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馬鹿野郎!!
黙って聞いていれば老いも若きも男も女もケイデンスがどうの心拍計がどうの心の寂しい人ばかり・・・
お前らはそれでいいのか!?
せっかく海も山も風も空も独り占めできるというのに、心拍計とサイコンとにらめっこばかりしていて、本当に自転車を楽しんでいると言えるのか!?
・・・とはいえ、俺もみんなの気持ちは痛いほど分かる。何を隠そう、俺も心拍計やサイコンのデータにがんじがらめになっていた暗い過去があるんだ。
どうやらこの流れは、俺の体験談を話さなければならないようだな。
あれは去年の4月のことだった。
俺はチームメイトのたけしといつもの峠トレーニングに出かけた。
たけしはたぐいまれな才能の持ち主であったが喘息を患っており、一日ハードな走りをすると、翌日は休まなければならないという自転車乗りとしては辛いハンディを背負っていた。
その日のたけしは、一ヶ月ほどの体調不良によるブランク明けだった。
記念すべきたけしのブランク明け。そんな日に俺は無様な走りをするわけにはいかなかった。
デヤァァァーーー!!
俺の太腿四頭筋が90rpmを維持したまま唸りを上げる。
ヒルクライムで大切なのはペース配分。
攻めすぎても、守りすぎてもタイムは出ない。
最後の激坂区間までは、心拍が150を超えないように。
ケイデンスは85~90を維持して上っていくのが俺のペースだ。
コースの半分を過ぎたあたりで、たけしが突然のアタック。
ダンシングで急加速し、俺を置き去りにしてカーブの先へ消えて行った。
勝負どころと踏んだのだろうか。
このコースは俺もたけしも熟知している。この先500メートルも行けば勾配が急になる。
こんなところでのアタックが決まるはずがない。すぐにヘバるに決まっている。
俺はその時に備えて、ここはペースを抑えよう・・・
次のカーブを曲がると、俺の視界にたけしはいなかった。
しまった。逃げられた。先行走者が見えないと、山では追いづらい。
とうとう俺は山頂までたけしの背中をとらえることはできなかった。
「馬鹿な・・・ケイデンスと心拍を一定に、効率よく走ったのになぜ負けたんだ・・・」
ゴールして呆然とつぶやく俺に、たけしは答えた。
「つよし、お前のクレバーな走りにはいつも感心するよ。
しかし俺は、この走れない一ヶ月の間、ずっと今日の日を心待ちにしてきた。
病室の窓からこの山を眺めながら、来る日も来る日もイメージの中でアタックをかけてきたんだ。
その気持ちをぶつけたんだ。
俺は思う。「上りたい」という渇望は、ときにどんなものをも上回るのだと。」
俺はたけしの一点の曇りもないまなざしに意識が遠のく思いがした。
この男の上りは「気持ち」だ。たけしは練習不足を補って余りある意志の強さで、精密機械のように管理された俺の走りを打ち砕いたのだ。
俺はいつしか、幼い頃にゆりかごの中で聞いたおじいちゃんの言葉を思い出していた。
「つよし、『先頭を走る者がいつも正しい』じゃよ」
そうなのだ。自転車乗りにとって気持ちの強さが、「上りたい」という渇望が、何物にも勝る最高の武器なのである。
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要点をまとめます。
まず、他商品との主な機能の比較から。
私は心拍計だけのモデル(腕時計型)を併用しているので、サイコンは心拍測定機能なしのモデルしか持っていません。
【ケイデンスありなのにケイデンスセンサー不要】
このサイコンは無線式である。車輪のスポークにつけたマグネットから、フロントフォークのセンサーでスピードを読み取り、電波でフライトデッキ本体に飛ばしている。ここまでは普通である。しかしこのサイコンの最大の特徴は、スピードからケイデンスを「計算して」表示していることである。したがって、このサイコンは最初のセットアップ時に、自分が使っている歯数(フロント、リアとも)を入力する必要がある。コンポーネントメーカーであるシマノならではの仕組みといえるだろう。
この仕組みのおかげで、配線は極めてシンプルである。サイコン内で行われている計算も正確で、ケイデンスや速度に関して違和感は感じられない。また、「あ、ギア使い切っちゃった」などと常にひと目でギア位置を確認できること、シフトチェンジ直後2秒間ほど「50-19」などとギア数も表示されるのは、このサイコンにしかないメリットである。
一方、【手元操作が便利な反面、人によっては、ブラケットポジションで誤ってボタンを押してしまうかも】【ペダルを止めてもケイデンスが0にならない】という2点は評価が分かれるところだろう。計算でケイデンスを求めている関係上、たとえば下りで足を完全に止めていても「ケイデンス120」などと表示されてしまうのだ。「下りでの適正なケイデンスを知る参考になる」と前向きに受け止めるか「下りでも正確なケイデンスを知りたいのに・・・」と感じるかが評価の分かれ目だろう。
最後に、【高架下、特定の場所でのみよく混信する】。これについては改良されないものだろうか。私の家の近所のある交差点、ここは都市高速道路の高架下なのだが、ここを通過する際、ほぼ100%の確立で速度がハネ上がる。実際に走っている速度は20km/hくらいなのに、50km/hを超えるのである。これは私にとって結構大きな問題である。実は私は、ここで50km/hなどを記録してしまうと、その後自分でこの速度を更新することは決してない。ということは、私にとってこのサイコンは「最高速度記録機能のないモデル」ということになってしまっているのである。他が私の使い方に非常に合っているモデルだけに、ここだけは残念なのである。
あと、求めるとしたら・・・クライマーの私としては、高度計、傾斜計、温度計がほしいところだ。って、まるっきりCBN CC-NN4(サイクロコンピュータ・ナナシー)のスペックじゃないですか。
価格評価→★★★★☆(同価格帯の他社製品に負けてない)
評 価→★★★☆☆(ややクセがあるとも言える)
<オプション>
年 式→2009年、6月