購入価格 ¥6,400(追加費用)

振れ取りをしようとしたら スポークとニップルが固着していて、
そのままニップルを回したら スポークが4本折れました。

という事が昨年の5月にありました。
実は、交換用のスペアスポークは とっくに買い揃えてあったのに
組むのが面倒すぎて ずーーーーーっと放置していたものを先日ようやく組み立てました。
シャマルウルトラ/ユーラス用のアルミスポークは、1本1,300~1,600円と非常に高価なので
折った時の精神的ダメージは 他のホイールとは比べ物になりません。

11ヶ月ぶりに ホイールとしての形を取り戻しました。
もちろん 全てのスポークが過不足なく張ってあります。
よーし、これで元通りだな。
○ラインナップ
ユーラスは フルクラムで言うところのレーシング1に相当するモデルです。
シャマルウルトラ/レーシングZEROはカーボン製のUSBハブ、
ユーラス/レーシング1は アルミハブに鉄球ベアリング、という差別化がされていましたが
レーシングZEROとの差別化が難しくなったレーシング1は2014年を最後にカタログ落ちしました。
では何故 同グレードのユーラスが未だに落ちていないのかというと、
現行シャマルウルトラは内幅17mmのワイドリムに変更されたため、
内幅15mmのままのユーラスの方がリムが軽い、という逆転現象が起きているものの
そこでの差別化が可能になったためです。
ナローリム時代のシャマルウルトラとユーラスはハブとベアリングだけが別物で、
リム、スポーク、ニップルは同じ品番だったので重量差は全てハブ重量に起因するものでしたが、
シャマルウルトラが重たくなった現在では リム重量ぶんだけ差が詰まっている状態です。
○ハブの構造
このハブはメガG3化以前のものなので、
ホイール全体での剛性は 理論上メガG3の現行ユーラスの方が上ではあるものの
旧ハブの このユーラスでも剛性は必要十分だと思います。
ただ、このハブの欠点はそこではなく フリー側のスポークが全て外側に抜ける形なので、

①のスポークを外さないことには ②のスポークを交換できません。
今回の組み直しでも そこで少してこずりました。
○特殊ニップル
組み立ての際、最も苦労したのはニップルの再装着です。
ゾンダ以上のホイールでは、リム外側にニップル穴を設けていないので
鉄製のガイドをニップルに取り付けて磁石で1つ1つ誘導しなければいけません。
この作業が本当に、マジで、心の底から面倒で、ホイールを組まずに放置していた最大の理由でもあります。
固着したスポークが テンションを解放しても回らないと事前に分かっていれば全バラしはしなかったかもしれませんが、
リム重量の実測値を知りたいので やっぱりバラしていたでしょうね。
いやーここまで鬱陶しいホイールだとは知らなかった(知ってた)。
○付属品
カンパニョーロ/フルクラムのアルミスポークのホイールを買うと、
UT-WH070というニップル回しが一緒についてきます。
が、この工具でニップルを回そうものなら

ニップルの角をナメまくります。
画像のニップルのうち、7~8個は ねじ山ごと変形してしまったので捨てました。
固着していたから・・・ではなく、固着しておらずスルスル回せるニップルでさえ傷モノにしてしまうので 使ってはいけません。
他社製のニップル回しで触ったニップルは 傷ひとつ付かないので、問題があるのは僕の腕ではなくて工具のほうです。
○リム重量

リヤリムの実測重量です。
この写真を撮るために全バラしを敢行したようなものです。
旧リムのゾンダで498gなのを考えると非常に軽いですが、
ブレーキゾーンが かなり摩耗しているので、新品の時点では もう5gほど重いはずです。


また、ステッカーだけで 3~4gはあったと記憶しています。
オープンプロのリムと同じくらいの重さではあるものの、
オープンプロで組んだ後輪よりも ずっと高剛性なのは言うまでもありません。
○防水性

このホイールとは別で ゾンダの前後輪を持っていて 使い分けていますが、
ゾンダのハブは ダストシールの隙間が目視できるくらい大きく(0.5mmくらい)、防水防塵性能が非常に低いのが特徴です。
ユーラスのハブは 隙間が見えるほどではないものの、シール性については
ゾンダと大差ないと思うので、雨中走行後のグリスアップはした方がいいです。
自転車がどろんこに汚れるシクロクロスなどで使う場合、
レース後は必ず分解洗浄グリスアップしなければいけません。
○走行性能
やはり、ゾンダとは比べるまでもなく硬いです。
ゾンダは メガG3の世代なので、「工夫いろいろ盛り込んでる度合」ではゾンダが上ですが
アルミスポークの強靭さには敵いません。
スタートダッシュ、登りでの反応性、どちらも圧倒的にユーラスが上です。
実のところ、ヒルクライム用としているTNiのRoad38カーボンホイールよりも加速が鋭いです。
リム重量はユーラスの方が80gは重いので、登坂性能ではユーラスが劣るだろうと思っていたら
実際はほとんど差がなかったので、とても驚きました。
リムそのものの軽さが飛び抜けているカーボンチューブラーか、
リムの内側の硬さが飛び抜けているユーラスか、
総合的に見て どちらが優れているかは分かりません。
あぁ、スペアパーツがいちいち高いのはユーラスの数少ない弱点でした。
メガG3化したユーラスは 今でもナローリムのままでカタログに残っていますが、
コンポや他のホイールが幾ら代変わりしようとも
基本設計を一切変えずに残り続けているのは 凄いことだと思います。
ライターの安井氏いわく 25Cのタイヤが嫌い、または不適なサイクリストも多いので、
ナローリムの完組ホイールが今でも手に入る事には大きな意味があります。
あと数年はモデルチェンジして欲しくないな、というのが 僕個人のささやかな願いです。
価格評価→★★★☆☆(スポーク代が嵩んだのは痛かった)
評 価→★★★★★
年式→2010