
購入価格 ¥133,000
シラスといえばスピード系クロスバイクの元祖的存在である。2010年モデルのSirrus Compはシラスシリーズの最上級モデルであり、シリーズの中で唯一フレームの素材にE5を使い、フォークとシートステイにはゼルツという振動吸収素材を内蔵している。
私のセカンドバイクであり、通勤、荒川CR、160kmロングライド、輪行まで快適にこなし、かつ故障知らずの佳き相棒である。ちなみにファーストバイクの座は空いている。先立つものを準備中なのだ。
【フレーム】
上にも書いたように、E5アルミ製。E5がなんなのかは知らないが、爪ではじいてみるとカンカンと乾いた高音がしてパイプの肉厚が薄くて硬い感じがする。この素材は2000年代初期まではレースでもがんがん使われていたらしい。確かにクロスバイクのフレームとしてこれ以上のものは必要ないと思うほど、剛性は十分だ。一度、中年の疲れた体にむち打ってスプリントしてみたが、50km/hに達したときも車体はびしっと安定していて不安はまったく感じなかった。いや、心臓がどうにかなっちゃうかもという不安はあったが。
フロントフォークとシートステイはカーボン製で、Specialized自慢のZertsを埋め込んである。加えてシートポストはカーボン巻き。そのため乗り心地がとてもいい。クロスバイクでありながら160kmを超えてまだ走れるのは、この抜群の乗り心地の良さのおかげだ。とくに荒川CRに存在する恐怖の「フジツボ」、凸凹のプラスチックマットを埋め込んだ小砂利のダートで、振動吸収性の良さを感じることが出来る。ああ、カーボンフレームにゼルツ入りの同社の「ルーベ」はもっと乗り心地がいいんだろうなあ…
ホイールベースが長くて直進安定性が良い。やむを得ず歩道を走る場合で歩行者のスピードに合わせても安定してふらつかない。反面、コーナリングは苦手? 外に膨らみやすいので慣れないうちはカーブでびっくりということが何度かあった。
【駆動系】
3 × 9の27スピード。クランク、FD、スプロケ、チェーンがShimano Tiagraグレード。RDだけ105。コストダウンの為にクランクをケチるメーカーが多いなか、きっちりシマノでそろえてくれるところにSpecializedの良心を感じる。多用するRDは105なので変速はいたってスムースである。一方のFDはシフトダウンの度にガチャン!と大きな音を立てるので、人が多いところではあまり使いたくない。
スプロケットは3,500kmぐらい走ったところでヘタって歯飛びを起こすようになった。アルテグラ9速のカセットとDura-Aceのチェーンに替えてリアの変速がうっとりするほど滑らかになった。
【ブレーキ】
ブレーキはテクトロのRX-6というミニVである。テクトロのブレーキは効かないというのが定説だが、RX-6は別格だ。テクトロのWebサイトによれば、冷間鍛造製とのことであり、軽くて制動力も十分、いや非常によく効くしコントロール性も良好。こんなにいいブレーキなら、国内でも市販すればいいのに。テクトロの評価が変わると思うよ。
ただし、ブレーキシューはだめだ。大量のカスが飛び散って、ボトルの飲み口を汚してくれる。まずはXTRのカートリッジシューに交換してみて酷い目にあい、KoolStop製のシューで落ち着いた。
ブレーキレバーはAvid製。なぜテクトロを使わないのかわからないが、こちらも剛性に不満はない。
【ホイール&タイヤ】
リムにMavic CXP-22を使い、スポークを32本使った手組みホイール。計っていないがおそらく前後で2kgぐらいはありそう。重たい。
タイヤはSpecialized All Condition Sport, 700 x 28c。このタイヤは重たくて硬くてパンクするというダメタイヤである。最低空気圧8.0Barってそれ高すぎるだろ! 3,000kmぐらいまでは我慢して使い、そのあとContinental Ultra Gator Duraskin 25Cに交換した。なお、ロングに出るときは、ホイールが重すぎるのでボントレガーのRace LiteとLithion2に履き替えてます。
【その他のパーツ】
サドルはスペシャ製のアンコたっぷりのコンフォートタイプだが、長距離でもそんなに尻が痛くならない。重たいので取り替えたいのだが、なんとなく後回しになって使い続けている。ペダルはとりあえず漕げるようについている安物であるから即交換。ステムは中のシムを回転させて角度を4通りに変更できるアイディア品。ただしヘッドセットのトップ部分にかなりの高さがあり、今以上に低くするには交換するしかないのが不満点。
エルゴタイプのエンドバーの形状が秀逸。とても握りやすい。
【まとめ】
ヘッドチューブがやたら長いデザインは格好良いとは言い難いし、カラーリングはグレー一色でとても地味だ。ママチャリみたいなサドルも付いててなんかもっさりしたバイク。でもそれって盗難防止にはかえって長所かも。なかなか検討候補に挙がらないバイクだと思うが、乗ってみると印象が一変する。乗り心地がよく各部分の操作が滑らかで、25kmぐらいの速度で淡々と走るにはとても良いバイクだ。メタボおじさんのダイエットの友としてお勧め。
価格評価→★★★★☆(クロスバイクとしてはかなり高いけど、フレームの良さとパーツ構成を考えれば納得)
評 価→★★★★☆(最初からロードでよかったんじゃね?)
<オプション>
年 式→2010
カタログ重量→ ?g(実測重量 ?g)