購入価格 ¥25000
WH-RS20のディープリム版。しかし、24mmと30mmでは見た目とかが大分違う。
そもそも私の場合、これ以外のロードバイク用ホイールは、あの基地外思想に基づいた手組みだけである。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=6249&forum=30#forumpost11874)
相当個性的なホイールというか、カタログ重量で2kgをギリギリ切っている文鎮、このRS30の対極にあると思う。
では、ねじりオープロ(以下変態)とRS30の比較にならない比較。
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まず、最も気になるであろう加速・巡航・減速性能。
・加速
変態は起動-30km/hくらいまでグイグイ加速するのに対し、RS30は物凄くもたつき、実際漕ぎが重い。
が、加速の良さは35km/h前後を境に逆転する。RS30がニブいのではなく、高速向けなのでしょう。
BORA・R-SYS・WH-7850系列(なし崩し的にRS80も)・RACING 0等の軽量ホイールを履いている人は、買わない方が身の為でしょう。それでも買うと言うのなら止めません。
・巡航
45km/hくらいまでの伸びは良い。そのまま50km/hまで持って行く事も難しくはない。
リムが重い筈なんだが、WH-R550や変態とは段違いの高速巡航力を格安で獲得できる。
が、脚が残っていない状態だと平地無風の35km/hでも苦痛に感じるので、その辺は覚悟した方がいい(そもそも売り切れた状態でそんな事したくないけど)。
前述の通りリムがクソ重いので、初めての完組ホイールとしては全くお勧めできない。
さらに、乗り手を選ぶホイールである事も付け加えておく。
シマノのホイールは、低回転でガンガン踏むトルク系の人よりも、どちらかと言うと90rpm以上で回し続けるような、回転系の人に合っているようです。
取り分けRS30は外周部がアレな為、踏む人には向かない。加速は出来ても、速度を維持し続ける事は難しいと思われる(変態はどっちでもいけた。謎)。
向かい風については、書く事自体が野暮であると知りつつ書く。
RS30は、頑張れば平地の向かい風(4m/s程度)なら30km/hくらいでも巡航できる。変態では無理。
横風については、どっちも似たようなもんでした。
・減速
シマノホイールだけあって、とても素直でありながらよく止まる。文鎮リムである事を忘れる程です。
でも変態には負ける。質量差の問題かな?
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続いて、登坂・旋回性能。
・登坂
これは変態の圧勝。リム重量が違い過ぎる。
RS30は、恐らくリム重量だけでも600g近い物と思われ、対しオープンプロは435g前後。
上り坂でどちらが楽かは言うまでもないw
旋回性
言いたい事は1つあるが、以前のシマノホイールに比べりゃ大分良くなった。
以前のシマノホイールを使った事がある方ならよく知っているであろう、あの忌々しき横剛性の低さは大幅に改善されている。
峠攻め(下り)でもアンダーステアが出た事はなく、タイヤの微小滑りの見極めも付く。R550より重いのによく曲がる。変なの。
24mmリムのRS20では、フルクラムやMAVICの中級に近い感覚なのかも知れない。
さて、その言いたい事であるが。
高速域では、リムの重さから来る癖がより一層強くなる。
つまり、下りのコーナリングで思ったより膨らんでしまう可能性がある。
アンダーステアが出ているのではなく、ただ単に若干遅れ気味なのだろう。
決してホイールの反応が鈍いのではなく、強いジャイロ効果が現れているのだと勝手に納得している。
コーナリングポイントを掴むと、実に気持ちよく曲がれる。
こういう場面で嫌われるジャイロ効果を逆手に取って、かなりアクティブな機動(軽量ホイール並の動き)も出来るが、場合によっては命に係わるので、どのような手法なのかは黙っておく。
ともあれ、重いリムに慣れていない方は、使用時に注意して下さい。
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デザイン。
正直言ってだせえ。センス悪い。
でもステッカーを剥がすと余計ださくなる(白黒の境目がアレなんです)ので、そのまま放置するしかないw
RS THIRTYの文字は読みにくい上に無理矢理すぎる。まあ、派手なのは確か。
が、回ればそんなもん分からなくなるw
その点、変態は大きく主張せず(ぱっと見はただの手組み。と言うか前輪は至極普通)、でも後輪のねじり部分で存在感を出せる面白いホイールである。
因みに最近のシマノホイールの大多数は、後輪が左に3mm寄ったオフセットリムであり、バルブ穴が横方向にずれているような錯覚を覚える。
ズレてるのは山の頂だけで、バルブ穴はちゃんと真ん中にあるのでご安心を。
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さて、ここまでグダグダ書き綴った訳でありますが、このホイール自体はけっして悪い物ではないと断言しておきます。
要するに、こんなブツを峠の登りTTで使う奴(=私)の頭が狂っている。
平地で無敵な訳でもなく、上りが得意な訳でもない。加速も良くない。
では何が得意なのか。
「平地の定速走行」に特化しているとでも言っておこうか。
平地オンリーの耐久レースなんかでは、良くも悪くも鬼となる可能性を秘めている。
35km/hで巡航すると決めたら、それを維持する必要がある。
そう言った時に頼れる存在が、このWH-RS30である。
また、105相当のハブを使っているので回転はかなり滑らか。ちゃんと調整すればヌルヌル回る。
そんなもんだから、リムの重さと相まって惰性走行では滅茶苦茶伸びる。
サヨナラホームランは期待できないが、小まめにヒットを打って確実に点を稼ぐ。そんな車輪ですかね。
価格評価→★★★★☆(値段相応ちょっとマシくらい)
評 価→★★★☆☆(低速域と高速域の癖をどう生かすかによって変わる)
カタログ重量→ 1952g