購入価格 ¥9,800(定価¥13,125)
個人的な印象では、もっともMTBらしいデザインの製品を世に送り出しているレースフェース社。性能や信頼性にはちょっと「?」が付くときもありますが、その不満を補って余りあるデザイン性はピカイチです。剛柔どちらにも振れ過ぎることのない中庸といった雰囲気の佇まいが好感を抱かせます。昨今はそのデザインもさらに洗練され、加えてカラーアルマイトの多色展開などで、前にも増して魅力的なメーカーになったように思います。
要は、私はレースフェースが好きというだけのことです。
ライズは±6°、サイズラインナップは70,90,100,110,120mmとなっています。なぜ80を飛ばすんだ?と思わず突っ込みたくなりますが、70mmが実測では80mmという未確認情報もあります。
レースフェースではお馴染みのパウダーコートによる塗装(粉体塗装)で、少し厚ぼったく柔らかい印象を受けます。造形自体はごく平凡(OEMかも)ですが、グラフィックには目を見張るものがあります。RACE FACEとDEUSのロゴのみならず、ステム上面には繊細で流麗なラインが描かれています。ちなみに、これらのグラフィックは他のDEUSシリーズのコンポーネンツとおそろいです。ハンドルキャップにはトレードマークである目玉もあしらわれていますし、グラフィックとの統一感を考慮してか、ボルトがブラックに変更されている点にもこだわりが見えます。ただ、美しいだけにロゴが剥げやすいのが残念です。
実用に際しては、特に気になる点はありませんでした。ちゃんと精度は出ていますし、トルクフルに漕いでも私の力ではよれるなんてこともありません。気付いた点としては、雌ねじに塗装が乗っているので、はじめにボルトを締めこむときになめてしまったと感じさせるようないやな感触があったことぐらいでしょうか。
なお、DEUSステムのホワイトバージョンはバークランプ径31.8mmのみです。31.8mmが主流になりつつありますが、レバー類を内に寄せられなかったり、ライトなどのブラケットを取り付けにくかったりで、結局はデメリットのほうが多いように思われます。31.8mmの場合ステム長が短く見えてしまうのも、ちょっと悲しいのです。
まあ、この価格帯(¥10,000前後)のステムなら、正直なところどれを買っても大差ないように思いますし、デザインで選んでも大失敗は稀なのではないでしょうか。ステムをねじりまくる怪力スプリンターなら話は別かもしれませんが。
価格評価→★★☆☆☆ パウダーコートのためか定価は高い。
評 価→★★★★☆ パウダーコートに綺麗なグラフィック。でも、造形は平凡だしロゴがすぐ剥げる。
年 式→2010
カタログ重量→135g(100mm)
実測重量→139g(90mm)