峠への分岐地点から十石峠までは距離で15.4km、標高差747mだ。
平均勾配は5%以下、体感勾配も志賀坂TNと似たようなもの。
だが、如何せん距離が長い。
激坂は無いものの、展望イマイチな峠道をだらだらと上り続けるのは精神的に辛いものがある。
当然ながら補給できるような店や自販機があるわけもないので、
神流町や上野村の自販機で飲料水をたっぷり用意したほうがベター。
俺の場合、ヒルクライム途中で水が底をつき、完全にバテてしまった…。
路面状態は、言うほど悪くは無い。
確かに常時落石注意ではあるが、巷で酷道と言われる割には比較的綺麗な状態ではないだろうか。
この時、ミシュランのPro3RaceにAirCompラテックスを履いていたが、
パンクもサイドカットも無く、無事に通過できた。
4輪車では離合困難な道路がひたすら続くが、2輪車なら問題ないしね。
水分不足でバテバテになり、最後の難関・麦草峠まではと封印していた27Tを使い(フロントは34Tですw)、
12時04分、ようやく十石峠へ到着。
展望台からは周辺の山々を一望できるが、山しか見えない。
十石峠の下りは、
初めのうちは志賀坂峠と同様、時折10%の急勾配が入り混じった、道幅の狭い連続ブラインドカーブだが、
しばらくすると片側1車線が確保された快走路となる。
このまま国道141号線に合流するまで、脚を休めて体力を回復する。
R141と合流し、数kmすると再びR299単独区間へ。
13時50分。
本日最大の強敵・麦草峠まで26km。
ここからしばらく行った先に標高800mの標識があるので、
麦草峠2127mまで1327mの高低差、平均勾配5.1%という計算になる。
うーん。26kmもの間、平均勾配5%弱って…よく考えたら凄いよな……。
標高1000m地点通過。
ご存知の方も多いだろうが、
麦草峠は100mおきに標識があるので、高度計の更正にも役に立つし、精神的にも助かる。
標高1600m地点通過。
麦草峠の勾配は、大まかに言うと、ずっとこのような感じである。
たまに10%以上の激坂が出現し、たまに1~2%の休憩ポイントが出現しながら、
こういう坂をただひたすら上り続けていく。
標高1500mを越えた辺りからの体感平均勾配は7%くらいだ。
標高2000mに到達。
クライマックスも近いが、体力の限界も近い。
34-27Tでもヘロヘロ。
ただし、十石峠区間と違い、
この近辺が別荘地・観光地な為か、休憩所及び自販機の数は意外と多いので、
水不足でバテるということは無かった。
景色も、十石峠なんかより全然良い。
八ヶ岳観ながら上れるのだから。(晴れていれば)
16時10分、ついに麦草峠到着。
さすがに4回の峠越えはきついわー。
峠自体は、景色が良いわけでもなく、標識があるだけで何てことはない。
両サイドには木々が生い茂ってて何も見えないし。
あとは標高800mの茅野市まで下るだけ。
蓼科山や八ヶ岳を交互に観ながらの、高低差1300の豪快なダウンヒルは格別。
国道から見た茅野方面。鳥肌が立った。
振り向くと、左に蓼科山、右に八ヶ岳が見える。
茅野側からのヒルクライムも格別であろう。(晴れていれば)
その後、更に下ると国道152号線と合流し、国道20号線との交点・新井交差点で国道299号線の旅はめでたく終了となる。
地図上では、ここが起点なんだけどね。
時刻は17時27分。
194kmの距離、朝6時ちょうどに出発して11時間27分かかったのか…。
疲れた。しかし充実した疲れだ。
そして今、このレビューを書き終わった後も、思い出して疲れた。
長文読んで下さいました皆様、ありがとうございました。ほんまに。
どこかのサイクルショップか何かのイベントで、R299を入間から茅野まで完走するっていうのがあったと思う。
このR299を完走するということはそれだけの意味・意義があるってことだろう。
この充実感・達成感はやみつきになる。
まだ国道299号線を走っていない人がいるなら、
是非完走にチャレンジして欲しい。
一度この感覚を味わうと中毒になりまっせw
評価 ★★★★★