オールアウト
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オールアウト・・・《全力で、の意》疲れきってへとへとになること。運動して、疲労困ぱいすること。 ・・・とあります。このスキルがあることでレース中のラストスパートをかけれる距離が長くなり、更に自分の限界まで能力を引き出すことができるので勝率はぐっと上がります。去年でたレースで不調で、更に直前1週間まともに練習できてなかったのに3位になれたのはオールアウトのおかげ、ただしさまざまな犠牲が伴いました。これは私の経験です。 去年5月、山陰の某山で身内を中心に行われたヒルクライムレース。私は参加するもかなりの不調。しかし後輩から数日前にプレゼントで山岳賞ジャージをいただく。前年にヒルクライムレースで優勝したので渡されたのだがそのとき後輩から一言「○○さん、だったら山で無様な走りはしませんよね?」これが私を駆り立てた。 友人からDURAのホイールを借り、超軽量チューブとタイヤを用意、更に楽をするためつけてた27Tのリアを25Tへ、当然フロントは52×39Tのレース仕様に愛車をチューン。機材は十分なものを揃えて、機材が悪かったという言い訳はできない。後は自分の身体に鞭をいれるだけ・・・そういう逃れられない状況を作りました。そしてレース当日、レース前にはきちんとアップを済ませ、できる限りのことをして挑戦。しかしトップ集団についていくのは非常に厳しい。ライバルたちは自分をあざ笑うかのように坂を上っていく、しかしゴール手前2kmで車で上がってきた仲間から今4位と伝えられる。ふと、顔を上げた坂の向こうには一人、へろへろになりながら走るライバルが、自分もへろへろだが何かが切れた。水を一気に飲んで、そこから怒涛のアタック。腰は下ろさない、目の前の敵をただ追い抜くことを考える。足が回らない、ギアを下げる、速度も下がる、だが負けられない!ギアが下がった代償にケイデンスを上げる。ランス並みのケイデンスのダンシングでひたすら上る。心臓は爆発しそうになる、だが何か吹っ切れてしまったような感覚にとりつかれ、身体は悲鳴を上げてるのに苦しくない。ゴール手前400mくらいだったか?ついに前の選手を抜く、もう前には人はいない、だがなぜか足を休める気にはならなかった。それは無様な走りはできないという使命。順位で満足せずタイムも狙わなければならない。私は無謀と分かりながらもシフトアップして本当に最後のスパートをかけた。結果順位は3位でタイムもなかなかのもの。だが、ゴールした瞬間に身体が限界を向かえた。ゴールして、2~3、したところにあった広場に着くと足は止まり、ペダルから足を離す元気も無くなりそのまま立ちゴケした。そして、一気に胃の中のものが逆流し嘔吐。嘔吐中もまだ呼吸は荒く、息ができなくて苦しい。全身に力が入らずその場を動くことはできなかった。 そんな状況を見た友人があわてて駆け寄り、自分を担架で運んで、介抱してくれた。私はそのまま20分くらい動くことはできなかった。 しかし、代償はそれだけではすまなかった。動けるようになってしばらくは大丈夫だったが1時間くらいすると全身から筋肉痛が始まり、また、まともに動けなくなる。そのときも友人がそばにいたため何とかなったが周りに知人がいなければ見ず知らずの人に大変な迷惑をかけていたろう。まぁもっともそのとき来ていた女性人からは奇異の目や白い目で見られたのだが。
オールアウトまとめ ・精神的に逃げられない状況下で発揮しやすい ・オールアウト後は身体に多大なダメージが及んでいるので介抱してくれる人が必要 ・周りに助けてくれる人がいない状況下でのオールアウトは非常に危険 ・周りに迷惑をかけてしまうことは必須、周りから変な目で見られる覚悟を
どうしても勝ちたいレースでは非常に強い武器だが・・・めったなことではするものではないと思います 価格評価→★★★★★(これ自体はタダ、しかし状況を準備するのに金はいるかも?) 評 価→★★★★★(勝利はプライスレス、しかし周りから変な目で見られるかも) <オプション> 年 式→ 2010
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