Chris King NoThreadSet Headsets 1-1/8”
購入価格: ¥12,354 (税込) ※サイクリング・エクスプレス
標準価格: ¥18,360 (税込)
『さすがクリスキング。見た目だけでなく、滑るような軽いハンドリングが極上』
■初めてヘッドパーツを入手
私はこれまでにクロスバイクやシングルスピードの色々なパーツを交換してきたが、ヘッドパーツの交換をしたことはなかった。特に不満を抱いていなかったこともあるが、交換作業が大変だというイメージがあったからだ。シングルスピードGIANT FIXER Rのカスタムも最終段階に来ていたので、2013年の冬のBRAでいただいた副賞で記念品にChris Kingのヘッドパーツを選んでみた。
Chris King NoThreadSet Headsets 1-1/8” Sotto Voce Black
■ヘッドパーツは自分で交換
FIXER純正のヘッドパーツの取り外し、Chris Kingのヘッドパーツの取り付けは、専用工具を用いずに行った。かなりハードルの高い作業だと思っていたのだが、ネット上でも自分自身でChris Kingのヘッドパーツを取り付けた報告例は多く、自分でもできそうな気がした。取り外しの大まかな方法は以下の通り。
①FIXER純正ヘッドパーツの取り外し
ラチェットレンチのソケット+エクステンションをヘッドチューブ内に挿入してヘッドパーツに当て、ハンマーで少しずつ叩いて取り出す。本来はヘッドワンリムーバーという専用工具を使う。
②FIXER純正ヘッドパーツのクラウンレースの取り外し
フォークのコラム側を下にして床に置き、クラウンレースにマイナスドライバーを当てて、ハンマーでクラウンレースの前後を交互に少しずつ叩いて外す。この作業に使う専用工具はクラウンレースリムーバーというものだ。
③Chris Kingのヘッドパーツの取り付け
ホームセンターで揃えた自作工具を用いて圧入する。Chris Kingのロゴの位置決めするために、片側ずつ取り付けた。この工具ではCANE CREEKの40.ZS44 ALというゼロスタックのヘッドパーツの圧入は大変だったが、ヘッドパーツの外周を押すこの方法は、Chris Kingにも向いていると思う。専用工具はヘッドワン圧入工具というもので、ヘッドパーツ関連工具の中でも値段が高い。
④Chris Kingのクラウンレース(ベースプレート)の取り付け
クラウンレースをフォークにセットし、コグをクラウンレースの上に乗せてから、コグをハンマーで少しずつ叩いて圧入する。CANE CREEKの40.ZS44 ALで用いた30mmの塩ビ管の方が、この方法よりも力が均等にかかってスムーズに圧入できる。専用工具はクラウンレースインストーラーという。
作業自体はそれほど難しくはないが、一応自己責任ということで。確実に作業したいなら、ショップで取り付けてもらうか、専用工具を用いた方が良いだろう。尚、ヘッドチューブやフォークのフェーシングは行っていない。それでも実用上は全く問題なく、ヘッドパーツ交換のアップグレードを実感できた。また、フロントフォークはそのまま使うので、スターファングルナットの交換は行っていない。
・ヘッドパーツを取り付ける前のヘッドチューブ上面。
■自転車に高級感を与える圧倒的な存在感
シングルスピードは構成がシンプルなだけにパーツが目立ちやすい。FIXERに取り付けたChris Kingの視覚効果は絶大で、ロゴの目立ちにくいSotto Voceであっても、高い加工精度と美しいアルマイト処理の造形美による存在感は圧倒的だ。FIXERのような街乗りがメインのシングルスピードであっても、自転車全体に高級感を与えるのがChris Kingの凄いところだと感じた。
ヘッドパーツは自転車の見た目に大きく貢献するパーツだ。Chris Kingなら効果絶大。
■ハンドルの安定感と軽くて滑らかなハンドリング
最初に感じたのはハンドルの安定感だ。高いスピードはもちろんのこと、川の土手でゆっくり走っている時でさえピタッっと安定してくれる。以前のヘッドパーツでもガタがないと思っていたが、コラムスペーサーの断面がガサガサになっていたことを考えると、ガタが出ていたのかもしれない。
ヘッドパーツを交換した直後は、フロントのブレーキフィーリングがカッチリしたように思えた。これはさすがにプラセボ効果かもしれないが、以前のヘッドパーツのガタや強度の低さなら、もしかしたらあり得るかもしれない。
当然、ハンドリングは非常にスムーズ。その滑らかさは、溶けた氷をガラスの板の上で滑らせているかのよう…というのは言い過ぎか。ハンドリングの滑らかさと軽さはこれまでに感じたことのないものだ。Chris Kingのヘッドパーツはシールドベアリング採用で、アーレンキーでガタが出ないところで締めるのを止めれば、軽くて滑らかなハンドリングになる。Chris Kingのヘッドパーツは、FIXERのようなボールベアリングのヘッドパーツよりも簡単かつ確実に調整できるメリットがあると感じた。
ヘッドパーツはアップグレードを体感しにくいと聞くが、安価なVP製とは段違いの性能だ。
■街乗りには豪華すぎるヘッドパーツ
GIANT FIXER Rは街乗りのシングルスピードで、ダウンヒルを下るわけでもなければ、高速でコーナーを走行するわけでもない。おそらくFIXERではこのヘッドパーツの全ての性能を引き出すことはできないと思うが、それでも安価なVPのヘッドパーツとの差をはっきりと感じ取ることができた。Chris KingのBB同様、極上の動きの滑らかさだ。使用開始から5ヶ月くらいだが、もちろん何の問題もないし、取り付けたときと同じように滑らかにハンドルが切れる。
FIXERにはちょっと良いパーツを取り付けて見た目と性能を高めている。Chris KingはFIXERにはかなりオーバースペックだと思ったが、今まで交換したパーツと見事に調和してくれてよかった。そして、Chris Kingのヘッドパーツの高い強度と耐久性は、多くのレーサーから絶対の信頼を寄せられるという。私のような街乗りがメインなら末永く活躍してくれることだろう。Chris Kingのヘッドパーツの見た目と性能のラグジュアリー感に大満足だ。
フロントフォーク以外の全てのパーツに手を入れたGIANT FIXER R。
価格評価→★★★★☆ (定価は高いが、割引価格だとかなりお買い得)
評 価→★★★★★ (性能も素晴らしいが、見た目にもオススメ)
<オプション>
年 式→不明
カタログ重量→98g (実測で115g)