購入価格 ¥ 失念
昔は安かった、日東ヤングⅢとの組み合わせは入門車のド定番。
私の出会いもそれ、80年代後半に初めて買ったロードについてた。
リーチ95mm/ドロップ135mm、コードネーム(笑)「ユニバーシアード」、現在も作り続けられるもはや伝統工芸品である。
昨今のアナトミック教の台頭により、今や絶滅寸前の長めリーチの丸ハンドル。
その形状は唯一無二、私はこれ以外考えられない、コレを使い続けると思う。
ド定番だったことにはそれなりに理由があるだろう、胴長短足の日本人向け?
まさに日本人体型の私は、そのロングリーチのハンドルに違和感を感じること無く使い続けた。
また日東のラインナップ中でなぜかコレだけがひときわ安く、またどこの自転車屋でも置いてあったことから、ハンドルを買うと思ったらコレだった。
コレばかり何個買ったことか。
幅だけ変えてランドナーにつけたり、トラックに使ってたこともあった。
とにかく、当時もっともありふれたハンドルだったと思う。
特に何も考えずに使い続けていたが、それが唯一無二の存在であることに気づいたのはかなり後だった。
色気づいてちょっと高い26.0mm径のハンドル買った、日東 Mod.185、存在もディメンションもチネリ#64的なこれもド定番である。
ウンチクはさておき、Mod.185とB105とを比較してその特徴を明らかにする。
まずは写真を見ていただきたい。
正面から見たところ。
左、日東 Neat Mod.185、右、日東 B105
レバーは第一世代のシマノ10速STIである。
傾いてるのはレバーが壊れているわけではない、「B105は上が狭い」のである。
マースバーなのにランドナーバーのような、現代では多くの人が「変」と思うであろう。
B105の最大の特徴、これを良いと捉えるか、悪いと捉えるか。
私は新しいMod.185の上ハンが広いのに耐え切れずに変えた(余談に続く...)
上体が起きる上ハンではエアロ的に狭くハンドルを持ちたいのである。
チョキにした指のマタでブラケットはさんで手首をアップバーに。
スピナッチを握ったようなエアロなポジションで走るには上ハンは狭い方が好都合。
ブラケット間が狭いと苦しいなどと言う人も居るが、上ハンは狭い分には問題なし、ヒジを広げれば良いのだから。
逆に広いハンドルで狭くは持てない、人間のヒジは内側には曲がらん。
ブラケット持ったときに力が入らない?
登りのダンシングでは力入れないよ。
ダッシュのダンシングはそもそも下ハン持ってやるもんだ。
もう一つ写真、横から。
左、日東 Neat Mod.185、右、日東 B105
レバーの取り付けは昔の教科書どおり、下ハンの直線部の延長線上にレバーの先っぽが来る、下ハンが水平のセッティング。
ドロップの肩に注目。
B105はドロップの肩の傾きがMod.185に比べてユルイ。
Mod.185はドロップの肩が直線的で今風、傾きはキツイ。
昨今はこのドロップの肩を水平にするっつーのが定番の様ですな。
(アナトミックハンドルだと下ハンがまっすぐじゃないからね~。)
B105でドロップの肩水平にしてもブラケットそんなに上がらないけど、Mod.185だとえらいことになります。
ブラケット上向きます、って今はそれが普通?
私はドロップの肩が直線で水平だと持ちやすいなんて思ったこと有りませんが...
だしそれすると下ハンでブレーキ引けないですよ。
→ といった理由なのか?昨今アナトミックシャローなるモノが流行っているそうだ。
ドロップの肩が平らで、かつ下ハン持ってもブレーキ掛け易いという。
そこでB105のドロップ部の曲げ半径が大きい事に注目。
対してリーチが82mmと若干短いMod.185は三角形に近い形状で、かつ曲げ半径が小さい。
これはリーチが短い為か小さい半径で曲げざるを得ないから?
下ハンでのレバーの距離は、ドロップ部の曲げ半径が大きいB105の方が近くなります。
手の長さ17cmっつー子供並みに小さい私でも下ハン持って楽勝でブレーキ引けます。
あと皆さんが気にするブラケットから肩にかけても曲がりがユルイゆえに十分に滑らかですぜ、直線ではないけど。
Mod.185も使ってますがこのセッティングだと指が届きませんでした(ただし9速STI)
写真よりブラケット5mmほど下げて取り付けて、かつアジャストブロック使ってます。
というわけで、B105ラブ。
上が狭いのには、下ハン持ってダンシングしたときに腕に当たりにくいってメリットもある。
トラックに付けられたのもそれ。
ロングリーチってのも上ハン持ったときに後ろ目に乗りたい私的には良い。
ロード、ランドナーからトラックにも使えちゃう(?)ものすごいポテンシャル。
ロングリーチと上ハンが狭い変な形状が許せる人は色々メリットあります。
(というかアナトミックの変な形ゆえのデメリットがありません?上が狭いドロップハンドルって昔は結構あったし。)
ああ、最大の弱点を書くの忘れてた。
「フェルールの直径が25.4mm」です、ステムに注意...
あと日東ハンドルのサイズは下ハンの中心-中心間の距離です。
※現在B105もMod.185もシャローって分類されちゃう様ですが、競輪ハンドルの「深曲がり」に対しての「浅曲がり」、「チネリ#66チャンピオンデュモンド」に対しての「#64ジロデイタリア」なのでは?
アナトミックじゃないクラシックなハンドルが全て「シャロー」じゃないと思います。
とは言うものの昨今のアナトミック信仰の勢いはすごいですね。
私には「アナトミック → ドロップ部の曲げ半径小さい」で色々無理が出てるように思えます。
※※余談.
コレばっかり買った理由はどこにでも売ってて安い、って以外にもう一つある。
「曲がる」のである。
一年くらい一所懸命乗ると下ハンの幅が狭まってくる。
オフシーズンになると今年も乗ったなーって思いながら新しいB105に交換するのが習慣であった。
そんなもんだと思ってた。
で、上で書いた様にちょっとだけ高かったMod.185が気に入らなかった私は、しょうがないからこれもちょっとだけ高かったMod.55を買った、すでに26.0mmのステム買ってたから。
(当時はサカエやクスキなど他の日本製ハンドルもあり、25.4mmのステム使って問題なかったのだが、舶来品の流通が増えて、というか何でもかんでも台湾製になって26.0のステムの方が増えてきてた。)
Mod.55ってのは今は絶版だがディメンションはB105と全くおなじでフェルール部の直径が26.0mmのヤツ
日東 Mod.55、旧タイプの刻印がカッコイイ。
これが何年使っても下ハンの幅が狭くならないのである。
また気に入らなかったMod.185、ショートリーチって所を生かして少しだけトップチューブが長いフレームに使ってみた。
こいつも何年使っても下ハンの幅が狭くならない。
うむむ、どうやら使ってると曲がるってのはB105特有の現象らしい。。。
安いってのは材料か、熱処理などの工程省いてるとか?
ちょっとだけ高い、ってのはそれなりに意味があることみたい。
B105を毎年買うことは無くなった。。。
時が経って2007年に超久しぶりにB105買った。
B105ラバーとしては、いまだに生産し続けられているのはうれしい限り。
Mod.55を絶版にしてB105を残した日東さんは素敵。
フェルール25.4mmでもシム使えば26.0mmのステムで使える、逆はできないね。
で、ショップのマスター曰く、最近値上がりしたんだよね~。
Mod.185と同じレベルの値段になった!
これって、曲がらないってこと?
訳有って今だ使ってませんので未確認。
ちょっと期待してます、日東さん。
価格評価→★★★★☆(値上がりしてもまだ安い部類ですね)
評 価→★★★★☆(曲がらなければサイコー、B105ラブ)
年 式→2007
カタログ重量→ 310g (実測重量 305g /400mm)