疋田智、片山右京、今中大介、勝間和代、谷垣禎一『自転車会議! なぜ、各界のトップランナーは自転車を選ぶのか』PHP研究所、2009年9月24日。本体価格1,300円。
■感想
不思議な本である。
昨今ブームの自転車関連書籍といえばおおむね、ハウツー本である。選び方、乗り方、メンテにパーツ紹介、紀行に旅行記日々雑感、ここに行ったあそこで何した。
この本はそれらのいずれにも属さないのだ。褒めているのではない。
雑談集と言ってしまうと言いすぎだろうか。言いすぎですかね。
参加者がすごい。
疋田智;元祖ツーキニスト。今回はコーディネーター・司会役。
片山右京;もとF1レーサー、現在はアドベンチャリストだそうで、登山や
今中大介;いわずと知れた日本人ツール初参戦。現在は社長にして解説者。
勝間和代;経済アナリスト、公認会計士、三代(でしたっけ)自転車名人。
谷垣禎一;本書刊行時は代議士として現在は自民党総裁。
表紙もすごい。
「ロードバイクの下ハンドルをもってダンシングしてるスーツのサラリーマン」が「三輪車にまたがったスーツのサラリーマン」をどこかの路上で追いこすモノクロ粒子粗め写真、という。この写真からどのようなメッセージを受け取ればよいのだろうか。「自転車は三輪車より速い」?
帯(の文句)もすごい。いわく、
【以下引用】エコ、ダイエット、スポーツ、通勤……。
最近、世間が「自転車!自転車!」と騒がしいと思いませんか?
それは、自転車が非常に知的な乗り物だからなのです。
デキる人は、漕いでいる
自転車は通勤手段か、スポーツか、はたまた……ライフスタイルとしての自転車活用と、これからの自転車文化に迫る!【以上引用】
だそうで。
内容は、自転車についての提言というか雑談に終始する。
私(参加者)の自転車なれそめ、私にとって自転車とは何か、これから自転車を始める人へのメッセージ、日本の自転車環境、駐輪場の問題、日本人を全員自転車に向けてしまおう…についてあれこれ。
「谷垣議員を訪ねて」のセクションでは自転車税、バスレーンを自転車にも開放しては、高速自転車道について…編者(参加者ではなく)とのインタビュー、となっている。
勝間和代さんの自転車スタイルを知ることはできる。
愛車のマドンとか、クロスに乗らないのかとか、駐輪場とか、とか、とか。
でも、それぐらい。その場でいろいろ言い合って、それだけ。
会議というからには結論を出して、具体的に動かしていかなければ意味がないはずでは。
巻末には「内容は深く深く進んでいっても、出席者のスタンスは「楽しむ」それだけ」
それだけって…モッタイナイ
あ、もしかすると第2回の会議が開かれているのかな?
価格評価→★★★★☆ それでもまあ、本って安いですよね
評 価→★★★☆☆ まずは図書館などでどうぞ