購入価格 ¥30,000 (中古)
前回のレビューRS81-C35(
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=11046&forum=30&post_id=19694#forumpost19694)を買ったものの色々と不満がありました。
そのため、もうお金はないもののもうちょっと軽くて、それでいて快適なホイールが欲しいなーと思っていました。
そんな時に大学の後輩がキシリウムSL(使用距離900km程度)を手放すとのこと。
キシリウムSLというととても有名なホイールなので前評判を色々聞いていて、良いものだということはわかっていたので即購入してきました(私の口座残高が大変なことになったのは察してください・・・)
乗った距離がまだ600kmくらいだと思います。
タイヤは例のごとくContinentalのGP4000S 23Cです。
結論から言うと・・・大満足です。
もっと上があるのも知ってますが、とりあえず悪いところは無いと思います。
高級カーボンホイールのような飛び抜けた性能はありませんがすべて平均点以上の優秀さ。
とにかく万能で買って損は無いホイールだと思います。
前のレビューと同じように平地、上り、下り、快適性、耐久性、見た目と6項目でレビューしていきます。
比較対象も同じく私の手組()
に加えて前回のRS81-C35を加えていきます。
・平地
RS81C35ほど良くはありませんが十分な性能があります。
32H手組みに比べれば空気抵抗は少ないようです。
重いギアで踏んでも、軽いギアで回しても難なく素直に走れます。
軽いホイールなので急な加速でもRS81C35のように重さを感じることも無く軽快です。
・上り
素晴らしいです。
手組も結構登坂では良い仕事をしてくれますが、それ以上です。
手組をベースに軽さや剛性などすべての性能を上げた上位互換のホイールのような感じです。
軽快感もあるのですが、それ以上に良く進む感覚が気に入ってます。
イソパルス組のリアがいい仕事をしているのか、リムが硬いからか、ものすごくよく進みます。
32H手組のホイールもスポークが多いだけあって良く進むのですが、それ以上です。
・下り
悪くは無い・・・って感じです。
剛性が高いのでブレーキも安定してるし、軽いため切り返しもしやすくグネグネした峠では扱いやすいです。
しかし直線だと、手組よりは良いものの、RS81C35に比べるとトップスピードの伸びは劣ります。
スピードが出てくると足元から結構風を乱す音が大きく聞こえてくるので、幅の広いこのエアロスポークは全く効果が無いわけではないようですが、特別優れてるわけではなさそうです。
・快適性
これが意外でしたが、結構快適です。
キシリウムSLというと私は少し前のモデルのイメージがこびりついてて、レース用のホイールのイメージがあり、硬くて、剛性が高く、後半に脚に来る(疲れた脚で走らせるのが大変)・・・なんて雑誌インプレの印象がありました。
で、使ってみて思ったのですがこれのどこが硬いんだ?って感じです。
よく進むことは確かで、変に体重を乗っけても歪む感じはしないし剛性が高いことは確か。
でも、硬いわけではなく振動吸収性は高くて非常に快適です。
硬いフレームに、硬いホイールを組み合わせると元気な最初はいいけどすぐに疲れて走れなくなるのでバランスをとることが重要ということもRS81C35などを使用して承知してます。
故に硬いと聞いてたキシリウムSLを私のガチガチのRA6に組み合わせるのは若干不安がありました。
しかし、そんな不安は大外れ。
とても快適で、振動吸収性は手組と同等かそれ以上ありそうな気配があります。
手組より性能が高くなってるので快適性が同じだとしても、トータルで見れば確実にこっちの方が疲れにくくなります。
後半になったら脚に来る?
という不安も大外れ。軽くて、良く進むホイールで疲れた脚で踏んでも優しく感じます。
このホイールで350kmの山岳耐久ランに挑戦しましたが、脚が売り切れた後半もやさしく私をサポートしてくれました。
ガツンと踏んでも手組より、脚に返ってくる衝撃が優しく感じます。
イソパルス組やスポークがアルミ製だということが関係してるのでしょうか?
予想以上に快適です。
※ただし、普段は非常に乗り心地の悪いものに乗っているため快適性の評価は甘めになってる可能性があります
・耐久性
年度によってすこし違いがあるようです。
初期のキシリウムには若干問題があり良くスポーク破断が起きていたようです。
原因はどうやらハブにあるらしく、私の持ってる09年のモデルはこれが改良されてるようです。
現在のモデルも同じように改良されているのでそこは安心して良いと思います。
しかし、アルミスポークという特性上、必ずいつかは金属疲労で破断してしまうことは物理的、材質的に避ける事はできません。
また徐々に性能も低下してしまうようですが・・・現状で不満が出てしまうような性能低下はありませんし、私程度の体重なら大きな影響は出ないかもしれません。
特殊スポークですが、このスポーク自体は通販などでも自分で入手しやすいので完組にしては補修性は高いと思います。
触れ等もまだあまり長い距離を乗っているわけではありませんが出ていません。
ベアリングも見てみましたが、シールがしっかりしているよなので耐久性は高そうです。
一方で、何かと言われるフリーハブですが、こちらも耐久性という面で見るとメンテナンスがしやすく補修も簡単そうなので問題無さそうです。
壊れるとしたらラチェットの爪ですが、こちらも通販で簡単に入手できます。
ただ、メンテンナスがしやすい構造=メンテナンスが必要な構造になってるのでメンテをサボると問題がありそうです。
・見た目
これは好みの話になってしまうでしょうが、個人的には大満足です。
私のRA6とはよく合います。
シールのデザインも、ハブのデザインも、幅広なきしめんスポークも、1本だけ赤く塗られたスポークも非常にカッコイイと思います。
リム、ハブ、スポークが機械的な設計の面だけでなくデザインの面でも統一されて作られているため一体感が素晴らしく、これぞ完組ホイール!って雰囲気があります。
ただ少し派手といえば派手なデザインなので、もうちょっとおとなしめのデザインのものが欲しい場合はRacing1とかになるのかな?
・まとめ
とてもかっこ良くて、万能かつ万人向けな高性能アルミWOホイールという感じです。
欠点が少ないのが本当に良いです。
とりあえずキシリウムってのは間違いではないと思います。
ただ、問題は値段ですよね。
現行のキシリウムSLSだと約13万円、最上級のSLRだと19万4000円とかなり高価です。
MAVICのホイールは高いんですよね。中古でも結構な値段がします。
この価格を出すと最近ならカーボンホイールが手に入ってしまいます。
なのでどちらを選ぶかかなり迷ってしまうかもしれません。
でも1本だけ持つ場合はこちらのほうが何かと便利だと思います。WOだし、アルミリムでブレーキも良く効くし、十分性能高いし…
もしこれを使って更にレベルの高いものが欲しい場合は、これよりかなり高いカーボンホイールを買わなければいけないと思います。
これを買った程度の値段(もしくはそれより安い)のカーボンを買うと失望してしまうかもしれません。
それくらい基本性能はしっかりしてます。期待を完全に裏切られるって事はないと思います。
今回は安く中古で買えましたが、正直、あまりに具合がいいので新品が欲しくなってしまってます。
壊れたら、新しいキシリウムを買ってしまいそうです。
価格評価→★★★★★(私の入手価格なら、定価で見ると★3かな?)
評 価→★★★★★(アルミWOホイールとしては文句無しです)
<オプション>
年 式→2009
カタログ重量→ 1485g(実測重量 F644g 870g 合計1514g)