購入価格 ¥6510
1500km程使ったのでレビューを追記いたします。
まずお詫び、、、前報にて「やっと出た普及価格帯のチューブレスタイヤ」と書きましたが、ユッチンソンはfusion3発表時に、fusion2をディスコンにせず定価改定をしたので、こちらも安価に買えます。両者とも国内通販だと5000円くらい/本ですので実勢価格はほぼ同じ。後述する様に、TLタイヤはメリットも多く、対応ホイールも選択肢が増えて来たので、これは歓迎すべきことと思います。
別項でもレビューしたのですが、最近ホイールを換えました(ゾンダ+ROADLITE tubelessもまだ持ってます)。このホイールに800km弱走ったハッチンソンのfusion2 tubelessがおまけでついてきましたので、追記も兼ねて普及価格帯の二製品の比較(?)に挑戦してみます。
■保ちの良さ
ROADLITE tubelessは今のところトレッドのひび割れも無くすぐにパンクとか交換とかが必要な様には思えません。ここは一安心(以前使っていたFormula Proが大した距離でもないのにパンクしたので、、、)です。僕はバイクの扱いが決して丁寧な方ではありませんが今のところパンクもありませんしトレッドを触ってみても十分な肉厚を感じるのでタイヤとしての保ちはいい部類だと思われます。これで実売5000円程度なら上出来ではないでしょうか?
あと、見た目真っ黒なタイヤですが、どうやらサイドと中央でゴムの材質を変えてあるみたいで、うっすら継ぎ目が見えてきました。しかし、この継ぎ目、、例えば同じ距離つかったPro3の様にはっきりひび割れがでている訳じゃないので、まだ当分使えそうです。
空気圧の調整の推奨値は、ハッチンソンはMAX125PSにI対してIRCは90-115PSIになっており、どうもハッチンソンのほうがサイドやビードの強度や耐久性に自信がある様な感じなんですが、800kmほど使ったハッチンソンはサイドがやや荒れてきています。ここから先の扱いには注意が必要かなと思いました。
■乗り心地
両者をくらべた印象だと、IRCの方が空気圧の多寡による乗り心地の変化が大きいという印象をもちました。
ハッチンソンは、気持ち低圧でもエアをパンパンに入れてもとても滑らかに走ります。さすがはかつてのハイエンド!という印象です。
対してROADLITE tubelessはエアが低めのときはロードノイズをあまり拾わないものの漕ぎは重く、、、エアをキンキンに入れると漕ぎが軽いという具合に空気圧による印象の差が大きいです。
fusion2の様な滑らかさはどの空気圧でもROADLITE tubelessには感じません。一方滑らかで転がりも軽いfusion 2はある意味グリップ感に乏しいともいえます。ROADLITE tubelessはグリップ感が大変把握しやすいです。例えば砂や砂利のすこし浮いた路面などではIRCの方が僕には安心感があります。パンクしない=悪路も走れると捉えるなら、ROADLITE tubelessかなあと感じます。
クリンチャーから変更すると、fusion2の軽快さは「おお!」という感じで体感で分かり易く、ここが気に入りました。ROADLITE tubelessの場合は高圧で使わないといわゆる「漕ぎの軽さ」を感じることは難し反面、設置感にすぐれていると感じます。同じチューブレスなのに両極端とも言える性格を有していておもしろいですね。
■耐パンク性
実はfusion2の800km走行後の中古品をすぐにパンクさせてしまいました。
メーカー側でも修理は推奨していない様なので、今はチューブをいれて重ためのクリンチャーとして使っています。理由としては、サイドもトレッド中央もクリンチャーとの比較では外観上さほど大きな仕様変更をされていない様に見受けることが影響している様に思います(シーラントならともかくパッチを貼って修理はできない)。
fusion2はタイヤ全体のしなたかさを大事にしているのか?タイヤを外してみたときの印象ではタイヤ全体が割合薄くて、、、、例えば畳むとよく分かるのですが、、、、薄っぺらいです。徐々にサイドがケバだってきている感じから察するに、材質面では同社のクリンチャータイヤと差があまりないのかもなと感じました。一方ROADLITE tubelessは布の上に分厚いゴムを引いてある感じで、畳みづらいです。このことが両者の走行感の差に表れているのかな?と感じました。
チューブレスタイヤはタイヤそのものが空気を閉じ込める役割をしているので、ケーシングの柔軟性/耐久性がそのままタイヤの耐パンク性にかかわっている様に思えます。走行感とタイヤとしての耐久性や耐パンク性の両立というのは、まだ、その取り組みがはじまったばかりのジャンルなので、発展途上なんだろうなあと思いました。僕がつかった3種のなかでは、後発のROADLITE tubelessがもっとも長持ちしそうだなと感じます。空気の抜け易さに関しても以前使っていたformula proより抜けが少ないので、おそらくビードを含めたタイヤ全体の剛性(?)が見直されているのでは?と思います(ちなみに、劣化の程度をみるとき、エアの保持性はTLの場合かなり参考になります、、、抜け易くなってきたら、サイドかビードが草臥れて来ている可能性が大きいです)
なんか、こうかくとfusion2ダメダメな評に感じられてしまうかもしれませんが、滑らかな走行感はすばらしく、パンクもトレッド中央に何かが刺さったものながら、スローパンクで済んだので、パンクのまま帰路50km弱走って帰って来れました。帰宅後空気圧をはかったら5kgf程度でしたので(何度かCo2を足しましたけど、5kgf以下にはなりませんでした)、傷の大小もあるかと思うものの、クリンチャーより安心感があるなと思います。しかしサイドに何かが刺さった時は「ゴムの被覆厚」がそんなに厚くはありませんから、すぐに空気が抜けてしまいます。ここが特段耐パンク性の考慮をしていない場合のTLの弱点だと感じます。ROADLITE tubelessはこの点ではそれなりに、先行した他社製品や同社の製品より信頼できそうです。
■修理・整備性
ROADLITE tubelessはサイドも裏面もゴムが引いてあって、パンクの際にパッチで修理できる旨、メーカー側のアナウンスがあります。パンクさせてしまったハッチンソンにはその様なアナウンスはなく、チューブを入れて使うしかないので、この様な改善は歓迎したいです。
■チューブレスのメリット
巷でいろいろクリンチャーと比較したチューブレスのメリットについてのアナウンスがありますが、私は「チューブラー程メンテが面倒」ではなくて、パンクしづらい、もしパンクしたとしてもスローパンクで済む、、というのが僕は試した都合3種類のチューブレスタイヤに共通するメリットだと感じます。しかし、そのあり方はそれぞれの製品で微妙に違っていて、サイドの弱いものはここが破れてしまうと、クリンチャー同様、走行できないくらい空気が抜けます。
この様な弱点を克服しようとする(耐久性を増そうとすると)、「タイヤ全体」の剛性を高める必要がでてくる様で、こうした対応の為されたROADLITE tubelessは、同社のformura pro や ハッチンソンのfusion 2ほどのしなやかさや乗り心地の良さはありませんでした。
すこしいろいろ試行錯誤をした感じでは、このタイヤはエアを高圧にして、転がりの軽さ/悪路でのパンクのし辛さ を主眼に使うのが良さそうだなあと感じています。
前述した、パンクのしづらさは過信は禁物ながらチューブレスを使う上で大きな購買動機になるものだと思います。一方、よくTLの宣伝文句になる「乗り心地が良く」「漕ぎが軽く」「パンクしづらい」というのは、二律相反どころか、三律相反といったところで、まだ、この三点を満足した「夢のタイヤ」には僕は出会っていません。
今回は僕が実際つかってみた3種を簡単に比較しただけですが、乗り心地にもキャラクター性格付けがでてきたみたいで、目的別に選んで使うことも可能になってきたとも言えるかと思います。耐パンク性をもとめるのか?乗り心地をもとめるのか?によって、どの製品が用途に合うか、こんなに小さな選択肢の中でもはっきりたした違いがあったのが印象的でした。
※ロゴマークはあっさりしてる、素っ気ないとの評もある様なんですが、倒すと禿げて来て「なんか俺走ってるぜ!」感があって好きです。峠の下のコンビニなんかで。タイヤの摩耗度合いみて「あいつは結構乗ってるな!」みたいな(笑)、頑丈だけが取り柄のタイヤという様な書き方をしてしまいましたが、迷ったらコレ買っとけという様な安心感があるタイヤだと思います。
価格評価→★★★★☆(通販で5000円なら買いでしょう)
評 価→★★★☆☆(乗り比べると、ハッチンソンの方が走行性能はすぐれてる感じがしました)