追記。
このハブのレビュー内で私が言及したspocalc.xlsでのスポークテンションバランスの算出結果1:0.71ですが、私の単純な使用ミスであることがGlennGouldさんのご指摘で判明しました。BarTape内で教えて頂いたのですが、ハブのセンターから左右各フランジまでの距離と左右スポーク長さをもとにテンションバランスを算出する方法があり、簡単でとても有用だと思ったので、拙レビュー内に引用させて頂いても構わないかお尋ねしたところ、ご快諾頂けました。
以下そのレスの引用です。
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>ハブセンターから左右フランジへの距離がそれぞれ、左33.2mm・右17mm
で、
>リアのテンションバランスは、自分のケースでは1:0.6程になりました。
>spocalc.xlsの計算では0.71までいけると出てたのですが
(*1拙レビュー引用)
とのことですが、この値にはちょっと違和感が・・・。というわけで私もspocalc.xlsを使ってみましたが、3 crossでのテンションの比は1:0.514となりました。この0.514は、
17/33.2 = 0.5087
にほぼ等しくなります。これにスポーク長さL1=302、L2=301ということでL1/L2を掛けると、
17/33.2 ×302/301=0.5137
となるので、これはspocalc.xlsと同じ数値で納得できる値です(左図の式をご参照ください)。
左右面をいずれも同じ組み方で組む場合のスポークテンションの右左比率は、ハブセンターから左右フランジへの距離のみで(ほぼ)決まってしまう値なので、右左比率を変えるというのは、左右面をいずれも同じ組み方で組む場合には不可能です。
大雑把には、左図に示す通りで、左右テンションF1とF2の水平成分が釣り合う、という条件からF1:F2が自動的に決まります。微視的にみると、スポーク 交差点で、上になっているスポークと下になっているスポークとではわずかに異なってきますが、測定にかからないほどの微差だと思われます。
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ハブのセンターから左右それぞれのフランジまでの距離とスポーク穴のPCD(フランジ径とも)はほとんどのメーカーが公表しているので、これを用いればスポークの長さを求めることが出来ます。今回GlennGouldさんが教えて下さった内容には、センターから左右各フランジまでの距離の比率とスポーク長さの比率を掛け合わせると、テンションバランスが算出できるというとても有用な情報が含まれていました。三角関数の初歩かと思いますが、メーカーが公表している数値とちょっとの計算で組み上がり状態でのスポークテンションバランスが予測できるのは、購入前のハブのデザインの良否を判断する上でとても良い指標になるかと思います。
・まとめ
ハブのセンターから左フランジまでの距離をR1とし、同右フランジまでをR2とする。左側に張られたスポークの長さをL1、右側スポーク長をL2とすると、左右のスポークテンション比は下記の数式で求められる。
R2/R1 x L2/L1
この数式を基に予測した、このハブの左右テンションバランスは1:0.514。私が実際に組んだ結果と概ね合致するものでした。1:0.71とした記述を訂正させて頂くとともに、検証して下さったGlennGouldさんに感謝致します。ありがとうございました!
価格評価→★★★★★(高いハブ買う前に、ほんのちょっと手間をかければガッカリしなくて済みますね)
評 価→★★★★★(シンプルかつエレガントな検証方法)