購入価格 ¥375000
一発目、乗って感じたのは抜群の剛性感です。
このあたりはBB30の恩恵か、ダウンチューブ、シートチューブ、BB周辺が
よじれる感覚が無く、パワーを全て受け止めてくれます。
その分反動が使えないので、しっかりクランクを回すことを意識しないと
足があっという間にアウトになってしまいます。
前のフレーム(SLT01)は、かなりダウンチューブ~BB周辺が捻れたので、
その反動を使ってのトルク型ペダリングに慣れてしまっていたせいか、
最初の10kmがやたらきつく、回すことを意識し始めたら快適に
乗れるようになしました。
尚、私のクランクシャフトはカンパニョーロサイズなので、BB30アダプタを
かませており、BB30対応クランクだとさらに剛性感が高まるかもしれません。
乗り心地はかなり良いと感じます。小さい路面の凹凸の振動を確実に
減衰しつつ、路面のインフォメーションは小さくコツン、コツンと体に伝えてくれる
ので気持ち良く走れます。
SLT01はビリビリ...と共鳴にも似た感じの振動吸収でしたが、こっちは
コン、コンと一瞬だけ振動を感じるだけです。
感覚的にはSLTが油圧ダンパーのないバネだけのサスペンション、RM01が
油圧ダンパー付きサスペンション、というところでしょうか。
操縦性は、私がストレートフォーク初体験なためなのか、かなりクイックな印象を
受けました。
最初、私の中では高速域である40~60km/hで山の下りで、自分の予想ライン
より内にスパ!と切り込んでいくので、おおお??と最初は不安を感じましたが、
動きが分かってくると、それほど不安は感じなくなりました。
直進安定性はまずまずだと思いますが、横風に対してはSLT01より神経質な
動きをみせ、何度か力が入ってしまう場面が有りました。
ちなみにSLR01のデザインの流れのフレームですが、不評であったあの
「臼式シートポスト」は廃止され、専用品ですが一般的なバンド式になっており、
異音は一切出ませんでした。
次は不満点です。
まずBMC全体にいえることですが、価格設定が他社に比較し割高です。
RM01のフレームセット価格は、余所ではフルカーボン完成車が買えるレベルです。
まあBMCを買う人は(私もですが)指名買いがほとんどで、価格設定を気にする
人は少ないと思いますが、もう少しお得感が有った方が良いように感じます。
次に感じたのはカラーリングとフレームデザインの劣化です。
決して「かっこわるい」と言うレベルのデザインでは無いと思いますが、以前の
BMCに比べると、デザイン的に尖った部分が無く、おもしろみに欠けます。
性能優先で行けば、まずデザインありきではだめなのでしょうが、「これがBMC!」
と言う主張がほしかった気がします。
次はフレームサイズです。
本国サイトを見れば分かりますが、フレームサイズにおける対応身長に幅が
あるため、フレームを選択しにくいです。
特に身長170cmあたりの人は50か53かで悩むかもしれません。
身長171cmの私はハンドルが遠すぎるのを嫌って50を選択、ステムを90mm、
ハンドルバーを
http://www.trekbikes.co.jp/accessories/spec.cgi?id=419432&c=handlebarsにして状態が起き気味の楽ちんポジションにしましたが、フレーム自体に
やや窮屈さを感じており、これなら53にすれば良かったかな?と思いました。
最後の不満はシートポストとバンドが完全な専用品になってしまった事です。
普段の使用では問題ないですが、ほかのポストが試したくなったときには
絶対に試せない事や、このさきRM01が廃盤になった後、スイスにも
日本のような「製造終了後何年間は部品供給しなさい」とかいう法律は有る
のでしょうが、シートポストが破損した場合の部品供給に一抹の不安を感じています。
全体的に見るとSLT01との数年間のテクノロジーの差を実感でき、同じ価格帯
でも数段上のレベルに仕上がっていると思います。
試乗したことのあるフレームと比べて見ると
トレックMadone6.9>Madone6.2>キャノンデールsupersix=RM01
=ピナレロPrincecarbon>ピナレロDogma(マグネシウムの奴)>ピナレロQUATTROcarbon>SLT01
でしょうか。あくまでも私の主観ですが。
価格評価→★★☆☆☆(ちょっと高い)
評 価→★★★★☆(デザイン面★一個マイナス)
年 式→2011年
カタログ重量→1670g(サイズ50)