購入価格 $30.00 @Aspire VeloTech
クリスキングのヘッドワンにはベアリングが圧入されているので、ワンをベアリングごとヘッドチューブに圧入する必要がある。普通のヘッドセットプレスで作業するとベアリングを痛めてしまう。このアダプタはそれを回避するためのもの。
クリスキングが出している製品で、Park Tool用、ホーザン用等、種類がいろいろあるようだ。Park Tool用は二年前まで本体に"PARK"と書かれていたようだが、現在では"A"という文字に変更されている。一方、ホーザン用は現在、"B"という文字に変わっているらしい。私のヘッドセットプレスはCyclus製品だったが、Park Tool用が使えるとのことだったので、これを購入した。
本製品は、ヘッドワン圧入アダプタ(x2)と、クラウンレース(Chris Kingでは「ベースプレート」と呼ばれている)圧入アダプタの二つから成る(写真下の1)。写真下の2は、Cyclusのヘッドセットガイドの底面をCane Creek S3のヘッドワンにのせているところ(このヘッドワンの大きさはChris Kingとほぼ同じ)。これではベアリングをダメにしてしまう。そこで写真下の3の左側にあるアダプタの凸部を、ヘッドワンにカポッとはめる。すると写真下の4のように、アダプタとワンが合体し、ワンの外側の部分だけを押せるようになる。
ちなみにこのアダプタについてはネット上に情報が少なく、海外でもこのアダプタは「ベアリングを均等に押すツールだ」といった誤解を多く見かけたが、それは誤り。これはワンの外側を押すツール。そのため、ベアリングに負担をかけずにワンの外側さえ押せれば何もこのアダプタを使わなくてもいいということになる。
一方、下の写真の1でシャンパンゴールドっぽい色のものがChris Kingの"Baseplate"(クラウンレース)。写真下の2のように、アダプタと合わせるとぴったり密着し、クラウンレースの凸部を保護してくれる。これなら、心置きなくクラウンレースインストーラーでカコーンと圧入できるわけだ。ただ、ヘッドワン圧入アダプタについては、プレスフィットベアリングタイプの他のメーカーのヘッドワンにも使えそうだが(例えば写真のCane Creek S3など)、このベースプレート圧入アダプタは、汎用性はないかもしれない。写真下の3は、Cane Creek S3のクラウンレースにアダプタを乗せてみたもの。フィットしないので、使う意味がない。
なお、写真下の4のように、アダプタの内径は22mmで、Cyclusのヘッドカップガイドのそれよりも大きいので、ロッドは通る。私はこのアダプタ+Cyclus Headset Pressで、とても簡単かつ確実かつ安全にChris King No Threadsetを圧入することができた。
非常に高精度で、このアダプタを買って良かったと思っている。実は、最初はホームセンターで材料を揃えて安上がりにDIYしようと思ったのだが、なかなかぴったりした材料がなかった。そこで考えを変え、専用のアダプタの使い心地はどうなんだろうという好奇心から買ってみた。国内ではどこも品切れだったのでアメリカから取り寄せたが、FedExの送料を入れても国内で買うより安く済んだ。
クリスキングの熱狂的なファンでもなければ個人でこの工具を所有する意味はほとんどないと思うし、ヘッドワンアダプタは座金で、クラウンレースアダプタは使い古しのヘッドワンで、それぞれ代用が可能だと思う。しかし非常に精度が高く、これらのアダプタを使った作業には絶大な安心感があった。
将来、もう一度か二度くらい、クリスキングのヘッドセットを圧入する機会があるなら、それほど愚かな買物だったということにはならないだろう、と考えている。
一度しかChris Kingをインストールしないのなら、ホームセンター用品で代用しても問題はないと思った。
価格評価→★★★★☆ プロ用と考えれば安い
評 価→★★★★★ 高精度