購入価格 ¥1300
タイトルは故中島らも氏の「明るい悩み相談室」からの流用と思われます。
内容は、「明るい悩み相談室」の自転車版で、疋田智とドロンジョーヌ恩田が、
一般の人々から寄せられた自転車に関する悩みや質問に答えるというもの。
ここでいう一般の人々とは、CBN諸兄のようなマニアな方々ではなく、自転車に
毒されていない人たちがメインです。
質問者の中には、ポンド安になると海外通販するような方もいらっしゃいますが
どちらかというと例外でしょう。
質問のタイトルをいくつか列挙しますと、以下のような感じ。
・カミさんに買った自転車が20万円
・チャリ先輩と呼ばれて
・女性の後ろについたとき、視線の置き場所に
・MTBですがロードレーサーに乗れば高校生と勝負できますか?
・自転車乗りながらツイッター
・交差点での自転車の右折は
・なぜ川の流れを橋の上から覗き込むと、いつも自転車が
・「森ガール」や「山ガール」のように「自転車ガール」も
悩みや質問の回答になっていないこともあるが、それはお約束というもの。
むしろ、いかに話を脱線させて、時としてシモネタに話をもっていくかが
キモになっていると言えます。
あくまで個人的な主観ですが、いまいち笑える部分が少なかったです。
こういう本は、笑わせてなんぼだと思うのですが、その肝心の部分が私のツボには
はまらなかったのは残念。
昔読んだ本家「明るみ悩み相談室」が記憶の中で面白かったと美化されているせいか
過剰に期待した読んだ私が悪かったのでしょう。
回答者が、疋田智とドロンジョーヌ恩田というのは、考えられる最高のペアです。
これまでも一緒に仕事をしており、互いのやり方は心得ている。
そして、自転車に染まっていない一般人としての見解も、染まりきった人間としての
見解も、両方の立場を知っている。
そして、男の視点と、女の視点。
このバランスが見事に取れているのが、この二人です。
この二人以上の人選はないとは思うのですが、二人の価値観が似ているせいか、
似たような雰囲気の回答になっているのが勿体無い。
どうせ二人で回答するのであれば、二人が違う意見を言ってお互いを罵るとか、
二人して質問者を口撃するとか、戦略があっても良かったと思います。
この本は、明らかにマニア向けではないし、当然ながら自転車に興味がない人が
読む本ではありません。
そうなると、初心者か、速度やテクニック志向の薄い人か、自転車を購入しようか
どうか悩んでいる人がターゲットと思われます。
実際、内容に変にマニアックなことは書かれていません。コンポのグレードの話が
出てきたりしますが、そういう話はあまり登場しません。
では、初心者がこれを読むべきかというと、別に読まんでもいい内容です。
読んで、ためになるかと言うと、ほとんどためにはなりません。
まあ、肩肘張らずに時間潰しになる本で、ためになるから読むというスタンスとは
全く相容れない本です。
ためになるかどうかに価値基準を置くあたり、私の思考が一般人から離れている
とも考えられます。
こういう毒にも薬にもならない本も、たまには良いのですが、ちと値段が高いのでは。
価格評価→★★☆☆☆
評 価→★★☆☆☆
<オプション>
年 式→2011.04.26第一版発行
実測重量236g