[TU] Schwalbe Ultremo HT

購入価格 49ユーロ

Liquigasのフィードバックが詰まっているようで、クリンチャータイヤも評判が良かったので購入。HT=Handmade Tubularだそうだ。

手に取ると意外と硬い感触で、Corsa Evo CXやVeloflex Carbonのようにしなやかに曲がらず、全体的に高強度なタイヤというのが第一印象。フラップまで黒く塗ってあり、裁縫などの仕上げは割りと綺麗に見える。

重量は2本購入で260g/274gと。公称値は260gなので片方はぴったりだが、もう片方の+14gはどうかと思う。同製品を2つ買ってこれだけ差が開いたのは初めてだ。

取り付けてみると、Zipp303にはすんなり付くもののベースフラップの貼り付けが適当なのでセンター出しに苦労した。特に酷かった方はセンターを出すとベースフラップが左右で3mmほど偏っていた。また、相当時間を掛けてみたもののバルブ周りで2本とも振れが取れなかった。個体差もあるだろうが、精度は低いと見られる。トップグレードでこれとはかなり残念だ。

推奨空気圧は8-14Barとなっているが、硬そうだったので7.5Barで使用した。体重は67kgあるが、基本的に低圧が好みなので、クリンチャーでも6.5-7.5Barで使用している。案の定乗り心地は硬めで、ラテックスチューブを使用しているとは思えない。Pro3に厚めのブチルチューブを入れたときに似ている気がする。ただ、トレッドパターンの影響かグリップ力は非常に高い。シャーベット状の雪に覆われた20％の激坂でもグリップするし、ハードブレーキングでもなかなかリアがロックしないのは安心できる。転がり抵抗は標準程度。スーッと進むというよりはしっかり路面を掴んで進んでいくような感触なので、しなかやなチューブラーに魅せられて購入するのはお勧めできない。

空気の抜けはラテックスながら非常に遅い。計測した訳ではないが、一晩で0.5～1Bar程度しか落ちていないように感じる。

対パンクと対磨耗性能は走行距離が短いので評価できないが、数回のツーリングで少々荒れた道や路肩を走っても傷は付いていなかったので結構トレッドが頑丈なのだろう。

チューブラーらしいタイヤではないが、用途によってはベストな選択になりうる。25mmも用意されているため、手組みのチューブラーに履かせて全天候型ツーリングホイールというのが良さそうだ。ロード用には二度と買わないが、そういった用途であれば購入しても良いと思っている。

価格評価→★★★☆☆(普通）
評　　　価→★★★☆☆(精度の悪さ、乗り心地の硬さが気になるものの、グリップは良い）

ちなみに、バルブを下にするとバルブ側、反バルブ側のロゴも逆さになる。普通写真を撮るときはバルブを下にするのだが、どう考えてもバルブを上側にして撮るようにロゴを打ってある。中の人はセオリーを知らないのか、それとも向こうではバルブを上にするのが普通なのか･･･謎である。

追記

なんだかんだで現在ロードで使用しており、後輪がそこそこ摩耗し始めているので追記。

上の個体を1回剥がして置いておいた物を、再度カーボンホイールに貼り付けて1000～1500kmほど使用したところ。幹線道路沿いを走る事が多く所々2mm程度の傷が残っているが、今の所パンクはしていない。耐パンク性に関しては良い方なのだろう。トレッドの摩耗に関しては厳密な走行距離が分からないため断言できないが、そこそこハイグリップな代わりに早い方に思える。時々ロックしてしまうのが原因かと思ったが、全周に渡ってほぼ同じような摩耗の仕方なので、多少の影響はあれどほとんどは走行における摩耗と考えて良いだろう。

乗り心地に関して概ね上と同じ評価で、これの前に使っていたChallenge Criteriumが非常に柔らかいタイヤだったせいか、余計にUltremoの硬さが目立ってしまう。不快という訳ではないのだが、ラテックスの入ったチューブラーにしては随分硬い印象を受ける。

空気の抜けに関しては、最近だと10時間で約1Bar抜けているようだ。以前使っていたZippのタイヤは半日で2Barほど抜けていたので、
やはり遅い部類に入ると思う。1日丸々使う日帰りライドでも何とかなるギリギリのラインではないだろうか。

今のリムは非常に軽く、乗り心地が軽いタイヤだと下りが非常に怖いという理由でこのタイヤをはめてみたが、グリップの良さと硬さが相まって合っているように思う。がっしりしたホイールだと少し硬さが目立ちすぎるかもしれないが、とりあえずいつでも使えるオールラウンドなタイヤだと思う。

価格評価→★★★☆☆(普通）
評　　　価→★★★★☆(乗り心地は慣れた。安定感が気に入ったので＋1）