購入価格 ¥定価8500円の10%オフ、それに7%のポイント還元
馬鹿野郎!どいつもこいつもケツの痛みだのパッドの厚みだの
コンプレッションがどうの疲労回復だの過剰な要求ばかりを好き放題に言いやがって・・・
自転車乗りにとってのレーパンはそんなんじゃないんだよ!
もっとこう、生き様とか、美意識とか、そんなものが価値観の根本にあるべきなんだよ!!
言葉でくどくど説明しても俺の言いたいことは伝わらないだろうから、どうやらこの流れは俺の過去の経験について語ったほうが早そうだな・・・
あれは俺がロードに乗り始めて3年ほど経ち、本格的なトレーニングをはじめた頃だった。
当時俺は地元の峠に通いつめ、高負荷で体を苛め抜く毎日を送っていた。
峠ふもとのコンビニで補給食を購入するときはジャージの前を全開し、汗で光る鍛え抜いた体を誇示しながらレジまでの道のりを闊歩したものだ。
レジで清算待ちの行列を作っていた人々は俺を見ると慌てて道を空けた。
それはあたかも海が割れるようであり、人々は畏敬の念を込めて俺のことを「モーゼ」と呼んでいた。
「ガハハハハ!!どいつもこいつも怯えた子羊のようだ!」
しかし、どうも人々の視線が俺の股間まわりに集中していることが気になった。
なんと、レーパンの左側内股部分が、サドルとの摩擦で毛羽立っていたのだ。
「馬鹿な・・・これはおろしたてのはず・・・たった一日でこんなことになるとは一体どういうことだ・・・」
いたたまれなくなった俺は「すみません、おつりは結構です」とレジに1000円札を置くと、そそくさと店を後にした。
物陰でよくよくレーパンを観察してみた。
メーカーカタログによると
「着用するとさわやかな冷たさを感じる接触冷感素材を採用」
とあるが、涼しさという点では、そこまで劇的な効果はない。
メッシュ素材ゆえ、若干風通しがいいかな、という程度。
それよりむしろ、メッシュ素材のせいでサドルとの摩擦係数が上がっているであろうことのほうが気になる。
4年間使用しているレーパンと比べてみた。
これはレーパンによく採用されている、比較的ツルツルした手触りの生地である。
やはり俺のように内股ペダリングをしていると、
長い年月のうちには早かれ遅かれこうなってしまうのだが、むしろ4年間もよくもっていると言うべきである。
ちなみに、これも4年間ほど使用しているレーパンである。
これはパッドが薄めであるにも関わらず質感が秀逸でフィット感もよく、
ながらく一番のお気に入りとして酷使したものである。
その結果、左側内股部分は完全に破れてしまった。
その後、お裁縫して修繕。当てた布はSKINSの用途不明の袋である。
ちょっと脱線した。言いたかったことは
「生地の質感によっては摩擦に対する耐久性に大きな差が出る」ということである。
おれはいつしか、幼少の頃おじいちゃんから教わったことわざを思い出していた。
「つよし、『衣食足りて礼節を知る』じゃよ」
そうなのだ。自転車乗りにとって、直接体に触れるウェアと、エンジンの源となる補給食は、決して妥協してはならない重要なものなのだ。
この日から俺は、ウェア、とくにレーパンと補給食に関しては、以前にも増して細心の注意を払うようになったのは言うまでもない。
価格評価→★★☆☆☆(高い)
評 価→★★★☆☆(悪くはないのだが、この金額を出すのならほかに選択肢がある)
<オプション>
年 式→2010