購入価格 ¥ 105000
GIOS AIRONE (530mm/2009年)
2009年3月30日発注、4月9日納車でした。
トップチューブ長530mm、メインコンポはシマノSORA。
2009年、4月初旬。転勤を迎え、片道8km (前職場は2km。近っ) しかも近所に峠が!という垂涎の環境に。そこで、初代CAAD8に次ぐ2台目として、以前から美しいシルエットに憧れのあったクロモリバイクを購入することに・・・この顛末はアンカーRNC7の項に譲ります。
問題は、アンカーRNC7は今すぐ乗れないこと。
・・・勢いというものは怖ろしい。気が付けば、その場で「通勤用」と称してもう一台オーダーしていた。納期は10日後。新職場の赴任式には間に合わないけど、第2週のアタマから乗れる!
購入を決意したのはアンカーRNC7が先だったが、私にとってのクロモリ初体験となったのはこのGIOS AIRONE。まず、手に持ってみると・・・ずっしりと重い。乗ってすぐに感じたのが以下の二つ。
【乗り心地のよさ】
ローカルネタですが、近所に「大濠公園」という公園があります。ここには大きなお濠のまわりに、一周2kmのランニングコースがあります。そのランニングコースは、アスファルトによく似た外見の、ゴムのような材質の物で舗装されています。まさにその上を走っているような感覚。
また、「段差を下りたときにチェーンが暴れない」のが嬉しい。キャノンデール CAAD8 の場合、歩道の段差を下りると、「ガチャン」とチェーンが暴れてチェーンステイに当たります。このため、私のCAAD8のチェーンステイは傷だらけです。ジムでウェイトトレーニングの経験のある人なら、バーベルを置くときに硬質ゴムマットの上に置くのと、コンクリートの床の上に置くときの衝撃の違い、と言えば分かりやすいでしょうか。それくらい、乗り心地が柔らかく感じました。
【直進性の高さ】
放っておいても勝手にまっすぐ進んで行きます。ハンドルに依存しない。手放しが容易。これは後になって分かったのですが、これは安定志向のジオメトリにもよるのでしょうが、重いフレーム、重いホイール、重いタイヤ、も大きく影響していたようです。ホイールをシマノWH-7850-C24-CL に差し換えて走ってみると、直進性が若干ですが失われた感じがしました。
さて、走行性能ですが、ノーマルのままではやはり重さを感じます。加速がモタつく。スタートダッシュで30km/hに乗せても、すぐに失速してしまいます。これは、車輪まわりの重さが大きく影響しているようです。重さを量ってみると、タイヤ、チューブ等込みの実測で前輪1356g、後輪1902gありました。これは重い。上りでは明らかにタイムにも表れています。普段30分弱で走る峠で、数回走った平均値で1~2分の遅れが出ます。また、ケイデンスが上げづらい。高ケイデンスを維持するのも難しいと感じました。重めのギアを踏んだ方がよく進む印象です。(後日談:これはアンカーRNC7でも感じます。クロモリの特徴なのでしょうか。)
しかし、ホイールをシマノWH-7850-C24-CLに替えると、状況は一変します。平地での加速感も、峠でのタイムトライアルも、同じホイールを履いたキャノンデールCAAD8に引けをとらないのです(感覚の問題だけではなく、タイムに有意差が認められない、ということです)。それでいて、クロモリフレームの持つ特性は生きていて、長時間のライディングも苦にしません。160kmのロングライドイベント「ツール・ド・国東」にはCAAD8ではなくAIRONEを選択しました。
このバイクに乗るようになって思うこと。自転車におけるフレームの差って、乗り心地がほとんどなのではないだろうか。AIRONEとCAAD8ではフレーム重量で500gくらい違うだろうか?しかし速さに差が出るかと言うと・・・否である。少なくとも、その日の調子、風向き、周囲の状況に容易にまぎれてしまうレベルである。それならば、多少重くても、乗り心地の良い、疲れない特性のフレームが良い。
しかし、ホイール(タイヤ含む)の差はいかんともしがたい。AIRONEはホイール以外このままで、ホイールをシマノ6700(もうちょっと言えばRS80くらい)にして15万円で売り出したら、超鉄板エントリーモデルになるのではないだろうか!?(・・・いや、それなら自分好みのホイールを買えばよいのか)
GIOSロゴ多いです。溶接はきれい。
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【評価】ホイール含め、ノーマル仕様で評価してみました。
平地(速さ・コントロール性・乗り心地)
★★★☆☆
乗り心地がよい。疲れない。
直進性の高さも通勤、トレーニング用途にはプラスポイント。
ただし、「速く走る」ための自転車ではない。
上り(速さ・疲労感・乗り心地)
★☆☆☆☆
正直コレで峠に行く気になれない。
下り(速さ・コントロール性・乗り心地)
★★★★★
重さゆえか、非常に安定感がある。
剛性感は
CAAD8>AIRONE>>>RNC7
といった印象。
衝撃はあまりこないので吸収していると思うのだが、
フレームが「しなる」感じはあまりない。
これは「アリ」な乗り味である。
総合
★★★☆☆(細身のホリゾンタルが最高。「速く走る」性能にある程度妥協できるならオススメ。10万円程度でロードを探している初心者から相談を受けたとしたら、私はまずコレを勧める。)
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価格評価→★★★★☆(目的に合えば非常によい)
評 価→★★★☆☆(軽さ、加速性能を問うのは厳しい)
<オプション>
年 式→2009