地芳峠は愛媛県久万高原町と高知県梼原町の間に位置する峠です。
【地芳峠のデータ】
全長…22.3km(愛媛県側より)
区間…愛媛県久万高原町柳谷~高知県檮原町大蔵谷
標高…1089m
区間平均傾斜…3.5%
路面状態…全面舗装、道幅2~1車線程度、後半は一部0.5車線程度
※1(全長・区間・標高はwikipediaより転載)
※2(傾斜角度は始点~最高地点まで、ルートラボ調べ)
地芳峠近辺は日本三大カルストの一つに数えられる「四国カルスト」というカルスト台地であり、
峠から西側に「大野ヶ原(おおのがはら)」、東側に「姫鶴平(めづるだいら)」「五段高原(ごだんこうげん)」
「天狗高原(てんぐこうげん)」が広がっています。
愛媛県の自転車道というと、しまなみ海道や夕やけこやけラインなどが有名ですが、最近は個人的に四国山地が密かなブーム。
雄々しくも美しい、秋めく山々の美しさを求めて、今回はこの地芳峠と四国カルストを目指すことにしました。
まずは入り口から。愛媛県久万高原町の柳谷大橋です。
近くの交差点から、川の上を覆うように大きく弧を描いてかかる橋です。
観光地として、また地元民の生命線として大事な道路なようで、路面はピカピカ。
案内標識も真新しく、トンネルもきれいに整備されていました。
序盤は傾斜もゆるく、視界もひらけているので、とても走りやすいです。
道中にはこんな駅が。「ごうかく駅」…なんだか縁起の良い駅名ですね!
でも駅は無人で、切符は久万高原町の役場で売っているとかなんとか。
うーん、たしかにこんな山の中のバス駅、人がいないのは仕方ないにしても、これでいいのだろうか…
表面が少々ひび割れていますが、やはり視界は開けていますし、幅も広く、快適な道が続きます。
道路から下を覗き込むと、渓流がさらさらと。きれいな川って、こういう風に緑色に見えますよね。
しかしごうかく駅以降から道中には自販機すらなく、傾斜がだんだんきつくなってきます。
次第に道も狭く、路面もガタガタに…。さらに樹木が増え、視界までふさがってきました。
11月の初旬でまだ暖かさも残っている時期だったのですが、背の高い木のおかげで日が当たらず、とても寒かったです…
頂上まであと少し。大野ヶ原へは、地芳峠の手前で西に向かうルートを選択するようです。
私は今回姫鶴平・天狗高原方面へ行くので、ここはそのまままっすぐ進みます。
地芳峠です。この標識から←の方面へ行くと、四国カルストへ行くことが出来ます。
所要時間は松山から5時間半程度。早い人なら4時間程度で行けると思います。
(毎回この手のロングライドをやると所要時間が掛り過ぎる傾向があるんですが、私の脚力が足りないんですかねぇ…)
地芳峠からの道中はこんな感じです。
地芳峠から姫鶴平までは、3km程度の区間ながらも平均傾斜が8%程度と、疲れた脚にはなかなか強烈です。
でもここまでくればもうあと一息、焦らずゆっくりと登ります。
道中から大野ヶ原を。草原の中にポツポツと石灰岩が見えます。
姫鶴平到着です。
近代的な風車、青々とした草原、そこに平然と寝転がる牛…
麓とはまるで別世界です。
姫鶴平入り口にはロッジ「女鶴荘」があります。こちらでおみやげやパンなどが補給できます。
到着したのは午後1時ごろ。ちょうどいい時間だったので、こちらで昼食を取ることにします。
カツ丼850円。お客さんが多かったので、出てくるのに時間がかかりました。
おまけにお吸い物がアツアツなのに、肝心のカツ丼はちょっとぬるめ…でも衣はカリっと上がっていていい感じ。
「やっぱりこういうところで食うものに文句言っちゃいけないぜ。」
と、ある有名な輸入雑貨の貿易商人が言ってましたが…仰るとおりでございます。
食事も休憩もたっぷりとって、いざカルスト中心部へ。
のどかな景色とは裏腹に、なかなか激しい傾斜です。
女鶴平から愛媛県方面を。画面左側に見える山はたぶん大川嶺(1525m)。
近代的な風車です。近づいてみるとわかりますが、かなり大きいです。
しかもゆっくり回っているのに、風切り音がブォンブォン聞こえます。
五段高原から高知県方面を。
五段高原から姫鶴平を。のどかな風景が広がっています。
こちらも五段高原。こちらはさっきとうって変わって、一面にススキが広がっています。
なんだか物悲しく、儚げな感じ…哀愁を誘う秋の景色ですね。
…
この先には四国カルスト最東端の天狗高原があるのですが、この時点で時計の針は午後2時を回っていました。
このまま先に進めば、松山の自宅に到着するのは日が落ちてからになるのは確実です。
あと数キロ先だから行ってしまおうかとも思いましたが、寒さで指や足をやられていたこともあり、ここいらで引き返すことにしました。
(※結局松山の自宅に帰ったのが夜8時だったことを考えると、いい判断だったのかもしれません。)
あと一歩のところで引き返してしまったサイクリングでしたが、四国カルストのいいところをたっぷり見れたので、十分満足です。
※追記:
カルストだけあって、路上には石灰岩がごろごろしています。
転石に乗り上げたり、ブレーキシューが石を噛むなど、走行に色々影響があると思いますので、走る際はご注意下さい。
評 価→★★★★★ 愛媛の名コースは山側にもあるんだなぁ、と再認識
走りやすさ→★★★☆☆ 観光客の乗ってくる車が結構多いです…