購入価格 約50万円(往復ビジネスクラス+ホテル代、食費等込み)
馬鹿野郎!何が「正月太り」だ!
逆に考えるんだ。それはカーボローディングが完成している状態だと!
さぁ、今すぐその自転車に乗って出掛けるんだ!
どうやらここは俺の体験談を通して、冬でもお外で元気に走り回る自転車乗りの本分を取り戻してもらわなければならない流れのようだな・・・
あれは俺がハワイ滞在3日めを迎えた時のことだ。
この日は、終日自由に使える最後の日である。
この日は総決算。
1日目にイージーライドがてら下見したハナウマ・ベイ方面。
2日目に西側・東側の両方を制覇した「タンタラスの丘」。
そして3日目の今日に行こうと心に決めていた「ヌウアヌ・パリ展望台」。
全てをつなげた、全部入りである。
【タンタラスの丘】
ワイキキのホテル街から5km足らずの、非常に有名な観光地。
ツアーで行くと、必ずと言っていいほど夜に連れてこられて、夜景をバックに写真を撮る。
ワイキキ方面から来るのであれば、「ワイルダー・アベニュー」または「ケエアウモク・ストリート」を経由し、
「マキキ・ディストリクト・パーク」を目指そう。
「マキキ・ディストリクト・パーク」の北東に伸びている道が「マキキ・ストリート」、タンタラスの丘に至る登り口へ続く道だ。
上り始めてすぐ、2つの分岐がある。
西側は深い木々の間を抜ける、特にどうということはない山道。(7.3km、446m、6.1%)
東側はホノルルの街並みを一望できる、抜群の眺望。(7.7km、430m、5.6%)
ちなみに、西側は「タンタルス・ドライブ」、東側は「ラウンド・トップ・ドライブ」という名前がついている。
西側 東側
俺「どっちにしようかな・・・」
その瞬間、近所の公園で日向ぼっこをしていた通行人のメガネが鋭い光を発し、剛腕パンチで俺を吹っ飛ばした。
「馬鹿野郎!
向こうの斜面と、こっちの斜面。
1つの山は2つの坂でできているんだ!
レース中ならともかく走り込みの練習中で、片方だけでよしとするとは何事だ!」
そんなことがあって、2日目は両面の上りを堪能した。
全部入りコースゆえに先を急ぎたい3日目の今日は、西から上り東から下るコースをチョイス。
【ヌウアヌ・パリ展望台】
今回の滞在で最後のタンタラス展望台を堪能すると、次の目的地「ヌウアヌ・パリ展望台」を目指す。
ハワイとはいえ、観光地ではない内陸部に入ってしまえば、普通の生活圏である。
これもまたハワイ。
しかしその道中、やや道に迷ったのは初見の道を走る時の私の恒例行事みたいなもんだから良いとして、ハイウェイの走行が私にはちょっと怖かった。
ハイウェイって言っても、日本で言う高速道路ではなく、日本の感覚では大きな幹線道路に近い。
ハワイでは「share the road」がよく浸透していて、自転車は車道を自動車と共存して走るものだと思われているし、
自動車が自転車を追い抜くときはスローダウンして大きく避けてくれる人がほとんど。
追い抜きざまに窓から手を出してアロハサインを送ってくれる人もよくいる。
3日間で10時間以上走ったが、クラクションは1度も鳴らされなかった。
その上、自転車専用レーンがペイントされていたり、車線右端に0.5車線が確保されていたりと、とても走りやすい環境。
しかしハイウェイは、相変わらず自動車はしっかり避けてくれるのだが、
いかんせん速度が出ているため、後ろから迫ってくる走行音が怖い・・・
路面が荒れている事が多いのとも相まって、
「ここでハンドル操作を誤ったら死ぬな・・・」と思いながら緊張感ある走り。
ハイウェイ区間はあまり楽しめず。
途中、ハイウェイを離れ、川に並走するうっそうとした森の中を走る。
森の中に川!?と一瞬思うが、そうか、滝が近いのだ。
どこから川に降りるのかわからないが、そこかしこに自動車が路駐していて、水着姿の人がたくさんいる。
うっそうとした森とのギャップがすごい。
こんなところで泳ぐのか!?
しばらくするとまたハイウェイに合流。
そしてほどなく「ヌウアヌ・パリ展望台」に到着。
【ワイナマロ・ビーチ経由でハナウマ・ベイ】
強い風が吹き抜けるヌウアヌ・パリ展望台でしばし写真撮影などして、みたびハイウェイに合流。
ここに限らないが、ハワイはずっと観光地や景色の良いところが続いているのではない。
むしろそれらは点在していて、その間の移動距離は意外と長い。カラニアナオレ・ハイウェイをゆく。
周囲の交通に気を遣いながら、あまりリラックスできないライドが続く。
ハイウェイが終わり「自転車通行帯」の標識が見えると、ホッとする。
あまり景色の良くない、長い内陸部の道を抜け、一面の青い海が広がる。
ワイナマロ・ビーチである。
このあたりは、福岡市西区の西浦ざうお前あたりの風景とそっくりであり、とても親近感がある。
ちなみに、あまり治安がよろしくないらしい。
ハナウマ・ベイに向かう途中、「マカプウ展望台」で写真撮影。
明らかに日本で見るそれとは違う色をたたえる海を写真に収めようとしていると、周囲の観光客たちが色めき立った。
何だ?と思って皆の視線を追う。その先には、パラシュート(?)に乗ったおじさんの姿が。
明らかに我々ギャラリーの目を意識して周辺を周回するおじさんを、写真に収めたり動画を撮ったりした。
さて今度こそハナウマ・ベイへ。
このあたりはずっと海沿いなので平坦なのだろうと思ったが、意外とスケールのでかいアップダウンが連続する。
右手に岩山、左手に海という、見飽きることのない景色を存分に楽しむことができる。
最後までタレずに走り切れたのは、梅丹金のおかげかな。
驚くべきことに、今日は水と梅丹金のほかにはベーグル1個しか補給してない。
あと、賞味期限が2年以上過ぎたマグオンを昨日摂取したが、まだ生きていることをここに報告しておく。
【おまけ:ダイアモンド・ヘッド】
とても有名な観光地。人も多いしバスも来る。巨大なカルデラの内部。
しかし中に入ってしまえば、あまり美しい景色というわけではなかった。
【終わりに】
美しい海、澄んだ空気、自転車フレンドリーな交通環境(道の舗装は悪いけど)。
一方、「俺はハワイを自転車で走っている!最高だ!!」と感動を爆発させられるロケーションは意外と限られている。
それぞれが意外と離れたところにあるので、計画的に回ることが大切だと感じた。
または、私の「タンタラスの丘」のように、お気に入りのコースを見つけてリピートするのも一案。
もし次にハワイを訪れる機会があれば、今回は回らなかったオアフ島の北・西部や、ハレアカラ(「サイクルトゥザサン」のコースにもなってるとこ。
距離55km獲得標高3000mとは!!)に行ってみたい。
価格評価→★★☆☆☆
おいそれと来れる値段ではない・・・
評 価→★★★★☆
その美しい景色のいちいちを、「もしかして人生最後・・・」と思いながら後にした。
今回のコースはオアフ島のごく東側の一部に過ぎない。
これで90km弱。