女性を自転車の世界にいざなうアプローチ
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お嫁さんや彼女と一緒に自転車に乗りたい。しかしなかなか興味を示してもらえない。 ウェアやフレームの色が変わると「その色見たことない。また新しいの買ったんでしょ!」と責められる。 ホイールを増やすと「一度にワンセットしか使えないのになんで増やすの。」と責められる。 自転車を増やすと「身体は一つしかないのに何台も持っていてもしょうがないじゃない。」と責められる。 「きみだって何足もクツを持ってるし、カバンだってたくさんあるじゃないか。」とやりかえすと、だいたい修羅場に発展してしまう。
男性サイクリストの多くが、一度はこうした困難に直面した経験があるのではないだろうか。
我々男性サイクリストとしては、女性パートナーを趣味の共犯者に仕立てたほうが何かと都合が良い。一緒に走れるとやはり楽しいし、IYHにも理解を示してくれるようになる。そこで今回は私が考える「女性を自転車の世界にいざなうアプローチ」をレビューしたい。
■■■アプローチ1:ダイエットと美容という方向性で攻める■■■
「自転車に乗ると痩せるよ! 強度も低くて、つらくないから長時間できる運動だし、景色も変わるから飽きないんだ、気がつくと何キロも痩せてるよ! あとね、代謝も良くなるからお肌にもいいらしいよ。化粧のノリが良くなるんだって。」
解説 「ダイエットに良い」と「美容に良い」は女性に何かをさせる場合に最も効果的であると聞いている。このアプローチで動いてくれない場合、他のどのアプローチでもダメであることが多いようだ。あなたもまずこの方法を試してみよう。なお、「私は別に太っていないよ」という痩せ型のお嫁さん・彼女の場合は、「自転車に乗ると全身の筋肉をほどよく使うから、身体が引き締まるよ」などの応用技を使おう。また、実際は女性が自転車に長時間乗る場合、紫外線や空気の乾燥で肌を痛めるリスクはある。しかし、このリスクについてはあえて触れず、あくまで我々男性にとって都合の良い側面だけをちらつかせ、口説き落とさねばならない。まずは自転車に乗ってもらうこと、それが肝要である。日焼けや乾燥対策はその後考えれば良い(対策がないわけではない)。はじめる前から細々とした心配をさせてはならない。「俺と結婚しよう。」という感じで、ダイナミックに「俺と一緒に自転車に乗ろう。」と切り込むのである。
■■■アプローチ2:「食」で攻める■■■
「自転車だとちょっと変わったところに、おいしいものを食べに行けるよ! ほどよく運動して、おなかがすいたら、○○というところでおいしいアイスクリームを食べて、引き返してこようよ!」
解説 これはアプローチ1におけるダイエットと関連することでもあるが、女性も男性も「おいしいもの」を食べたい欲求は誰にもあるので、そこに訴求する。「しかも、運動しているので、食べても太らない」というダイエット的側面も合わせて訴えれば、効果は倍増する。
■■■アプローチ3(最後の手段):ゆるキャラで攻める■■■
最近は様々な地方自治体で数々のゆるキャラが跳梁跋扈しているので、これを参考にしてみるのも方法の一つだ。これは心理的バリアを取り払い、ネガティブイメージを飛び越えて「こちら側」に来てもらおうという戦略である。パチンコ店の前にいるオレンジ色のゆるキャラが「ピー!」とか言っている、あのけしからん方法である。最後の手段として、これも使ってみよう。どうしても自転車に乗ると言ってくれないお嫁さん・彼女であるなら、とりあえず105で組んだ10万円のロードバイクを買ってきて、部屋の中心に置き、彼女が帰宅するタイミングに合わせ、ゆるキャラの格好で出迎えてあげて、「ピー!」とか叫びながら、自転車をプレゼントしてしまえばいい(セリフは別に「ピー!」でなくとも良い)。どんなゆるキャラがいいかは自分で考えてほしい。
■■■失敗するアプローチの例■■■
「一緒にヒルクライムしようよ。峠越えは、楽しいよ。本当の自分に向き合えるっていうか、自分の限界を知ることができるっていうか、極限体験の中で感覚が研ぎすまされるんだ。もう本当につらくて途中で投げ出したくなるけど、足を着かずに頂上まで登れたときの達成感は格別だよ。オールアウトすると息が出来なくて心臓が止まりそうになるし、筋肉は痙攣するし、あんまり追い込んだときは吐きそうになることもあるけど、一度やったらやみつきになるよ。ダウンヒルのスピード感も最高なんだ。バイクを倒しこんでギリギリのコーナリングをするのは本当にスリリングだよ。死と隣り合わせっていうのかな。」
これは、ワークしない典型的な例なので参考にしてほしい。上記の例にはいくつかの問題がある。まず女性に自転車をはじめてもらうにあたって、つらさ・苦しさ・恐怖を前面に出してはいけない。山岳サイクリングの例を使う場合は、以下のようにアプローチを変えてみた方が良い。
「一緒にヒルクライムしようよ。峠越えは、楽しいよ。なにより空気がきれいだし、身体が浄化されるようなそんな気がするんだ。森林浴効果っていうのかな、マイナスイオンとかゆらぎ効果で心身ともに癒されるんだよ。あと山は最近流行のパワースポットそのものだからね、元気をもらえるよ。景色もすごいんだ。高度が上がるほど空気も澄みわたって、木々の葉がきれいに色づくんだ。再来週くらいには奥多摩の紅葉も全開だから、一緒にロードで行ってみない? きみと一緒に、きれいなものを見に行きたいんだ!」
以上である。男性諸氏は参考にしてほしい。なお、私が知る限り、女性は空気入れや脱落したチェーンの対処、パンク修理といった作業が好きでないことが多いようだ。勿論そうでない女性もたくさんいるが、メカ関連、メンテナンス関連、力作業関連は好きでないという女性がやはり多数派であるような気がする。男性諸氏は、少なくとも最初の半年や一年くらいは、お嫁さん・彼女専属メカニックとなる覚悟をしておいたほうが良いだろう(これはこれで、自分のスキル向上に繋がるので良いことでもある)。
評 価→★★★☆☆ 効果については保証しません
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