1985年、23歳の秋に走ったコースです。
国鉄(現・JR)小淵沢駅に朝5時到着、時計回りで麦草峠を越え、八千穂村(現・佐久穂町)に下り、野辺山高原に上って、南八ヶ岳山麓の八ヶ岳有料道路(現・八ヶ岳高原ライン)を爽快に走るコースです。
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=99c2bd73c5ed9c33a589b7c067938d3d当時の記録から掘り起こしてみます。
* * * * * * * *
1985年10月9日、夜7時から2時間のアルバイトの後、アパートに戻ってすぐに輪行袋を肩からさげて東急目蒲線(現・目黒線)で目黒駅に出て、国鉄(現JR)山手線新宿駅へ。新宿始発23時55分の中央本線夜行各停で小淵沢駅へ。翌日が体育の日で祝日のためか、酔っ払いが多い。満員の電車に揺られ、市街を抜けるまではサラリーマンなどですし詰め状態。発車間際だったら、輪行袋を滑り込ませるのは不可能だっただろう。八王子辺りで、勤め人がいなくなったものの、山の方々が非常に多く、延々座れず。
昭和29年に関西から東京に来て、今は松戸にいるという阪神ファンの中年男性と話す。これから大菩薩峠に行くという。途中の駅で降りて行った。山梨市駅辺りで、ようやく通路に座ることが出来た。午前2時46分。これはもう、眠れないだろうな、と思ったらなぜか気分が軽くなった。
甲府駅で58分間の停車。ヒマなので構内を歩くと、寝袋で就寝中の山男が多数。
甲府駅にて
その後も寝ず、持ってきたおにぎりを食い缶紅茶を飲んだ。
朝5時1分。小淵沢駅に着いてしまった。小海線のベンチで寝ようかとも思ったが、停車中のヂーゼル機関車の音がうるさすぎて眠れないので、結局、このまま走ることにした。
5時48分を指す時計
駅で堂々と着替えて、6時前に出発。
しばらく走ると、小六(ころく)、乙事(おつこと)辺り(いい地名だ)で道が怪しくなってきたので、偶々歩いていた土地のおばさんに、地図を見せながら道を尋ねたら
「えーっと・・・、こちらにいくと、この道に出るでのぉ」
と親切に教えてくれた。名前を訊きたくなったので尋ねたら、教えてくれた。25kmほどのところでこんどは本当に道を間違えた。またしても、偶々道に出ていたおばさんに教えてもらった。そして八ヶ岳のパンフレットをもらってしまった。
真っ青な空が山で切り取られているようだ。
しかし、残念ながらビーナスラインと並走する辺りから中央資本の看板が頻出。
「三井の森」
って何?
蓼科方面と麦草峠方面を分ける分岐点を過ぎ、着々と登坂。しかし標高1200mあたりで脚に変調が。しかも何だか気持ち悪いような気が。いかん・・・、ここは休憩だ、寝ていないし・・・と自分に言い聞かせて休憩し、ロッテアーモンドビッグバーを食う。チョコってこんなに美味いのか。しかし、あと1000m、どうやって上るんだ?
クルマが本当に少なかったが、1700m付近。紺色の高級そうなセダン車がゆる~りと抜いて行った。もう少し行くと今度は、そのクルマが路肩に停まっていた。そして何やらお金持ちそうなオバサマが助手席から降りて、私を待ち構えている。何かと思ったら・・・、
「あっら~、すごいわー」
「あ、ええ、コンニチワ」
「すごいわ~」
何だかよくわからないが、どうもあのオバサマ、オレを見て感心していたらしい。
標高を上げると色づいた針葉樹林が目立ってくる。2100mの表示。もう上りがないのか?と思った。
峠にようやく着いた!
当時は国道最高地点
麦草ヒュッテで、山菜ラーメン(という名の、山菜を投入した中華三昧か?)を500円で食った。腹が減っていたのでうまい。
黒い犬がいた。チェスとマリという名前の2匹の犬がいるようだが、どうやらこちらはチェスらしい。
どうやらこの犬がチェス、らしい
翌1986年6月に行ったら、子犬が生まれていた
長い下りを経て八千穂村へ。麦草峠の上り下りで、自転車は自分だけだった。
R141で右折して野辺山を目指す。ダラダラ登坂が野辺山まで、延々続き、しかも向かい風。これには本当に参った。
八ヶ岳有料道路(現・八ヶ岳高原ライン)に入る。緩い下りと軽めの上りが繰り返し、徐々に標高を下げていく爽快な道路。これはおもしろい。この道路が終わると標高1200m。そこに物凄い直線激下りが出現。自転車を降りて歩いてください、という驚愕の標識が。
「自転車から降りて通行して下さい」の文字が!
午後3時過ぎ、小淵沢駅に戻る。
駅前でカレーを食って、駅構内で少し眠って、夜8時45分の急行で帰る。電車が空いていて良かった。
明日は朝9時半からバイトだ。
* * * * * * * *
ルートラボで調べたら、距離129kmで2590mを獲得していました。一睡もせずに走ったのですが、若いって、そういうことなんですかねぇ。。。
このルートは85年、86年、88年(だったか?)と、都合3回走っていますが、楽しい輪行サイクリングでした。
評 価→★★★★★