「美の壺」(自転車)
購入価格 ¥NHKの視聴料って幾らだっけ?
2010年11月12日 22:00~22:25 NHK教育テレビにて放映。
知り合いから情報を得て、楽しみにテレビの前へ。
冒頭に、草刈正雄がナリーニのウェアを着て登場。 しかし、何か違和感。 その脇に抱えているのは、Cropsの子ども用ヘルメットに見えるんですが、違いますか?
とは言え、デローザのアイドルもともに登場。
まずは、フレームの三角形の美ということで、今中大介氏が登場。 華麗なライディングフォームやペダリングを見せてくれますが、その後、スタジオ内で撮影した自転車、デローザのネオプリマート、ピナレロ(モデル名、判りません)は、何故か、ペダルがケージ式のフラットペダル。
次に紹介されたMTBでは、ジャイアントのハードテイルタイプが登場。 そのモデル自体は悪くないけれど、固定ローラーに据え付けられペダリングを見せるシーンでは、一番下まで下げられたサドルにどっかり座ってペダリングをしている。 クロカンポジションでサドルを上げるか、下げたサドルで見せたいなら、ダンシングでペダリングして欲しい。
MTB単体の場合、サドルを下げた状態は絵になると思うが、ライダーが一緒の場合、下げたサドルに跨り脚が伸びない状態でペダリングをする姿は、「自転車の美」を描くというテーマに相応しいかどうか、大いに疑問を感じる(私の感覚だけれど)。
その後、国立科学技術館に展示される、オーディナリー型自転車(いわゆる、ダルマ型)を、現代の自転車の直線的な三角形と対比し、曲線による美を見せる。 しかし、このオーディナリー型に割く時間がいやに長い(と感じた)。
そのオーディナリー型を自分の手で作ったとして紹介されたモデルは、まさしくオーディナリーだが、ここで少し違和感を感じた。
次のテーマは、自転車を自由に選び、コーディネイトする、というものだが、ここでさっきの違和感の正体が判った。
自由に選ぶというテーマで映し出される自転車は、一見、バラエティに富んでいるように見え、どうも、ピストへのクローズアップが多い。
そう。 現代のオーディナリーも、ホイールにクランクが直結している固定ギア(ギアはないけど)なのだ。 パーツ構成も、ステムやハンドルが、BMXやピスト系のショップに置いてあるのと同系統のように感じる。
このコーナーでは、他の自転車は基本は走行シーンがメインなのだが、一つ、モデルらしき女性と一緒に写されたのが、フラットバーのピストで、ブレーキはフロントのみのノーブレーキピストならぬ半ブレーキピスト。 そして、スーパーで「公道ではブレーキを云々」のお決まりの文句。
ピスト自体が嫌いではない。 むしろ、シンプルな造形はよい。 ブレーキのない状態も、また、ブレーキの装着されている状態も、それぞれにいいデザインだと思う。
なので、「自転車の美」を語るのであれば、競輪選手とピストを、そして、そこから派生したストリートを走るピストとして前後ブレーキの装着されたモデルを紹介すればいいのに、と強く感じた次第。
もちろん、何に美を感じるかは人それぞれなのですが、どうにも違和感の大きな番組だったなぁ。 NHKだし、教育テレビだからと、期待し過ぎたのでしょうね、きっと。 ※無料の工作教室だって喜んで参加したら、冒頭に原子力発電の啓蒙講演が始まった時の感覚に似ている。
価格評価→☆☆☆☆☆(個別に料金を払って見る気にはならない) 評 価→★★☆☆☆(部分的に面白い。でも、違和感の方が大きい)
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