購入価格 ¥3,780
スモールパーツ界の鬼才、KCNCが世に送る感動の超大作。切削痕が艶めかしいクランプ部、美しくも独創的な造形の中空レバー、チタニウム合金のアクスル、ピカピカのアルマイトと、凝りに凝ったものが多いKCNCの製品の中でも、とりわけ贅沢なパーツです。デザイン、機構とも同社のホイールスキュワーとよく似ています。
ところで、KCNCが凄いのは、デザイン性と軽量性をとことん追求しながらも、実用に耐える製品を生み出している点ではないでしょうか。今までKCNCの様々な製品を愛用してきましたが、そのすべてが実用的で、これは使えない、というものはありませんでした。
この製品も、デザイン性と軽量化を突き詰めたためか、レバーが少し短く、DKGやSalsaのものに比べると、開閉操作には多少力が必要ですが、実用性もきちんと見据えているようで、真鍮製のスペーサーを採用しているところにはうならされました。このスペーサーでレバーの短さを補っているのかもしれません。樹脂製のスペーサーでは耐久性に問題があるのみならず、固定力にもレバーの開閉操作にも影響が出る場合があるからです。
全体的に小振り(実際バイクに装着してみると、その控えめで奥床しい佇まいにハッとします)でレバーも短いため、乗車中にシートポストがずり落ちるのではないかと心配されましたが、ハードテイルのバイクに取りつけてダートを走り回ってみたところ、まったく問題はありませんでした。
それから、よく見てみると、クランプ部分がシンメトリー構造ですので、好みに応じてレバーを左右で入れ替えることができます。右利きの人なら、シートチューブの割りが前にある場合はレバーを左、後ろにある場合はレバーを右にもってくると操作がしやすいはずです。レバーが短く、若干ながら操作性に難があるということをメーカー側が認識しており、このような構造にしたというなら、まさに脱帽です。もっとも、私はデザイン重視で、割りが前でもレバーを右側にしていますが(笑)。
ちなみに、サイズ展開は、31.8、34.9mm、カラー展開は、赤、青、緑、金、銀、黒となっております。
デザインを極めつつも機能性を犠牲にしないという、KCNC社が持つバランス感覚の真髄を堪能することができました。
価格評価→★★★★☆ 高いけど、納得の完成度。
評 価→★★★★★ デザイン、機能とも申し分なし。
カタログ重量→23g(31.8mm)