購入価格 112ユーロ
作業の効率化を求めて購入。
大別して、ワークスタンドにはチューブクランプ式とエンドクランプ式がある。前者は両輪とも外さずに作業ができる、取り付けが楽というメリットがあるものの、比較的力の掛かる作業には向かない、カーボンチューブや軽量シートポストだと破損の恐れがあるなど制約が多いため、後者のエンドクランプ式を選んだ。確かにバイクの設置は面倒だが、そもそもワークスタンドに載せる場合軽作業ではないため、多少面倒でも安定感のある方が良いと思っている。
T3050はTacxのエンドクランプ式の最高峰で、Tacx契約チームにも供給されている物である。プラスチックパーツが目立つが、華奢な印象は全く無い。ステンレスとプラスチックパーツをメインに使用しているため、洗車にも使える。TacxのWebサイトを見ると、メカニックが豪華に洗車している写真を見る事ができる。
エンドをクランプする台座は非常にスムーズに動く。裏面に大きなレバーがあり動きは若干硬く感じるが、締める/緩めるが分かりやすくて良い。台座は端から外す事ができるため、フロントしか使わない、という場合はリアを外してしまっても良いだろう。下の方に見える青い2つのレバーは、上がビームの固定用、下が高さの調整用となっている。スキュワーはTacxの名前が入ったカム内蔵式の物が付属するが、残念ながらごく普通のレバーで、Park Toolのようにレバー比を改良してある便利な物ではない。脱落防止のツメを削ってあるフォークなら良いが、ツメがあるフォークで使用すると毎回スキュワーのナットを回さなければ外れないため少し面倒だ。また、リアのクランプの右側に見えるスリーブはチェーン受けで、専用品が付属している。こういった実用的なものを元々付けてくれるのは、プロチームのフィードバックのおかげかもしれない。
BB部分は特に固定する機構が無いが、エンド部分をしっかり固定しているためほとんどグラつくことはない。青い部分がBBシェルを持ち上げているため、ワイヤーを通すのは問題ないが、ワイヤーリードの交換は難しい。
BBシェルの位置決め用に、このようなプレートが付いている。チェーンステーの間に丁度挟む事ができるため、一度セットしておくと次からは取り付けが楽になる。青いレバーで固定を解除してプレートを上下するが、プロチームのメカニックは使用していない人もいたので、好みで外して使用しても良いだろう。リアを固定する際にはダウンチューブと干渉してしまうため下げておく必要がある。
最低高にした状態がこちら。ビームまで地面から78cmで、174cmの当方だとシートポストやハンドル周りの整備に丁度良い。BB周りの作業には少々低く感じる。
最大高にした状態がこちら。ビームから地面まで100cmまであるため、この状態だと下半分の作業はかなり楽で、下から回り込む作業も楽々できる。
最後に、畳んだ状態がこちら。ビーム部分はレバー1つで外れ、本体にもレバーは2つしかないため慣れると1分かからず解体できる。写真の状態で約80cmとコンパクトなので特に収納場所にも困らないが、ケースなどはないため持ち運びを前提にするなら適宜用意した方が良い。
総じて非常に満足している。ツールトレイは標準装備で三脚も非常に安定しており、作業も効率が良くなった。特にドライブトレインなどを調整する場合は楽である。この値段なら十分元を取れると思うので、スペースがある人は買っても損はないだろう。
価格評価→★★★★★(素晴らしい値段)
評 価→★★★★★(とにかく楽)
ちなみに、エンド幅は130mm固定のようである。取説は異常にシンプルで触れられていなかったが、見た感じ調整する機構は無さそうだ。