購入価格 ¥360,000(国内ショップ)
キャノ・アルミフレーム5年、スペシャ・カーボンバックアルミフレーム5年からの乗り換え。コンポはD/A78系。BBは2011年は日本向けフレームということでノーマルタイプです(BB30ではないです)。
アルミフレームを長年乗り継いできたこともあり、初めてのフルカーボンフレームということで振動吸収、剛性UPなどを期待していましたが、その期待を超える性能を発揮してくれるフレームです。マイナーな点を除けば、特に欠点らしい欠点が見当たらないです。
・購入まで
流石、ツールをはじめとする世界の名だたるステージレース、ワンデーレースで勝利を上げまくってるフレームだけあります。納期がものすごくかかりました。特に2010年ツールでコンタとシュレックがワンツーフィニッシュなんかするもんだから、世界的に人気赤丸急上昇のようで予約が殺到したらしいです。日本のショップで発注をかけましたが、納品の間に出張で訪れたアメリカ・ドイツのショップでも似た様なことを言われました。アメリカ本国(しかもスペシャ本社のあるカリフォルニア)ですら数ヶ月待ちということでした。結局発注から入手まで約5ヶ月、しかも生産自体は年2ロットほどで完了したようで、タイミングの悪かった人は入手すらできなかったとか…特に人気のサイズと色は争奪戦だったようです。なお、生産国はアメリカ、ではなくて台湾です。世界の高級自転車工場・台湾製なので、そのへんは特に何もなく。発注の狙い目は9~11月あたりで翌年の最初のロットが間に合う感じです。12月だと年明け初回ロットは厳しいと言われました。夏ごろにおっとり注文しても恐らくその年には間に合わないかも…。欲しい方は参考までに。早め早めの注文がミソです。
・ハンドリング
古いジオメトリで、しかもツーリング仕様のバイクに乗ってきたせいか、バリバリのレースジオメトリのSL3に乗ってすぐ気がついたのはそのハンドリングの良さです。特に高速域での安定感、コーナリング時のハンドルの切れは抜群です。それまではタイトコーナーにスピードの乗った状態で突っ込むとブレーキングが間に合わないことが度々ありましたが(下手くそなだけ?)、SL3では狙ったラインに確実に曲がれるようになりました。自分の思ったラインに車体が勝手に進む感じでしょうか、スピードを抑えきれず反対車線に膨れてしまうようなことがなくなりました。流石、ツールをはじめとする世界の名だたるステージレース、ワンデーレースで勝利を(ry
・剛性
よくBB周りの豪快なまでの垂直剛性が上げられますが、それはレースバイクとして当然として、横剛性もかなりのレベルです。スプリントやコーナリングの時にフレームに多大な応力がかかったときの反応の良さは、まるで自分が速くなったかのようです。実際速くなりますがw。カヴェンディッシュやカンチェラーラの世界最強スプリントに耐えるフレームですから、剛性面のあらゆる点でホビーレーサーが不満をいう場面など有りえないでしょう。面白いのは、だからといって決して硬すぎるということもなく、そこはフルカーボンフレーム、路面の衝撃は適度に吸収してくれます。アルミフレームの突き上げるようなロードノイズは、このフレームに変えてから感じることはなくなりました。流石、ツールをはじめとする世界の名だたる(ry
・重量
軽いです。サイズ54、フレームのみの場合で960g。あまりに軽いので片手で気軽に振り回せます(振り回さなくて良いです)。D/A78系という古いコンポで組んでいますが、アルミホイール装備の状態でも労すること無く7キロ切れます。超絶気合れればUCI規定どころか、6キロも切れるのではないでしょうか。実際世界には5kgジャストとかいう恐ろしいSL3組んでる人いるようです。ちょっとググれば出てきます。で、この軽さはやはりここ一番で効いてきます。登りで効くのはもちろんですし、ダンシングも軽くなります。フレームを換えた直後はヒルクライム自己新記録を連発しまくりでした。上り坂でヒィヒィいってる時の気分はコンタ・シュレックですねぇ。流石、ツールを(ry
・マイナーな欠点
塗装が薄いです。これは重量と密接な関係がありそうなので、しょうがないかと思っています。ちょっとでも鋭利なものにブツけると、あっさり表面のペイントが禿げます。極限まで重量軽減を狙った結果なので、このへんはトレードオフなのでしょう。SL3にはグロスペイントタイプとマットペイントタイプ(2011年モデルだとブラック/レッド)がありますが、マットペイントの場合は特にこのハゲ問題が顕著なようです。気にする人は、購入直後にグラスコーティングなどで自衛したほうが良いでしょう。自分は気にしないのでそのまま使ってます。なお、マットペイントモデルはダウンチューブ全体を保護する分厚い透明なシールが付属しています。これは前輪が巻き上げる小石などからペイントを守るためにも付けたほうが良いかと思います。シールは張ってしまえば、目立つこともないです。(殆ど気が付きません)
なお、自分のフレームにはシートポストのずり下がりは無かったです。カーボンシートポストですが、滑り止めにフィニッシュラインの「ファイバーグリップ」を塗っています。これが効いてるのでしょうか?
・その他気になる点
フルカーボンフレームはどれもそうだと思いますが、ここまで薄いカーボンのフレームだとトルク管理は絶対必須です。トルクレンチなしで超軽量フルカーボンフレームに乗るのは自殺行為です。必ず信頼あるメーカーのトルクレンチを買いましょう。自分は広いトルクレンジを管理すべく、低~中トルク用・高トルク用の2本体制で望んでいます。フレームに大金払うわけですから、こんなところでケチケチしては駄目だと思います。
あと、もうひとつ気になったのは後輪のクイックレバー(ホイールスキュアー)がShimanoタイプでは取り付けにくいということです。写真を見てもらえば分かりますがレバーの形状を選びます。現物合わせで選ぶのが良いかと思います。
・総評
文句なしの世界最高峰レースフレームです。ハンドリング良し、剛性良し、さらに超軽量。性能と価格を比較すれば安い買い物と思います。間違いなくオススメですが、時期によっては入手困難なフレームですので、ご希望の方はお急ぎあれ。流石(ry
価格評価→★★★★☆(他社のフラッグシップモデルと比べると安いが、絶対的に高いですよね)
評 価→★★★★★(レースフレームとしては文句などあるワケないです)
<オプション>
年 式→2011年モデル
カタログ重量→ ??g(実測重量 960g!、サイズ54、フレームのみ)